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工場で見つけた端材は、どうしてこんなに魅力的なんだろう

工場見学に行くと、商品ではなく、工程ごとに取り除かれていく端材の方に目がいくことってありませんか?

子供の頃、河原で拾った石みたいに、それ自体に何か価値とか役割があるわけじゃないけれど、あんなふうに使えるんじゃないか、ウチのあそこに置いたら素敵かもなんて想像が膨らんで、まるで宝物に見えてくる、あの感覚。

そういうものを、△を、僕たちは見つけてしまったのです。


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例えば「金属でコースターをつくろう!」となったとき。
いつもお世話になっている金属加工の職人さんは、丸い金属板を用意して、側面をグイッグイッと立ち上げてつくっていきます。

お皿、トレイ、ランプシェード、茶筒、ふすまの取手…
いずれをつくるときも、丸い板を用意することから始まります。


じゃあ、その丸い板はどうやってつくるのということなのですが、

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まず、材料屋さんから仕入れた四角い金属板の、不要な四隅をカットします。
そこから「丸切り」と呼ばれるコンパスみたいな機械で、ぐるぐるっと丸く抜き出して、はい、いっちょう上がり、という具合です。


さて、今回の主役はこの丸い板ではなくて、残された四隅の△の方。

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金属の端材は通常、材料屋さんが買い取ってくれて、溶かして再利用されます。
とは言っても、そのまま使えるなら、もちろんその方が良い。

というのはいかにも現代的な見方ですが、
第一印象は、この△いいなー、綺麗だなー、欲しいなー!!でした。
段ボール箱にガッサリと積まれた端材はなんとも魅力的でした。


金属板って重くて、材料カットも一苦労ということで、僕たちもそのお手伝いにいくことがあるのですが、そのとき目の前でこの△がガシャガシャと積み上がっていきます。

お手伝いのお駄賃ということで、なんとかお譲りいただけないでしょうか、とお願いして…

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GETしました!
ひとつひとつ、大きさ、形の違う△。
キラキラ輝いていて、見てるだけでも飽きないのですが、このままだと先が尖っていて危ないし、少しだけ加工して何かに使えないかなと考えてみることにしました。


しばらく△を溜め込んで、


そしてできたのが、一輪挿しです。

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僕たちは「フラワースカーフ」という商品をつくっているのですが、
(これもまた丸い金属板でできたものですね。)

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捨てられない空き瓶の上に、孔をあけた金属板を置いて、一輪挿しにしようというもの。
金属の重みで花を支えつつ、スカーフみたいにさっと着飾る。


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ここへ △ にご登場いただき、新ヴァージョンをつくりました。

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素材は真鍮 or 銅。
手に入った端材でつくる、大きさや形が異なる”一点モノ”です。


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つくり方は△に孔をあけて、バリを取って、エッジの面取り。
そして最後にランダムヘアライン仕上げに磨いて完成です!

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大きさはマチマチですが、通常の丸いもの(60〜80g)に比べると、少し軽い(20〜40g)ので、小さな花やドライフラワーにちょうどいい感じです。

この商品、僕たちのオンラインショップ限定で不定期に販売していたのですが、やっぱりたくさんの中から直接手に取って選ぶ方がこの感動を共有できるはずだということで、催事等のイベント限定で販売することにしました。


2021-11-25 14.14のイメージ

いわゆる端材ではなく、宝物としての価値を共有したい。
だから特別安くしようとは思っていません。


参加するイベントについては、SNSやwebサイトでお伝えするので、そちらをご覧ください。
ぜひ宝探し気分を味わっていただきたいです。




<この記事に登場した商品の情報>

フラワースカーフ
通常の丸バージョン、大きさは2種類です。

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