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80代のセンパイと暮らす。(50)

記念すべき50本目は、今年もセンパイと一緒に無事迎えられた母の日の話。

少しだけ遠出をする予定だった日曜日、帰りにセンパイが行きたがっている店でテイクアウトをしようと画策。母の日のテイクアウトとして、センパイも乗り気だった。しかし前日になって、テイクアウトじゃなくて、センパイも連れ出してはどうかと思い始めた。センパイがずっと行きたがっていた店だったし、半分屋外な個室もあるから、久しぶりの外食スペシャルにはちょうどよい。だって、母の日だしね。センパイは突然の提案に少し躊躇しているようだったが、同意。雨が酷くならなかったし、久しぶりに2人でお出かけした。

センパイと歩くと、普段の倍は時間がかかる。いつから、こんなにゆっくりになったのかな。ヨタヨタしながらも、少しヒールのあるオシャレ靴を履いている。「大丈夫なの?」と言うと、「これくらい高い方が歩きやすい」といつもの答え。ハイハイ。

店のある道をまがると、急に昔話を始めた。センパイは同じ道沿いにある家で習い事をしていたらしい。初耳。「あの前に車停めてたわ」とか「あの大きな家の人も習いに来てたのよね。美人さんで2人の娘も美人さん」とか、初めて連れてきた店に案内しているとは思えないご近所エピソードが出てくる、出てくる。店の話を何度もしているのに、黙っていたのか、単純に来たから思い出したのかは定かじゃないけど。

フルコースをたっぷり食べた。食べれなかったら持ち帰るとか言っていたが、その心配なく完食。美味しいものなら、センパイはすごいスピードで食べる。店主と私が話している間も、ガツガツ食べていた。センパイの歳を聞いて、店主は「それは若いわー!」とびっくりしていた。そう、センパイの一番嬉しい言葉を頂きました。

今日は6200歩も歩いた!と、食べて歩いて頑張ったセンパイ。この状況が落ち着いたら、誰とまた店に行くか、歩きながら計画していた。ご満足だった証拠だね。ホント頼もしいよ。

#80代のセンパイ #備忘録 #エッセイ #老いを楽しむ #母の日 #万歩計




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