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【ガンバ大阪】これしか方法はなかった/天皇杯決勝:川崎フロンターレ戦●0-1

正直、こうするしか方法はなかったと思う。
圧倒的な強さでリーグ優勝を果たしたばかりか、直近の対戦でも0-5の大敗を喫した川崎フロンターレとの天皇杯決勝。再戦の舞台でまともに戦っては元日からボコボコにやられる様子を地上波でさらけ出すだけ。徹底的なディフェンス重視で臨み、少ないチャンスをモノにするのが唯一の活路だったのでは。不本意ではあるが仕方ない。

□ 2021年1月1日:天皇杯決勝
川崎フロンターレ1-0ガンバ大阪

■ 「狙い通り」の前半と、ビルドアップの厳しさ

しかし通用しませんでしたね。白旗パタパタですわ。 
前半を0-0で終わらせたのは狙い通りだったと思う。色気を持って攻めなかったことでネガトラの回数も最小限に抑え、そこまでスタミナを消耗することもなかったのでは。ただ、裏を返せばことごとく攻め手を欠いたとも言える。チャンスらしいチャンスは一度もなかった。唯一ボルテージが上がったパトリックの「幻のゴール」もFKからのものだったし。
特に厳しかったのがビルドアップ。例えばゴールキックからつなぎにかかってしても、屈強な前プレにさらされると簡単にボールを失うケースが序盤から何度も。途中からゴールキックも全てロングボールに切り替えざるを得なかったのが苦しさを物語っていた。

■ 失点後も続いた「我慢」と終盤の反撃

ならばせめてもっと無失点の時間を続けていれば川崎の焦りも生めたのだろうが、後半10分ついに決壊。中途半端なボールロストからゴール前まで運ばれ、最後は三笘薫がフィニッシュ。もったいないといえばもったいない失点だった。
本来ならすぐ取り返しにかかりたいところだが、宮本監督は動かず。ここで一気に前がかりになるとバランスを崩して試合が決まってしまう恐れもあっただけに、リスクを犯さなかった判断もわかるっちゃあわかる。その結果、次々にピンチを迎えながらも追加点を許さなかったのが、終盤の反撃につながった(同点に追いついたかのような
後半29分に藤春・山本に代えて福田・渡辺を投入し、システムも変更。ここで劇的に改善したのがビルドアップだった。後ろからしっかりつないで敵陣まで持っていけるシーンが増加。ぶっちゃけ藤春が前プレの餌食になってた感があったのでこれは納得である。川崎が受ける時間帯に差し掛かったのもあるが、39分の宇佐美や44分の福田のシュートなど決定機を創出できたのはゲームプラン通りだったのではないかと。なので個人的には「今やれることはやった」という気持ちで割とスッキリ。現状のレベル差も含め甘んじて受け入れている。

■ Jリーグ歴代最強説、別格の強さを感じさせた川崎

それにしてもやっぱり強いわ川崎さん。ガンバ大阪がリーグトップクラスの実力を身につけて以降、数々の「宿敵」とガチバトルを演じてきたが、戦う前からここまでその強さを畏れ、実際まったく歯が立たない相手がいただろうか。鉄壁の守備を誇った浦和、伝統の勝負強さで三連覇を成し遂げた鹿島、圧倒的フィジカルでリーグを制圧した名古屋、したたかな試合運びに定評があった広島..いずれも劣らぬ強敵ではあったが、勝ち負けはともかく互角に近い戦いは繰り広げてきたつもりだ。それらと比べても今の川崎は別格。
アジアトップクラスなのは間違いなく、欧州の中堅クラブ相手でも互角に渡り合えるんじゃないのと思うくらい。適当ですけど。誰がどう、とかじゃなくて全員が高い技術と強いフィジカルを兼備してらっしゃる。
これだけ強いとラフプレイに走る必要もないしね。ちょっと調べてみたら今季リーグ戦の警告数も最少(僅差とはいえ)。当分は黄金時代が続くのでは、というか終わらせる術が今は思いつかないくらいですけど、来季は少しでもその差を埋められるように。放っといたらどんどん離されていきそうな恐怖も。

■ 毎年この舞台に立っていたい、久々の元日決戦

久々の元日決戦は厳しい結果に。今年に関しては天皇杯も特殊なレギュレーションで行われたゆえ、そこまで特別な感情みたいなものは湧きませんでしたが、どのような形であれ毎年この舞台には立ち続けたいものです。そして来季こそ縁遠くなってしまったタイトルを。
シーズン全体の振り返りは追って書ければいいかな。本当に難しい1年でしたが、とりあえず無事に終われてよかった。おつかれさまでした。


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