ビバ!手塚治虫~わたしが崇拝している理由~

「お嬢」歌手の美空ひばりと同じぐらいに、「漫画の神様」手塚治虫(本名・治)を、わたしは崇拝している。
崇拝してして、止み得ない。心の底から崇拝マックス。作品以上に、手塚そのもの。人間・手塚治虫の崇拝者だ。
関連本があると聞けば即、本屋へ行って即・購入。新聞記事で眼にすれば、即、鋏でジャキジャキ切り抜き、ファイリング。信心の証であろう。

「僕は性格がベートーベンに似ている気がします」
晩年のベートーベン伝記のあとがきに、<怒りっぽくて、わがままで、世間知らずで、、>自分との共通点を見いだしている。
楽聖、音楽の聖(神)・ベートーベンと、漫画の神様・手塚治虫はどこかで繋がっているのかも知れない。
若い頃の手塚は、描きやすいからとの理由で、五線譜の裏。わざわざ山野楽器まで行って五線譜を購入。裏返して作品を描いていた。
<引っ越しが多い>もひとつという。

<腰が低くて、いつもニコニコ。キャラクターと同じく、丸っぽい人>
<ファンサービスに長けている>
曰くが、手塚のイメージであろう。確かにでもあるが、しかし実像は
<怒りっぽい>
<何でもないのに、直ぐ怒る。ムッとする。暫くの間、近づけない>
多くの人の証言だ。アシスタントを務めた漫画家の石坂啓さんのエッセイにもある。

一旦落ち込むと、徹底的に落ち込むのも、手塚独自の癖。
「俺が悪いんじゃないッ!」闇の中へ、闇の中へ。いつ終わるかも分からない。本人にも分からないような、非情に複雑な面も目立った。

少なくても文化人と呼ばれる人にありがちな、「品行方正」「聖人君子」タイプではない。
わたしの愛読書なのだが、「ブラック・ジャック」だけでも、「差別」「格差」「理不尽」「運」等々。台詞にある。ワンサか出て来る。余りにもの出現に、時にゲンナリ。
作品の内容も、「努力すれば、夢は叶う」とか「最後まで、諦めなけばきっと」だらけの話ではない。
「だから嫌い」アンチ手塚派の言い分となる。

ならば、何故、わたしは手塚を崇拝するのか?神と称しているのか?
厚みのある作品を描(か)くのと、前述した一面。一旦、落ち込むとどうしようもない、敢えて言うなら「病(やまい)」。精神的なものを抱えながら仕事を愛し、打ち込んだ。メチャクチャに忙しい中でも家族を思っていたからである。

「遠い星から来た人」
妹さんが表現していたけども、子供時代の評価は、<変わっている>
ああいう人は2度と出ない。三島由紀夫や美空ひばり、淀川長治、石原裕次郎みたいな人も出ないが、その中でも手塚治虫は特別に出ないだろう。故に崇拝する所以である。
                             <了>




#創作大賞2023

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?