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週刊長島diary1〔8/3〜8/9〕

じりじりと照りつける太陽の下、島内を動き回った入社初週。
うれしくて泣いちゃうそうな日々たちの記録。

8/3(月)

入社日。役場内の挨拶まわりからスタート。

長島町は東の「東町」、西の「長島町」が合併してできた町で、島内にはその名残がある。役場に関しても東と西の2ヶ所にわかれていて、今日は東の「長島町役場」内をぐるっとご挨拶。町長さんはじめ、いろんな課の方と意見交換しながら自己紹介をした。

わたしの担当である「SNS広報」という肩書きはいろんな場面と掛け合わさることができる雰囲気があって、アイデアを投げてもらいやすい便利な呼び名だと実感。

退社後、移住報告の記事を書き上げて投稿。

たくさんの人に届いてうれしかったし、長島の生産者の方から「嘘のない感じが伝わってきて、めっちゃよかった」と言ってもらえたことがほんとうにうれしかった。

書くことは孤独でしんどくて、しょっちゅうめげそうになるけど、つくりあげた記事を媒介にして人とつながる瞬間がとてもすきだ。そのためにわたしは書き続けているのかもしれない。

もしよかったら読んでみてね。


8/4(火)

西の役場、指江(さすえ)庁舎の挨拶まわり。指江のほうには教育関連の課が多くて、子供たちを守るためにネットリテラシーを学ぶ取り組みをしてほしいというご意見をたくさんいただいた。ちょっと考えてみよう。

挨拶まわりのあと課長に連れられ、長島の絶景スポット『長島八景』のひとつ『行人岳』へ。

あいにくの景色だったので、ご〜んと鐘をついてきました。こんな自由に鐘つけるのすごくない?

午後は空き家視察に同行する予定だったけど軽い熱中症で頭ガンガンだったので、予定変更。おとなしく室内作業して17時で定時退社。

ひ弱ちゃん、体調と相談しながら活動してゆきます。

帰宅したら、仮住まいでお世話になっている木場さんの娘さんに子供が産まれたそうで、一緒になってよろこんだ。めでたい。


8/5(水)

4時起きで帖佐(ちょうさ)にある免許センターへ。

係長が最寄りのバス停(最寄りと言っても30分かかる)まで送ってくれた。朝5時台から元気に話して大爆笑する係長。すきだ〜。じつは、係長が上司だから、っていうのも協力隊になる決め手のひとつだった。ハッピーな方が上司でうれしい。

バス停からは『松原荘』という送迎バスに乗って帖佐まで向かった。移動中の車内、延々とおじいちゃんの声で読み上げる試験の傾向と対策の音源が流れててありがたいけど、訛りがひどすぎるし、滑舌もひどすぎる(笑)まったく何を言ってるのか理解できず諦め、イヤホンをして自習に切り替えた。

『松原荘』のことをよくわかっていなかったけど、どうやら試験を受ける人向けの宿泊、送迎を管理している施設っぽい。

帖佐に着くと民宿に案内され、おそらく音源の声の主と思われるじいちゃんに遭遇。おもむろに両肩をつかまれる。前触れなくセクハラするのがうますぎる。すべてがじいちゃんのペースのまま、ベルトコンベアを流れる配送前の商品かのごとく試験場まで連れて行ってもらう。

肝心の試験については、やたら試験がむずかしくて勉強不足だったかな!?と焦っていたけど、なんとか合格。じいちゃんいわく「月にいちど、めちゃくちゃむずかしい日がある。それが今日だった」とのこと。なんだよそれ!平等にしてよ!笑

まあ、なにはともあれ、運よく合格できてよかった。

免許を発行してからお迎えのバスがくるまで3時間空きがあったので、副業で受けている仕事を進める。じいちゃんと話したりもしつつ、パソコンを打つ。やっぱり訛りと滑舌がひどすぎて何言ってるかほとんどわからなかったけど、「とんちゃん」ってあだ名だということと、世話好きだということはわかった。

帰りもまた係長がバス停まで迎えにきてくれたんだけど、なんと、わたしのレンタカーに乗って現る。帰り道でさっそく運転の練習。わたしの突飛すぎる運転に係長爆笑。

「木場さんの娘さん、赤ちゃん産まれたんですよ〜!」って報告したら、ケーキ買おう!って言ってくれてケーキ屋さんへ。こういうことがナチュラルにできるの、いいなあ。

わたしにも「合格祝いに!」ってビールやら食料をたんまり買ってくださって、なんてやさしい上司なんだ。何度も言うけど、すきだ〜!

木場さんにケーキを渡して、無事に免許がとれたことを報告したら「お祝いに一杯飲みましょうか」とお酒をごちそうになった。うれしいうれしいうれしい。

この記事を書ききって、くたくたで電気もつけっぱなしで寝ちゃってた。


8/6(木)

長島町の元地域おこし協力隊どいたかしさんが発案した長島の観光謎解きゲームアプリ『長島クエスト』のテレビ取材に同行。

南日本放送のレポーターさん、スタッフさん、『長島クエスト』の問題作成者さん、デザイナーさんとともに島をめぐる。はじめてのスポットに行くことができて、ゲームしながら島に詳しくなれるのめっちゃ画期的だな〜って思った!

南日本放送の方も、アプリ制作者の方も、どいさんも、炎天下の下なのにニコニコお話してくださって、めっちゃいい人たちだったなあ。また会いたい。

放送は8月末だって。詳しい日程わかったらツイッターで報告するね!

汗だくでシャワー浴びたいけど、そんなことしてる暇もなく『あさひや食堂』へ。あさひやは、わたしが長島に初訪問するきっかけになったツイートをした料理人カイユーヤくんが立ち上げたお店。そこで、生産者のみなさんとごはん会。

イケイケの生産者さんが集まる会ということで、新入りの挨拶をした。緊張してうまく話せなかった〜。こういう時の挨拶がうまくなりたいよう。

全員と話すことができた中で、印象に残っているのがこのエピソード。

いままではスーパーに売っている誰が作ったかわからない野菜を口にしていて、それが当たり前だったけど、つくった本人を目の前にすると「大事に食べよう。ありがとう」って気持ちでごはんと向き合うことになった。

日常のありふれたものとして、どこか作業的になる「食べる」という行為。高い入園料を払ってあそぶ遊園地で「今日はめいっぱい楽しむぞ!」と張り切っちゃうのと同じように、「食べる」時間だってそのようにありたいと思った。

帰宅して、日付が変わる前15分で日記を書いたものの、「焦って毎日ザツな投稿するくらいならもうちょっといい方法があるんじゃないか」と思って、開始3日目にして投稿をやめることを決意。

変わりにはじめたのが、いま書いている「週刊長島diary」。

ツイッターが日常の情報共有だとしたら、こちらはツイッターの投稿を軸にしつつ、心情の吐露をちょびっとプラスした週刊日記にしていこうと思います。ちなみにネーミングは映画「海街diary」から拝借。

「家族を取り戻す物語」である海街diaryのように、私自身も、人との繋がりにまつわる大切なアレコレを取り戻していきたい。日常の些細な描写を逃さず見届けたい。作中に登場する四姉妹それぞれが経験を通して成長していくように、日々出会うもの、それによって新たに芽生える気持ち、影響を受けて変わっていく姿を、文章にして残していけたらいいなという想いをこめました。

一週間分なのでかなりのボリュームになると思うけど、ものすご〜く暇な時にでも、しんみの日常をのぞきにきてください。いつでも変わらずゆるっとやってるはずです。

マイペースにアップしていくね。
これからよろしくね。


8/7(金)

きのうの日焼けがひどい。
肌が赤いし、かゆくて痛くて、イマイチ眠れなかった。

役場内の図書館で『長島町郷土史』を借りる。

写真のものは町合併前の資料で、旧長島町(西側)の郷土史。もう一冊、これとは別に東町(東側)の郷土史がある。ものすごいページ数なので、まずは『長島町郷土史』から、一ヶ月くらいかけて読み込んでいく予定。この日は、長島町の位置、面積、地質、地形について学んだ。

午後、本格的に肌のかゆみがガマンならなくて薬局に走る。長島には薬局がないので島の外へ。

飲む日焼け止め、塗る日焼け止め、ビタミン剤、美白化粧水、乳液。一式買い揃え一時をしのぐ。

それでもダメージはおおきくて、お風呂あがりに化粧水をのせると顔も体もヒリヒリ痛い。長島の日差しは容赦ないなあ。こりゃ万全に対策しないとお肌がたいへんなことになりそうだ、、、!

保険証が届いたら皮膚科に通おう。
ちなみに皮膚科も島の外。車で1時間半かかるらしい。

移動の時間の楽しみ方を模索せねば。


8/8(土)

ゆっくり寝るつもりだったけど体が勝手に起きた。雨と雷がひどい。

フードエッセイスト平野紗季子さんの『生まれた時からアルデンテ』を読む。くどくない比喩とユーモアを織り交ぜ、文学のにおいを漂わせながら展開されていく食べ物の話。いったいどんな感覚でごはんを食べているんだろう?と思わされる食に対する真剣さ。

これから食材と向き合う機会が増えるから、勉強のためにも、食にまつわる本をたくさん読んでいきたい。

読書している間に雨がやむ。島の天気はころころ変わる。

気になっていたお店でランチすべく、免許合宿の時にお世話になった阿久根までドライブ。

塩屋ホステルというお宿のカフェ『ハモニカン』。ここのおばあちゃんがお店の外で手を振っている姿に「なんてキュートな佇まいなんだ!」とハートを射抜かれて、移住したら絶対行きたいと思ってたの。協力隊の先輩がなかよしみたいで紹介してくれて、「よくきたねぇ、よろしくねぇ」って歓迎してもらえた!またランチいきたいし、泊まりにもいってみたい。

島に戻って少し仕事。そのあと、協力隊の先輩が空き家のお掃除をしていると連絡をくれて、運転の練習も兼ねてお手伝いに向かう。

ここの空き家、めっちゃステキなんだよ。動画撮ったから載せたいんだけどnoteって動画共有できないのね。知らなかった。またこんどみせるね。

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この空間で飲むお茶、いつもより10000倍おいしい。最高。

縁側のソファで本が読みたいがために、たまに掃除のお手伝いをすることにした。本はもう買ったんだ。叶ったらまた報告する!

2、3時間ほど話しながら掃除をして解散。

夜は若い生産者さんのPR相談にのった。親の仕事を継ぐ子供が多いこの島で、新しい施策を試すのってかなり勇気がいることなんだと思う。いろんな意見もでるだろうし。

それでも、なんとかしなきゃいけないときは必ずくる。時代の移り変わりとともに仕事の取り組み方も変えていかないと、ダメになってしまう可能性があるから。そうならないために若い人ががんばってる。できることがあれば積極的に応援していきたい。

仕事の話をしたあと「長島の夜の海にいきたい」と言ったら地元ならではの小さな海水浴場に連れて行ってくれた。

海水浴場の海に、空に、「きれいだ!」と写真や動画を撮るわたしに「これに感動するんけぇ」とおっとりした長島弁でおどろく若者。ずっと島で暮らしてきた人には当たり前なこと。これぞ灯台下暗し。

長島の魅力はたくさんある。

それを伝えていくために、素直に感動できる心を持ち続けたい。

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8/9(日)

木曜日のごはん会で知り合った『丸英ファーム』の柏木さんから「いいトマトとれたからおいで!」と連絡をいただき、飛び起きる朝。身支度して丸英ファームへ。

丸英ファームは無農薬の露地栽培にこだわっていて、柏木さんが長年かけて考案した肥料を使った育成方法で野菜を作っているのだとか。小一時間ほど一緒にオクラを収穫しながら、野菜作りのこと、経営のことなど、込み入った話を伺った。

お手伝いのあと、柏木さんの奥さまがスイカを切ってくれて子供たちと一緒に食べる。奥さまめちゃくちゃ気さくだし、子供たちは「お姉ちゃん、みて!」とどこかで拾ったであろう石をみせてくれたり、運動会で覚えたダンスを披露してくれて、最後には背中にのってきたりして。長島の人、大人も子供も人懐っこくてかわいい。

お昼は短期移住した時に泊めてもらって仲良くなった水産加工会社『浜のかあちゃん』の吉武さん夫婦のお宅にお邪魔してランチ。ここのご夫婦、いいコンビなんだよな〜。ふたりのこと、またゆっくり書きたい。

「いつでもあそびにおいで」と行ってくれたので、あそびに行きまくろうっと。

木場さんの娘さんが赤ちゃんとともに病院から帰ってきたらしく、夜は木場さん一家の食卓に混ぜてもらったら、なんと、わたしの入社祝いまでしてくださった。恐縮すぎる、、、。

仕事が残っていたのでお先に失礼したけど、そういうことを気を遣わずに言えるくらい関係性ができてきて、目をみてたくさん笑いかけてくれるようになったことがうれしい。木場さん一家、すき。もっともっとなかよくなれますように。


以上。2020年8月3日〜8月9日の日記でした。
また次回〜!

さいごまで読んでくれてありがとう!うれしいです!🌷