朝からジュワッとは、いい日のはじまり~スキレットの魅力を語るぞ~
どの家にも、定番の朝ごはんみたいのがあるんじゃないかと思う。たとえば、味噌汁。具材を変えれば、栄養バランスのよい一品になるのは嬉しい。
けれど、子どもと一緒の朝は慌ただしい。味噌をとくのもめんどくさいわ、という日もある。あと、我が家の場合は海外なので、味噌が高い。ケチケチしてしまう。
そんなわけで、ここ数年、味噌汁は我が家の定番から遠のいている。代わりに台頭したのが、目玉焼きだ。
目玉焼きはよい。フライパンに卵を放り込むだけで、あとはジュワジュワとほどよく調理されてくれる。子どもがシリアルとボウルを運び、朝食を用意して、あーっそんな入れ方したら、ぜったいザザザーってなるよー!みたいな朝でも、目玉焼きは苦にならない。
そして、そんな我が家の目玉焼きを美味しくしてくれるのが、10年近く使い続けているスキレットである。
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スキレットとは鋳鉄製のフライパンだ。熱伝導率が高く、ムラなくふっくら料理が仕上がるのが特徴。持ち手と一体成型なので、オーブンもOK。
直火のアウトドアにも使えるし、料理を直接のせて写真を撮ってもおしゃれである。しばし前には、お手頃価格のニトリのスキレットが流行していたので、日本に浸透した感がなんとなくある。
うちのスキレット? ふふふ、うちのは、なんと100年持つといわれるアメリカ・ロッジ社のスキレットだ。
じゃんっ
女性が片手で持てるギリギリだと思える8インチサイズ。これで、目玉焼きは5個、餃子は12個焼けちゃう。我が家は3人家族(私、夫、5歳の娘)なので、このサイズがぴったり。
いや、別に私は調理器具に詳しいわけではない。このスキレットも、料理人の夫が買ってきたものだ。
はじめは、「なぜ、そんな重そうでめんどくさげなフライパンを買ってきた……!!?」と思った。
ずしっと手に来る重さも嫌だったし、調理が終わったら油を引くのもめんどくさそうと思っていた。
けれど、夫がこいつでズッキーニを焼いたり、ステーキを焼くたびに、「ほほう…なかなかいいじゃないか……」と警戒心がほぐれていった。食いしん坊は、単純である。
そして、妊娠を機に仕事を辞めて、私が台所に立つ機会が増えるにつれ、スキレットと仲良くなった。
いまでは、コンロの上に常に置かれているほど、なくてはならない相棒だ。しまうのが面倒くさいのもあるけれど。
ちなみに、ロッジ社は、以下のサイズで展開している。(サイズは外径)
◆6.5インチ 16.5cm
◆8インチ 20.3cm
◆9インチ 22.9cm
◆10と1/4インチ 26cm
◆12インチ 30.5cm
我が家には、一番大きい12インチもある。
けれど、ほとんど使われていない。重すぎて、棚から出し入れするのが大変というのが主な理由だ。あと、大きすぎて、フライパンが温まるのに時間がかかる。
万能感あふれる8インチの重さは、1.5キロ。ジムにある、最軽量のダンベル2キロよりも軽い。女性が片手であつかえるぎりぎりの重さといった感じ。
ただ、スキレットは中華鍋のようにふったりしない。料理を皿にうつすとき、スキレットを洗うときに持ち上げるくらい。ちょっとずっしりでも、意外と使うのは大変ではない。
目玉焼きならいいけれど、餃子やフレンチトーストだと2人前~2.5人前ぐらいの容量が精いっぱいだなあとも感じる。
4人~5人家族のばあいは、9インチサイズのほうが容量的にはいいのかもしれないね。
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朝起きて、まずコンロをつけてスキレットを温める。
スキレットは、きちんと温めてから使うのが鉄則だ。
ロッジ社のウェブサイトに書かれているけど、スキレットは石みたいなもの。しっかりと温めたら食材を投入しても温度は下がりにくいけれど、冷たい石の上においても美味しく調理されない。
魚や肉を焼くときは、強火で煙がでるくらい熱々にする。目玉焼きの場合は、中火でじんわり温めておく。
意外と時間がかかるので、この間にコーヒーを淹れたり、パンをトースターにつっこんだり、子どもの着替えを手伝ったりする。
引いた油が伸びて、じわじわと熱がたちのぼるのが目で確認できればOK。卵を割ってスキレットに投入。
じゅわじゅわじゅわーっと、心地よい音がきこえる。
ぶくぶくぶくっと、白身の端が泡立つ。1個…2個…3個…、すべて割り入れたら、フタをする。
それで、あとはだいたい火を消しちゃう。火といっても、ガスではなく電気コンロなので、しばらくは底が温かいでしょ、というのもある。
なにより、きちんと温められたスキレットには十分な余熱があるので、それでうまい具合に調理される。
娘の「おかーさーん、フォークとって」と注文に対応したり、冷蔵庫にトマトがある日は切ってみたりして、あ、目玉焼きがそろそろだわとなる。
フタをあけると、いい感じの半熟に仕上がっている。たまに、焼きすぎてしまうこともあるけれど。
下はパリッと。白身は柔らかく、黄身は一部とろっとしている。
うん、今日もおいしい目玉焼きだ。
これだったら、小食の娘もパクパク食べちゃうよ☆と言いたいところだけれど、気分屋の娘は食べたり食べなかったり。白身が好きな日もあれば、黄身が好きな日もある。まあ、いいんだ。
私にとってスキレットって、目玉焼きとか餃子とか、普段の料理の味を格上げしてくれるフライパンだ。ただ野菜を炒めるとか、お肉を焼くだけでも格段においしい。
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手入れが面倒といわれるけど、ロッジ社のスキレットはシーズニング(表面の塗料をとる作業)なしで使えるし、使い終わったら金たわしと水でざざっと洗って、油をささっとぬるだけ。
第一印象はちょっとめんどくさそうな奴だなと思ったけど、話してみたらめっちゃいい奴じゃん!の代表格みたいな調理器具だ。
でも高いんじゃない? と思うかもしれないけど、ロッジ社の8インチスキレットは3,300円。
たしかに、1,000円ちょいで購入できるフライパンと比べると、高いと感じる人はいるのかもしれない。けど、毎日のご飯がちょっと美味しくなって、何十年もつかえるなら、安い買い物だと私は思う。
なんかスキレットの宣伝みたいになっちゃった。
でも、ほんといいんですよ。おいしいものを自宅で食べたい食いしん坊さんに、ぜひおすすめしたいです。
今日も私は、スキレットで料理するよ。目玉焼きだけじゃなく、オムレツ、餃子、ステーキ、スパニッシュオムレツ、フレンチトースト、パンケーキ。
これからも、我が家の食卓を支える相棒として、どうぞよろしく。さて、今日はなにをつくろうかな。
◆イチ押ししまくったロッジ社のサイトはこちら
◆我が家の相棒の8インチスキレットはこちら
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