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【競馬】クロフネは最初から最後まで僕たちをワクワクさせてくれた

クロフネが亡くなった。

残念ではあるが、種牡馬としても成功を収めた上で天寿を全うしてくれたのはよかったと思う。すでに思い残すこともあるまい。最後の最後にソダシまで出てきたわけだし。

大好きな01年クラシック世代の中でも、スター性は随一のものがあった。日本ダービーの外国産馬開放元年に現れた「白い怪物」。アグネスタキオン・ジャングルポケットと相まみえたラジオたんぱ杯3歳Sは今もなお伝説として語り継がれているし、NHKマイルCを制して「宣言通り」に日本ダービー参戦を決めたのも、まさに筋書き通りだった。そして、天皇賞除外が転じてダートで真の実力を発揮するまでの一連のストーリーすべてがドラマチック。できればその続編が見たかったという想いは、あれから20年が経った現在も変わらない。

最初から最後まで、ずっとワクワクさせてくれる馬だった。

初めてその走りに魅了されたのはエリカ賞。あの独特の大きなストライドで後続を引き離す勝ちっぷりが衝撃的だった。折り返しの新馬戦でレコードを叩き出したことでも評判になっていたが、続けてこのパフォーマンスを見せられたら「ラジたん」でも圧倒的に人気するのも当然。
それから毎日杯も忘れられない。アグネスタキオンとジャングルポケットに屈して、少しガッカリさせられたところで再びモノの違いを見せる5馬身差の圧勝。もう一度、燃料を点火させてくれた。
あとは何といっても武蔵野SとJCダートのセット。日本ダービーで敗れ、秋初戦の神戸新聞杯でも3着に終わり、限界みたいなものを感じさせてからの新境地開拓。JCダートなんて仕掛けどころとか完全無視。一時期の西武ライオンズ打線と同じくらい品がない。勝てばいいと思ってる。

このレースはJRAの公式映像よりウイニング競馬の矢野吉彦アナの実況で見るのが好き。最後の直線の「これは強いぞ怪物だ!」のフレーズや、ゴール直後の「2分5秒9!!」を軽く噛んでしまうところも含めて今まで何回見たことか。

タレント揃いの同期生の中でも、最も「盛り上げ上手」だったクロフネ。今も楽しく振り返れる「あの時代」を作ってくれたことに、改めて心から感謝したい。

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