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【競馬】ゴールドシップ産駒と初めての勝利..その時、内田博幸は何を感じただろうか

無骨で、力強い鞍上のアクションが少し懐かしく感じた。

先週日曜の中京10R雅Sで、ゴールドシップ産駒のマリオマッハーが単勝1番人気に応えて勝利。新年早々の2勝クラス戦に続く連勝をもたらしてくれたのは、かつての父の主戦騎手を務めた内田博幸だった。

紛れもなき名コンビだった。

12年に皐月賞・菊花賞のクラシック二冠制覇に加え、有馬記念も勝利。翌年も宝塚記念を制し、合計4つのG1タイトルを獲得した。レースぶりも破天荒そのもの。皐月賞は馬場が悪く誰も通らないインコースをひとマクリ、菊花賞ではバックストレッチからスパートを開始し、4角先頭からもうひと伸びを見せる超ロングスパート。有馬記念でも出遅れをものともせず、大外一気の追い込みで古馬をなで切った。
爆発的なパワーと無限のスタミナを秘める一方、スタートやギアチェンジが苦手な不器用さが残る相棒を、見事に乗りこなしてくれた。彼のアシストなくして、これほどまでのゴールドシップの活躍は望めなかっただろう。

しかし、13年ジャパンCで15着と大敗を喫したのを最後に、このコンビは解散を余儀なくされる。その後はR.ムーアや岩田康誠、横山典弘といった面々が手綱を取り、内田博が再び騎乗したのはラストランの有馬記念。さもドラマチックな復縁のようにも映るが、当時はジャパンCで10着と大敗した後で勝機は薄く、どちらかといえば「思い出づくり」のような雰囲気があった。

ゴールドシップ降板とタイミングを同じくして内田博自身の成績も下降傾向に。JRA移籍後、それまで当然のように年間100勝を超えてきていたのが翌年以降は2ケタ止まりに。G1や重賞勝利のペースも落ちてしまった。それだけに、彼にとってゴールドシップの記憶は明暗が入り交じる複雑なものとして残っているのではないだろうか。

このマリオマッハーでの勝利が、ゴールドシップ産駒と内田博のコンビでの記念すべき初白星となった。芝とダートこそ違えど、序盤は後方からレースを進め、大外から差し切るスタイルはまさに父譲りのもの。追えば追うほど伸びるその末脚は、馬上からも懐かしく感じられたのではないだろうか。
できることなら、ゆかりある血統での初勝利に関する感想なども聞きたいところだが、あくまでも舞台は条件戦。残念ながらこのドラマを取り扱ってくれるような記事は少なくともweb上では見かけていない。こうなったら重賞、さらにはG1を目指して、ガッツリ特集してもらおうではないか。

ただ、困ったことに元々は幸さんが騎乗している馬。この日は中山に遠征していたための乗り替わりで、幸さんとの活躍も楽しみなんだよな..何かちょうどいい解決策はないものだろうか?

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