夢と現実・「東京」
3、4歳の時から「東京」と「アメリカ」に強い憧れ。わたしを憧れを持っていた。(大きくなったら、いってみたい)小さな胸を燃やしていた。
住んでいたのは、群馬の社宅。亡父が月に1、2回、東京に出張にゆく。
その度に買ってくるお土産のお菓子が、キンキラキン。包み紙からしてお洒落なのだ。「ありあけのハーバー」のキンキラキンは、アルミ箔(個別包装に使われていた)の効果であり、「ひよこ」は「銘菓」。丈夫そうな菓子箱に印刷された文字の偉大さであろう。
読めなかったけど、雰囲気で感じた。
このお菓子の時には、必ずある印(しるし)。だから凄いんだろう、特別なんだろうと察した。
いつもの。
そこいらのお菓子屋さんでも買える「コインチョコ」とかではなくて、特別。特別なお菓子が、東京にはある。東京にゆけば、食べられる。
幼心に意識した。
「アメリカ」に強く思ったのは、やはりコメディー番組「奥さまは魔女」の影響だ。わたしの毎日と、タバサちゃんの毎日は似ているんだけど、どうも違う。何だろう?食べものだ。
同じくアメリカにゆけば云々。以下同文の思いである。
○○年後。
念願かなって(?)、東京にわたしは勤め出すようになる。
しかも中央区。銀座のお膝元のような場所だ。
服部時計店に、木村屋総本店。教文館に伊東屋。松屋に歌舞伎座、墨田川等々が、都バスの車窓で見えて来る。
「華やか」「ウィンドウショッピングに最適」
「ブラつくだけでも、優雅よねぇ」
(大きくなったら)かつての思いを巡りながら、友達と言い合う。
んが、どこかでお茶を。入店。会計を済ませると同時に、現実が口から出る。
「何だかお金、掛かるねぇ~っ」
はぁ~っ。
〇憧れの 花の都に 今日も又
散れり我が財 銀座あるかば
<短歌 なかむら>
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