守破離の守がいちばん先にくる理由

新しい仕事を任されて絶対に意識しなければならないのっていわゆる「守破離」なわけだけど、どうも守をぶっ飛ばす人が多い。

AさんからBさんに仕事を移す場合、当然AさんからBさんに引継ぎがあるわけだけど、たまーに引継がれた内容を最初からオリジナリティ溢れるものにすり替えて仕事を始めるBさんがいる。

きっと本人は「自分が担当するからにはなにか工夫を!」って思ってやってるので悪気はもちろんないんだけど、これって実は結構厄介を生んだりする。

なぜなら、往々にして引き継がれた仕事は、Aさんが(Aさんのみならずその上司も含め)試行錯誤を重ねて最適化されたものである場合がほとんどなのね。

単なる1つのタスクであったとしても実は色んなところに波及してる。成果物を確認するAさんBさんの上司だってそうだし、それを受け取るクライアントもいる。

にも関わらず、引き継がれた仕事をそっくりそのまま完遂できないとなると、各所に混乱が生じる。

んで、引継ぎのときって具体的な対応方法なんかは綿密に引継がれるけど、抽象度の高い情報は共有されない。というか現実的にそれを共有するってのは正直限界がある。

なぜなら過去の経緯も含めて長い長いスパンの中での試行錯誤の結果、現在があるからで、それはある程度のとこまでは言語化して共有できるかもしれないけど、その1個上の次元にあるBさんが知らない遥かに膨大な情報量が存在しているから。

それを体感として自分のものにしていく段階こそ「守破離」の守なんだよね。まっさらな状態で、(一般的な)引継ぎを受けた段階ではBさんが持っている情報なんてたかが知れてるってのが実際のところ。圧倒的に情報量が足りないんだよね。

実際「守破離」の守を忠実に取り組み続けると、少しずつ情報を獲得していつしか膨大な情報量になる。

そうやって初めてそのタスクが波及する範囲も含めて考慮した高次元で的確な改善点みたいなのが見つかるんだよね。
このレベルに達してようやく「守」を卒業して「破」のステップに移行できるってわけ。

一見遠回りに見えるかもしれないけど「守破離」の守をちゃんと実行できる人間の方が結果的に成長のスピードは遥かに速い。

というか、「守破離」の守ができない人は、仕事を任せると現時点では不要なオリジナリティを推してきてその仕事に関連する広大な範囲に影響を及ぼすのでいずれ新しい仕事を任せられなくなることが多い。なので成長どころかコースから外れてしまう。

新しい仕事を任されたor自ら取り組む場合は、情報量をほとんど持ってない自分の生み出すオリジナリティを武器にするんじゃなくて、まずは「守破離」の守を強く意識して情報を自分のなかに蓄積していこう。

そうすれば自ずと奥行きのあるオリジナリティが内から湧いてきて、守を卒業できるようになるから。

と、社会人1年目の頃の自分に言いたい笑。

どろん!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?