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選挙ツールに欠かせない「4つの要素」のお話し

こんにちは、地方選挙専門の選挙広報プランナーhanaichiです。
選挙に出よう! 広報ツールを作ろう! と意気込んでみても、実際何からやったらいいのか分からないものですよね。

今回はあらゆる選挙広報ツールの元になる4つの要素についてお話ししたいと思います。選挙に出ようと考えていらっしゃる方には参考になるかと思います。選挙に出ない方は何の参考にもならないかもしれませんが、人生何が起こるか分かりませんし、思わぬところで役に立つかもしれません。というわけで、ぜひ、ご一読ください。

本題の前に、自己紹介を。
地方選挙専門で選挙ツールの制作をしています、hanaichiと申します。選挙ツールの制作を含む、企画・デザイン会社で勤務後、2021年からフリーで活動しています。

選挙ツールの制作については、2022年末現在で以下の実績があります。
※リピーターの方を含むため「人」ではなく「回」とさせていただいております

市長選挙 4回
県議会議員選挙 3回
市町議会議員選挙 20回

それでは、本題をご覧ください。

4つの要素

なかなかニッチな世界ということもあり、あまり一般には知られていないかもしれませんが、選挙にまつわる広報ツールは意外と色んなものがあります。

広報ツールについてはただいま記事にまとめておりますので、よかったらまたのぞいてみてください。

リーフレットやポスターなど、あらゆるツールを制作するのに必要な要素は以下の4つになります。

  1. ロゴ

  2. イメージカラー

  3. 写真・似顔絵

  4. コピー

順番にお話ししていきます。

ロゴ

ロゴと聞いて皆さんどんなものを思い浮かべるでしょうか? 恐らく、「ロゴマーク」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
有名なもでので言えば、「ちょっとかじられたリンゴのマーク」や「赤いバックに黄色で丸みを帯びたM」などが代表的なロゴマークになります。

一方で、ロゴという言葉には文字を図案化した「ロゴタイプ」というものも含まれます。こちらは「赤い正方形に白抜きアルファベットのアパレル企業」や「検索エンジンのG」などが代表的です。前者は最近大幅な賃上げで話題ですね。

さて、選挙広報ツールでいう「ロゴ」は候補者の氏名になります。当然、氏名はあらゆる広報ツールに使用します。単にフォントで打っただけでなく、一文字一文字のサイズや文字の縦横比率、文字の間隔などを調整し氏名のブロックを作ります。数値や比率を使う方もいるかもしれませんが、私の場合は見た目でバランスが取れているか確認しながら調整していきます。

ロゴのサンプル

また、漢字かひらがなかの表記も決める必要があります。だいたい、「漢字(姓)+漢字(名)」「漢字(姓)+ひらがな(名)」「ひらがな(姓)+漢字(名)」の3パターンに分かれます。

余談ですが、選挙の候補者の氏名がよくひらがな混じりになっているのは理由があります。
日本の選挙は記名投票方式です。従って、有権者は候補者の氏名を自分で投票用紙に書かなくてはなりません。もちろん、投票所、まさに投票用紙を記入するブースの目の前に候補者の氏名が貼ってあります。それでも、一定数氏名を書き間違える方がいます。漢字を書き間違えた場合、無効票となってしまう可能性があるのです。
そのため、特に難しい漢字が氏名に入っている候補者や読みにくい名前の方はひらがなにする傾向があります。

ちなみに、対立候補に同姓がいなければ名字のみを記載し投票しても、その候補者の票となります。ただ、対立候補に同姓がいるかどうかは選挙が始まってみないと分かりませんが。

当たり前ですが、氏名は皆さん異なりますので、ご自身の氏名を漢字で書いたりひらがなで書いたりして検討してみる必要があります。

例えば、「鈴木伸一郎(すずきしんいちろう)」という方がいたとします。漢字+漢字であれば5文字のブロックですが、仮に名前をひらがなにすると「鈴木しんいちろう」で8文字になります。
ある程度は調整しても、やはりブロックが縦長(横書きの場合は横長)になるため、相対的にロゴ全体が小さくなります。

ロゴを検討する際は、文字数にも注意して考えることをおすすめします。


イメージカラー

2つめはイメージカラーです。
選挙に出る方は、イメージカラーを決めている方が多いです。色を使ったイメージ戦略で言えば、東京都の小池都知事の「百合子グリーン」が有名ですね。
広報ツールを作る際も同様で、「この候補と言えばこの色」とイメージできるように、最初にイメージカラーを決めます。

メインカラーを決め、少し淡くしたカラーやポイントになりそうなカラーをサブカラーとしてある程度決めておくと、スムーズに広報ツールの制作が可能です。

カラー設定の例
ポスターでの事例

世の中にはありとあらゆる色があり(アンミカさんによると白は200色あるそうです)、多少使いやすい、使いにくいはありますが、どの色を選ぶかは候補者の皆さんの好みで構いません。良く使用されるのは、青系、緑系、オレンジ系です。ピンクも特に女性候補に多いですね。

写真・似顔絵

3つめは写真です。
広報ツールを制作するにあたって、写真はとっても重要な要素です。過去には、似顔絵のポスターや氏名など文字だけを書いたポスター、QRコードを全面にあしらったポスターなど、「写真を使わないポスター」で選挙に挑んだ強者もいたようです。
ですが、ポスターに写真を使わなかったとしても、他の広報ツールやサイト・SNSでは写真が必要になるので、やっぱり写真は撮らなくてはなりません。

撮影は写真館のようなスタジオで撮るか、屋外でロケーション撮影をすることになります。

私のおすすめはロケーションです。背景は自然や街並みなどでも良いですし、立候補する街の象徴的なスポットなどで撮影したものも良いと思います。私が候補者の方と撮影する際は、公園などで撮ることが多いです。ちょっと恥ずかしいかもしれませんが、すぐに慣れます。
ロケーションの場合、一般の方の写り込みに注意してください。使用する場合はぼかすなどして、個人が特定できないよう配慮する必要があります。候補者と異なる政党支持者のお子さんが写り込んでしまい、後からクレームになったことが過去にありました。

撮影はプロのカメラマンに頼むと結構費用がかります。一日ロケーション撮影をすると数万円〜十万円程度でしょうか。ご予算が厳しい方は、ご家族やご友人に撮影してもらってください。一眼レフがなくてもスマホでOKです。今のスマホカメラであればA3サイズのポスターには問題なく使用できます。

また、撮影する際「余白」を意識すると良いです。SNSなどで写真そのものをアップする場合などはあまり気にしなくて良いのですが、デザインをする「素材」としての写真は余白がないと使いにくい場合が多いです。

あとはポーズですね。よくある「ガッツポーズ」を例にお話しします。
ポーズをとってもらうと、手や身体に動きが出るので撮影時によく候補者の方にお願いをします。ただ、自然にガッツポーズをしてもらうと、顔からかなり離れた位置で手を握る方が多いです。そうすると、ポスターに使用する際に、せっかくの手が入らないことがよくあります。もしくは手を入れようとすると、かなり顔がちいさくなってしまうのです。手は身体からあまり離さず、意識的に上め(あごの下くらい)にすることをおすすめします。

ポスターになるとポーズが切れてしまう

似顔絵については、写真のようには使えませんが、あると色んな広報物に使えて便利です。今はネットで検索すれば似顔絵を描いてくれるイラストレーターさんはたくさん見つかります。用意しておくと何かと使えます。もちろん当店でもご用意できます。


コピー

最後はコピーです。
ポスターなどに入るキャッチコピーですね。キャッチコピーは候補者を表現する「ラベル」のようなものです。リーフレットに書く文章(ボディコピー)なども、キャッチコピーと絡めるように書くことが多いです。キャッチコピーにルールはないですが(もちろん公序良俗に反するものはダメです)、概ね以下のパターンが多いです。

〇候補者の「属性」を表す
年齢や出身、職業などの属性を表すパターンです。特に若い候補者の方は年齢を全面に出すことが多いです。


・若さと情熱で、誰よりも考動
・ふるさとを愛される街へ
・この街の病、治します

〇候補者の「政策」を表す
具体性にばらつきはありますが、政策やそれに準ずる主張を端的に表現するパターンも多いです。


・災害に強い、安全な街づくり
・総合病院建設計画を強力に推進

〇候補者の「思い」を表す
候補者の思いや考えを表現するパターンです。私はこちらのパターンをよく使います。


・子どもたちに、美しい未来を
・誰もに居場所と出番がある。そんな町づくりを

キャッチコピーをいきなり考えるのは少しハードルが高いかもしれません。ご自身で考える場合はまずキーワードとなる単語をたくさん挙げてみることをおすすめします。


子ども、未来、明るい、優しい、子育て、子育て世代、笑顔……

それらをつないだり、フレーズにしたりすることで、そのままキャッチコピーになっていきます。私のような業者に依頼する場合も完全にお任せではなく、ワードやフレーズはぶつけるといいと思います。




以上、広報ツールを制作する上で大切な4つの要素についてお話ししてみました。何かの参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

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