【読書メモ】今週読んだ2冊
『謎好き乙女と奪われた青春』瀬川 コウ
・青春に見捨てられてミステリに愛された、ミステリ嫌いの少年の青春。男女物。
・エキセントリックなヒロインに振り回されるヤレヤレ系主人公のコンビ構図。
・ミステリー的なものが嫌いなのに学校生活でミステリー的な出来事に定期的に巻き込まれる主人公、という設定が面白い。
・治安の悪い学校のヒリつく空気感の描写がヒリヒリする。
・ミステリなのに主人公が弱者属性(クラスの嫌われ者の陰気な生徒)なのは新しいと思った。ミステリの主人公って自信満々の探偵だったり刑事だったりと、強者のパターンが多いので。
『イクサガミ 地』今村 翔吾
・1巻の感想はこちら
・東海道五十三次デスゲーム in 明治、第2巻。作者は歴史小説の人なので時代設定がカッチリしている。時代考証で資料にいっぱい当たらないといけないので、近代以前が舞台の小説を書くのは大変そうだな~と作家志望として思った。
・集められた参加者が明治維新で仕事にあぶれた侍や血に飢えた武士ばかりなので、デスゲームでよくある「嫌だ、殺し合いたくない!」というキャラは少数。主人公たちはその少数のひとつだが、大半はむしろノリノリで殺し合う。
・サブキャラのバックボーンも紙幅を割いてしっかりと作りこまれており、キャラ立ちがはっきりしている。ダメなデスゲーム物でよくある「よく分からんキャラがよく分からんまま死んでいく」ようなことはない。デスゲームを書く時は見習いたい。
・主人公たちが強キャラであり、同行者に守るべき弱キャラがいるんだけど、弱い女性と弱い男性が両方いるのがよかった。強キャラサイドにも女性がいるし、女性キャラを男性に守られるための要員にしないところが良い。
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