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いつもの生活

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800字程度〜2000字ほどのショートエッセイ。 心の内側の覚えておきたい宝物のような瞬間を書いています。 誰かの心の内側に共鳴できますように。
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#ショートエッセイ

ラップの中身は

ラップの中身は

旦那は、ハンバーグが好きだ。
今日の夕飯のリクエストを聞くと、7割くらいの確率で
「ハンバーグ」と言う気がする。

一方の私はというと、
ハンバーグはまあ普通くらいに好きで、
ハンバーグを作るのは嫌いである。

・牛豚合いびき肉をこねこねするのは手が冷たい。
・こね終わったあとに手が油まみれになって、洗っても洗っても取れないのが嫌。
・分量通り作っているはずなのに、なぜか私のハンバーグはつなぎが緩

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思い出の循環

思い出の循環

鈴の音。お経。今日も暑い。
今日は新しいお隣さんの地鎮祭。

「伊藤さんが、老人ホームに入った。」
そう聞いた時、びっくりした。

伊藤さんは、私たち家族のお隣さんだった。
物腰柔らかなおばあちゃんで、足腰もしっかりしていたから
90歳を超えているなんて知らなかった。

「もう90だから、いつあちらに行ってもおかしくないでしょう?」
あちらにはおじいちゃんもいるし怖くはないよ、と続けたあとで
「最

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「クリエイターになりたい。なりたすぎるよ」

「クリエイターになりたい。なりたすぎるよ」

「クリエイターになりたい。なりたすぎるよ」

この言葉にハートを押さざるえなかった。
普通の言葉なのに、不思議な引力を持っていたその人の言葉。

クリエイターになりたい。なりたすぎるよ。

就職活動の時に、私はそう思っていた。
けれども、ある程度の手堅さを求めてしまう性格の私が、
「クリエイター」を目指せるわけもなく。

普通の給料をもらいながら、どこかでクリエイターになれそうな会社に
「クリエイ

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