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篠田桃紅展

6/3日、アロマトリートメントとバイトの間に時間があったので、東京オペラシティの篠田桃子展を見てきた。

1913年生まれの、書の芸術家の人だ。厳格なお父さんのもとで育ったそうだが、一人で自由に生きていくことを23歳で志し、書を教えることで生計を立て始めているところがすごいなと思った。1936年に日本で自立した女性として暮らしていた人は、、どれくらい珍しかったのだろうか。日本で「根なし草」と酷評されていたところにも、何か、どこにも所属していない新しさを感じて好感が持てる。

展覧会を見ていて、感じたことを記しておきたい。
抽象的でミニマルな表現に、詩的なタイトル。
同じ主題が、年月を経て、繰り返されるものもある。
好きな作品にはまるをつけておいた。
「行人」「月読み」「古今」「火」「昇華」「潑」「百」など。
また、ニューヨークで活躍していたこともあり、抽象的な邦題につけられた、英語のタイトルが面白かった。
「行人」、はFor the Green、「惜墨」はCherishing Sumi、「久方の」はExpanseなど。。
線は、無造作なようでいて、きっとそこでしかあり得なかったのかな、というように置かれている。
歳を取るにつれて、どんどん線は太く、大きく、大胆に、力強くなっていく。篠田さんは甲骨文字などの古代の素朴な”かたちづくる力”に惹かれていたそうだ。
書、のことを「一瞬一瞬の生命の堆積を物語るのに最も適した材質と手法」と述べており、一期一会の線、忘我のアガった状態で、仕事をされているそうな。

一度見ても、よくわからず、3回この展覧会をぐるぐるしてみた。
「火」という巨大なほぼ同じ構図の若干違う巨大な書の作品が並んだところで、何か私の内側で静かに湧き立つ思いがした。
冷たい火が燃えていると思った。
書の空間が心地よかった。
が、冷房がちょっと寒かった。

今月は、知人から、ロゴデザインの依頼を受けて作成している。
原石を扱い、彫金の技術を使いながらアクセサリーを作る彼女のロゴにふさわしいものは何か、、手がかりを探していたけれど、書のミニマルで、瞬間的で、女性的な世界はなかなかいいかもしれないと思った。
来週頃に、彼女には提案する予定だが、書、の要素を取り入れたものも、作成し、見てもらいたいなと思う。

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