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どうしてBTSは日本でここまで流行ったのか?③~心を奪われてしまったジャニオタたち~

どうも8810sekkeyです。今回は前回の続きである。10代から20代の若年層にターゲットを絞って,「どうしてBTSが日本で最も注目されるアイドルになってしまったのか」をジャニーズ事務所に主軸を置き解説していこうと思います。

第3章は第2章の話が分かったうえで解説していきます。詳しい内容が見たい!という人はこの段落の下にリンクを張っておきますのでそちらをご覧ください。見る必要ないです~って人向けに前回どのような内容だったかを要約して解説しますと


〇ジャニーズ事務所はテレビの時代の移り変わりに大きく依存している

〇テレビが存在していたからこそジャニーズ事務所は発展していき,ジャニーズ事務所が存在していたからこそテレビが発展していった。つまりテレビとジャニーズ事務所は強い相互関係で結ばれている

という結論に至りました。上の要約が分かっていれば全然理解できる内容ですのでそこは気にしなくて大丈夫です。それではいってみましょう!

〇新たな情報デバイス,スマートフォンの登場

だが,2010年代に入るとジャニーズ事務所が雲行き怪しくなっていく。今回ではジャニーズ事務所での騒動について全く触れないでおくが,ここでは別の大きな出来事を取り上げる。

新たな情報メディア,スマートフォンの誕生である。

元々パソコンは存在していたが,パソコンはオフィスでこそ普及していた反面家庭用,まさしく一人に1台個人用で所有している人は滅多にいなかった。そのためインターネットでのエンタメ産業の参入は非常に少なかった。

しかしスマートフォンはパソコンとは大きく異なる。携帯電話の派生で誕生したこともあって日本国内で90%以上の普及率を誇る携帯電話(ガラケー)をスマートフォンに機種変更するだけで良いので普及させるなんて簡単なのだ。さらにこの辺りからYoutubeやSNS等のアプリケーションの開発,運営が盛んになり多くのエンタメコンテンツがこぞってインターネットおよびスマートフォン業界に参入していったのだ。

このことが影響した結果音楽業界,ドラマ,バラエティ番組のオンライン化(インターネット業界への参入)を活発化していった。そこにはもちろん日本のアーティストやバンド,アイドルもこぞってオンラインコンテンツを充実化させるように環境整備を行い,ネットでも人気を上げられるようなコンテンツを展開するようになっていったのだ。

そのような結果もあってMMD研究所の記事によると,10代の女子のスマートフォンを3時間以上利用している割合は9割以上,10代男子であっても3時間以上は7割以上,20代女子でも3時間以上は6割強から7割,20代男子は6割以上を記録しているのだ。

〇オンライン化に乗り遅れたジャニーズ事務所

上のデータからも分かるようにスマートフォンは若年層の多くの時間利用されていて特に男子に比べて女子はスマートフォンの利用時間が遥かに大きいことがデータから分かってもらえただろう。

しかしどんなにスマートフォンが流通しだしたからといってスマートフォンが市場に出回ったタイミングでオンライン化の整備を行っていればエンタメ産業で乗り遅れることはない。実際2010年代のタイミングで多くのアーティストはオンライン化の整備を始めて成功し人気を伸ばしたり,維持しているアーティストも少なくない。

しかしジャニーズ事務所は日本音楽市場の中で最もオンライン化が遅く,現在に至るまでオンラインの整備が充実していないのも事実である。

具体的にLine musicやapple music,spotify等のインターネット音楽コンテンツにおいてダウンロード版の販売参入時期は非常に遅く,未だに対応していないジャニーズのアイドルまでいる。

さらにYoutubeでのMV(ミュージックビデオ)の投稿が全く持って充実していない。嵐がYoutube公式チャンネルを開設してMVが公開されたが,公開されたのは2020年の話で,ほとんどのアーティストが10年前に移行が完了している段階である。さらに未だにジャニーズのアイドルグループでYoutubeの公式チャンネルが開設していないケースも存在する。

さらに追い打ちをかけるようにメンバーたちのSNSはおろか,グループ公式のSNSアカウントさえも存在しないグループがあるという始末。なおこれらの具体例は過去の出来事で現在は改善されたという話ではなく2022年現在進行形で起こっている出来事なのである。

これらの具体例があることから,ジャニーズ事務所は非常にインターネットを苦手として未だにオンライン化の整備が整っていないことが明らかになる。

これではスマートフォンの視聴時間にほとんどを有する10代や20代の女子の目に触れる機会を少なくし,彼女らの心を鷲掴みにするのはおろか印象にすら残らないという芸能人として最悪なケースを招くことは誰でも予想できるだろう...

このような理由からジャニーズ事務所のオンライン化整備が他のアーティストからかなりの遅れを取ったことによってインターネットを主軸として生活をしている若年層の需要に一致することができず,そもそも彼ら,彼女らの目にすら触れる機会が減っているということが分かる。

〇テレビを全く見ない若者とテレビにこだわり続けるジャニーズ事務所

前文ではスマートフォンの使用率を根拠して若者はスマートフォンに多くの時間を使用している。ジャニーズ事務所はインターネットの構築に失敗してしまった具体例を挙げたが,次に別のデータを紹介しようと思う。

NHK放送文化研究所のデータによると,年齢別インターネットおよびTVの利用時間(視聴時間)を年齢別にグラフ化したものを見てみると,10代から20代の間ではインターネットを利用する割合がTVを利用する割合よりも大きいことが分かり,特に16歳から19歳の間でインターネットを利用する割合は80%,TVを利用する割合は47%と,インターネットはTVの倍ぐらいの差がある。さらに30代になるとTVとインターネットの利用割合が同じくらいになり,その年齢以降はTVの利用割合が高くなっていき,インターネットの利用割合は減少していく。特に40代からはTVを利用する割合が約70%となり,それに対してインターネットの利用割合は60%以下となっている。

つまりこのことからも若年層はインターネットの使用に多くの時間を使っていることが分かると同時にインターネットの利用時間が増えたことによって犠牲になったのはテレビで,若い人はテレビをほとんど見なくなっているということが明らかとなった。

個人的な話ではあるが,筆者は20代前半の学生である。そのため世代別に分けると若年層に分類される。かれこれ筆者の私生活においてテレビを所有はしているがテレビの電源をつけてテレビを視聴することは全くない。テレビを持っているが,テレビを全く見ない側の人間である。しかし僕は様々な情報を得るためにテレビではなくYoutube,SNSを中心としたメディアサービスを利用しているため,テレビを全く見ていないにも関わらず日本の芸能界で起こっている出来事や騒動についてはそこそこ詳しいのである。さらにインターネットに大きく関連する内容であれば分野専門であるので非常に詳しくより細かい分析を行うことができる。

話が反れてしまったが本題に戻ると,若者はテレビを全く見ず,その代替といっても過言ではないインターネットに乗り換えて利用していることは分かってもらえた。しかしここで筆者が主張した内容を思い出して欲しい,この論題をより深めるために紹介した数々の具体例がある...

それは第2章で解説したジャニーズ事務所はテレビの移り変わりに大きく依存しているということだ。これをわざわざ説明するために長々と1970年代に時代を遡って解説していたのだ。ここでの具体例から求められた1つの仮説をテレビを全く見ない若者と照らし合わせて説得力を深めていこうと思う。

〇テレビで築き上げたコネクションを崩壊させたくない思い

突然であるがテレビ界の大御所であるお笑い芸人の明石家さんまさんの言葉を引用して解説していこうと思う。その言葉はとある明石家さんまさんが司会を務めるテレビ番組でインターネット(Youtuber)の話題が上がった時に明石家さんまさんが残したコメントである。

「俺らテレビの出る人間の敵はユーチューブやで!!」

この言葉から最低でも明石家さんまさんがYoutubeおよびその他メディアを敵対視しているのはもちろん,これを深読みしていくとYoutubeやインターネットで活躍している人間は自分達と別の世界の人間で気に喰わないと解釈することができる。

そうつまりテレビ業界で生きてきた人間はテレビで人生の大半を注ぎ込んできたからこそ新たなメディアへと時代が移り変わろうとする転機を拒もうとする傾向があると考察することができるのだ。

それをジャニーズ事務所にスポットライトを当てて分析していこうと思う。ジャニーズ事務所は1990年代フジテレビで「笑っていいとも!」の放送もあってSMAPを中心に多くのジャニーズアイドルがコネクションを築いていったが,当時絶大な効果があるテレビ出演においてその権利は非常に有効であった。しかし時代が経つにつれてテレビの優遇特権の効果が薄まっていき,テレビで出演するだけでは世間の評価や効果がほとんどなくなってしまったのだ。

そして何より最も恐ろしいのが,テレビの縦社会である。最低でもテレビ界の大御所明石家さんまさんがインターネットに対して敵対姿勢を示しているので今までテレビに積極的に出演していたジャニーズ事務所のアイドルが急にテレビ番組の出演を拒否したら明石家さんまさんはもちろん多くの同様の感情を抱いている大御所芸能人に嫌な顔されてしまう。(明石家さんまさんだけでなく同様の感情を抱いている大御所芸能人は多いと思う。)テレビ業界は1度大御所に嫌われてしまうと失った信用を2度と取り返すことができないという非常に厳しい業界である。

どんなにジャニーズ事務所が歴史があって由緒正しき事務所であっても所属しているアイドルが年齢的に比較的若く芸歴が浅いため,大御所に対して強く反発できないというのが実態であろう。さらにSMAPの中居正広さんや木村拓哉さんが大御所芸能人とプライベートでも仲がいいと聞けばなおさらである。自分たちの直属の先輩が大御所と仲良くしているのであれば,それに続く後輩たちもできるだけ好意的に接していくのが当然なのである。先輩が築き上げてくれた大きなコネクションを崩壊させたくはないし,先輩の期待を裏切りたくないと考えるのが新人アイドルでは当たり前である。

そういうこともあってジャニーズ事務所はテレビ業界では非常に好印象のイメージを保っている?保っていた?(最近ではそのイメージは崩壊しつつある)。そのことからもジャニーズ事務所は現在に至るまでテレビで物凄く優遇されていった。

ジャニーズのアイドルにとって1からインターネットというどういう荒波が来るか分からない,少しの騒動ばかりで燃え上がるインターネットの荒野に突入するのは大変恐ろしいと感じているが現状で,少しずつである改善の傾向は見られるが,テレビとインターネットどちらがジャニーズ事務所にとって居心地がいいかといったら当然テレビ業界,荒野と化しているインターネットよりもぬるま湯につかっていられるテレビの方が自分たちに非常にあっていると考えるのだ。むしろインターネットで宣伝して自分たちを売り込むよりも,テレビに出演して宣伝した方が情報拡散効率が良いかつ負担が少ないためそういった理由からジャニーズ事務所はテレビの依存から抜け出せないと考えるのが妥当であろう。

〇まとめ

よって今までの内容をまとめると,

〇スマートフォンの登場によって10代女子を中心にスマートフォンの利用率がテレビの利用率を抜いた。スマートフォンの利用に多くの時間を有している。

〇ジャニーズ事務所はオンライン化の整備に他のアーティストから遅れを取っていることによって若年層からそもそも話題に触れにくい環境を作ってしまっている。

〇ジャニーズ事務所は今までテレビで築き上げてきたコネクションを崩壊させたくないと考える。そのことによってテレビ業界を離れにくいという現状がある。

これらによって若年層とジャニーズ事務所に対して需要と供給のずれが生じている。より詳しく言えば,ジャニーズ事務所は現在もテレビに固執しているが,最大のマーケティングである10代女子はテレビを全く見ないので見向きをされていないと考えてもよいのではないだろうか。

BTSおよび男子KPOPアイドルと比較して詳しく解説は行わないが,まずBTSはオンライン化というカテゴリーにとっても最低限の整備はもちろん行っているうえ,彼らの主戦場はYoutubeである。KPOPではYoutubeの再生回数が最も多いグループが韓国内で最も権威のあるアイドルグループである。(そのことがYoutubeの再生回数操作等の疑惑が存在する)。さらにネット配信のサービス(Vライブ)を積極的に行っていることからもKPOPはインターネットに主力を置いた戦略を行っていることがこのことからも分かってもらえるだろう。

反対に言ってしまえば10代から20代の女子をターゲットにして戦略を練るのであれば必ずといって良いほどインターネットを主軸に考えるべきだと思う。「インスタ映え」だったり「ライブ配信」だったり,インターネット,SNSだからこそできることに主軸を置きコンテンツを展開していくのが最もベターでかつ最も賢い戦略である。

今回はBTSがどうしてここまで流行ったのか?~心を奪われてしまったジャニオタたち~の第3章「テレビを全く見ない若者とテレビにこだわり続けるジャニーズ事務所」でお送りしました!

次回は10代から20代ではなく30代から60代にターゲットを絞って解説していこうと思います。一見するとインターネットよりテレビを主軸にする中年・高年層なのでジャニーズ事務所は強そうに見えますが...残念ながらそこにもジャニーズ事務所が失敗してしまったと考えられるエピソードが存在すると筆者は思います。

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次回へ続く...

最後までご愛読ありがとうございました!

~追記~

第4章が公開されました!良かったら是非見ていってください!



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