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発酵と腐敗の違いって?〜答え編〜

発酵エンジニアのYurinoです。

今日はとあるマイクロブルワリーさんにお邪魔してお話伺いました。

工場内はとても清潔で効率よく整理され、自作の装置も工夫を凝らしていて勉強になりました!

やはり現場に足を運び、直接目で見て、製造に携わる方からお話を聞くことが大切ですね。

もし私があなたの会社の商品開発をお手伝いする際には、必ず製造現場を見学させていただきたいのと、製造に携わる方ともお話させてください。

現場に携わらない人間同士で話していても、出来上がった試作品が製造に向かなかったり、現実離れしたものになる可能性があるからです。

それから、商品開発には衛生管理が必須項目なのでそちらも必要があればアドバイスさせていただきたいからです!

・・・・・さて、話がそれましたがw

発酵と腐敗の違いって?について〜答え編〜

皆さんは発酵というと何を思い浮かべるでしょうか。

パン、ヨーグルト、お酒、みそ、しょうゆ、・・・

色々ありますが、全て食材に微生物が作用し、元の食材から変化していますよね。

あっ、そうそう。美味しくもなっていますよね。(ここ大事)

発酵とは、「微生物の働きで有機物が分解され、特定の物質が生成される現象」とされていて、有機物=食材な訳です。

特定の物質とは、パンなら炭酸ガス(パンを膨らませる)、ヨーグルトなら乳酸、お酒ならアルコール、味噌や醤油ならアミノ酸となっています。(他にも香りや酸などいろんな物質が生成されますが主なものを挙げました)

じゃあ、なんで微生物たちは食材を分解するのでしょうか?

もちろん私たちに食べて欲しいから!!!ではありませんよね。

彼らは生きるために分解しているのです。自分が生きるため、仲間を増やすためなのです。

それをたまたま人間が発見して、「お。これ美味いじゃん〜!」って、勝手に食べてるだけなんです。(微生物からしたら迷惑じゃないか?笑)

では腐敗はどうでしょう?

腐敗とはつまり「腐った」状態ですが、食材に微生物が作用しているところは発酵となんら変わりません。

違うのは、作用して生成された物質が「有害」であったり「悪臭」であったり「味を損ねている」というところなのです。

人間にとって都合が良ければ「発酵」、都合が悪ければ「腐敗」になるのです。

微生物 心の声:人間たちが勝手に食べて良いだの悪いだの言って何よ!私たちは必死に生きてるだけよ!

↑たぶん微生物たちはこんなことを言ってると思います。笑

乳酸菌を例に挙げると、普通はヨーグルトを作る健康に良いイメージの菌ですが、

日本酒造りの世界では「火落菌」といって腐造の原因となる種類の乳酸菌がいます。またソーセージ製造の世界では、乳酸菌が発酵するとソーセージ内でガスが溜まり、穴が開いたり見た目が悪くなるのでこちらも腐敗となります。

微生物は生きるために必死です。

だから、ほっておいたら「発酵」にならず、「腐敗」してしまうことの方が多いです。

私たちは微生物の生命活動をコントロールしながら美味しい発酵という恩恵を受けているということを忘れず、彼らに感謝して大切に味わいたいですね!

※農大には菌の慰霊碑がありますよ!写真は探せなかった・・・



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