動物達と前兆~「ブラック・ジャック」の話から~
実際は、猫。
「マコとルミとチイ」。手塚治虫にある。私小説と位置づける作品の中で、手塚家は猫を数匹、飼っている。
しかし「ブラック・ジャック」。
聖なるわたしの愛読書。「BJ」とだけにすれえばいいのではないかと思う作品には、地震前兆に伴う犬の話や、大地震が勃発する話が出て来る。
後者はチョイと忘れてしまったけど、前者。ピノコが拾って来た雌犬の話を、思い出す。
「ラルゴ」
音楽用語で「ものすごくゆっくり」を現す名前の犬は、兎にも角にもトロかった。やる事がずば抜けてお間抜け。よってBJから嫌われ、ピノコからも飽きられてくる。
トロ犬・ラルゴがある日、地震を察知し、外へと逃げ出す。
「あっ、どこへゆく!」捕まえようと外へ出る、2人。同時に地震。
2人は何ともなかったが、ラルゴが犠牲に。思えば同じような経験が、2度ほどあった。
その時、初めてBJはラルゴの行動の意味を知るのだ。
手塚も信じていたのかも知れない。
「動物には、危険を察知する能力がある。人間以上に優れている」
数年前、わたしの父が他界した。
遺体となって自宅に戻って来たが、その少し前から。
父が可愛がっていたご近所さんの犬が、物凄く鳴いたそうだ。
1ケ月ぐらい前だろうか。
病院にゆく前にと思い、洗濯物を取り込んでいたら、我が家の廻りだけに烏。烏が3羽、カァカァカァ五月蠅い程に、大きく円を描きながら舞っていた。
(・・・・・・)
見入っていたのを思い出す。
<了>
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