ナナつばき@百合と読書

百合(ガールズラブ)と読書で生きている社会人です。 オススメの百合作品の紹介と、週イチ…

ナナつばき@百合と読書

百合(ガールズラブ)と読書で生きている社会人です。 オススメの百合作品の紹介と、週イチの読書記録をメインに更新します。 読書ペースは1~2日に1冊、平均週4冊。乱読の鬼。ときどき自分でも百合小説を書きます。

マガジン

  • 百合(GL)作品紹介まとめ

    イチ推しの百合・ガールズラブがここにある!

  • 読書メモまとめ

    これまでに読んだ本の感想です。サクッとしてるので、面白そうな本を気軽に探したい時にどうぞ。

  • 百合掌編まとめ

    サクッと読める、とある百合カップルの日常を描く短い小説です。 特に順番は無いので、どれから読み始めても大丈夫。

最近の記事

  • 固定された記事

【読書メモ】半年で読んだ108冊をまとめて紹介!

 2024年も半分が終わっちゃう!  というわけで、上半期に読んだ本のザックリした感想をまとめました。「なにか本を読みたいけれど、なにから読んだらいいか分からない」という人は、とりあえずこの記事を流し読みしてみましょう。  なにから読んだらいいか分からないなら、なんでもいいから読むがよし。 『書を捨てよ、町へ出よう』寺山 修司 ・60年代サブカルチャーの空気を肌で感じられる一冊。 ・著者が競馬エッセイストなので、中盤はこれでもかと競馬の話が続く。タイトルを『書を捨てよ、競

    • 【ネタバレあり】『岩倉アリア』が百合ゲームかどうか気になっている人向けの記事

      全クリしました ADVゲームにこの言葉はあまりそぐわないイメージだけど、便宜的に。『岩倉アリア』の全エンディングと全サイドストーリーを回収、つまりは全クリをしました。クリア時間は約18時間。  Twitterで私をフォローしてくれている方が気になっているであろうことについて、これから書きます。つまり、本作は百合ゲームだったのかどうか。  ネタバレについての注意喚起を挟んでから、そのことについて書きますね。なお、いまこれを書いているのが午前5時でありまして、夜通しプレイしたあ

      • 【読書メモ】今週読んだ5冊

        『キャンセルカルチャー: アメリカ、貶めあう社会』前嶋 和弘 ・「キャンセルカルチャー」というタイトルと「貶めあう社会」というサブタイトルの組み合わせを見て、「保守もリベラルもどっちもどっち」みたいなどっちもどっち論の本だと思ったそこのアナタ。安心してください、まともな本ですよ。 ・現代になって多様性やポリティカル・コレクトネスが推進される一方で、それをケシカランとする保守からのバックラッシュも強くなった。その最たるものがトランプ前大統領だろう。 ・セクハラなど問題のあ

        • 【読書メモ】今週読んだ5冊

          『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』2巻 二丸 修一 ・最初にひとつ。詳しくはこの後の5巻の感想で書くけれど、あまり褒められた作品でないことは先に記しておきます。読んじゃったのでいちおう感想は書く。 ・一般的にラノベにおいて「負けヒロイン」、つまりメインヒロインとの恋の勝負に負けるという風潮が強い、主人公の幼なじみの女性キャラが「絶対に負けない」というコンセプトの異性愛ラノベ。 ・ボーイッシュ女子に対して主人公が「女らしくない」と言ったあと、「こういうのは最近では性差別

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        【読書メモ】半年で読んだ108冊をまとめて紹介!

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        • 百合(GL)作品紹介まとめ
          6本
        • 読書メモまとめ
          38本
        • 百合掌編まとめ
          6本

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          【読書メモ】今週読んだ8冊

          『夢の守り人』上橋 菜穂子 ・アニメ化もされた守り人シリーズ、第3巻。 ・幻想的な設定と牧歌的でリアリティのある生活描写のバランスが良い。ファンタジーでもどこかで地に足がついていないとね。 ・バトル描写の量も全体のバランスから考えてほどよくて良い。ずっとバトルだと疲れるけれど、ぜんぜん無いのも退屈。バトル描写は人間の身体の仕組みを充分に理解したうえで描かれており、読み応えがある。 ・男と結婚して子供を産むしかない人生に虚しさを感じた村の女性が、気が付いたら山の中を彷徨っ

          【読書メモ】今週読んだ8冊

          【読書メモ】今週読んだ6冊【発達障害関連】

           今週は発達障害関連の本を読みました。当事者として学びになるところがあったり、逆に「なんじゃそりゃ」と思うような本があったり。  発達障害者の生活・仕事において役立つ実用的な本、「当事者向け・ライフハック系」  周りに発達障害者、もしくはそうかもしれない人がいるひとに読んでほしい、「定型発達者、またはグレーゾーンの人向け」  発達障害を社会課題として論じる、「その他 新書」(生活面での実用性は低い)  の、三本立てでお送りします。 当事者向け・ライフハック系 『ちょっとし

          【読書メモ】今週読んだ6冊【発達障害関連】

          【読書メモ】今週読んだ5冊

           ノンフィクション強化週間。 『旅行者の朝食』米原 万里 ・ロシアの食文化や風土について、ロシア語通訳者の著者が書き綴る一冊。 ・「異国にいると日本食が恋しくなる」というエピソードがあるけれど、私はどうもピンと来ない。これまで何回か海外旅行をしてきたけれど、白米や納豆が食べたくなったことは一度もない。むしろ、異国の料理を現地で味わえるチャンスを逃してなるものか、と意気揚々としていた。それでも一つ譲れないものがある。それは牛乳。以前グアムに行った時、現地で手に入れられた牛乳

          【読書メモ】今週読んだ5冊

          【読書メモ】今週読んだ4冊

          『イノセント・デイズ』早見 和真 ・ある女が放火殺人で死刑判決を受ける。「どうしてそんなことをしたのか」という理由と真相を、女にまつわる人々の回想によって少しずつ紐解かれていく。犯行の理由という一つの謎を追っていくスタイル。小説の物語は謎で引っぱるもの。 ・女の小学生時代は友人に恵まれており、子どもたちの幸せな世界が繰り広げられる。読者として最悪な結末を知ったうえでの平和ほっこり過去シーンからしか得られない栄養がある。 ・プロローグで下される死刑の判決文が各章のタ

          【読書メモ】今週読んだ4冊

          【読書メモ】今週読んだ2冊

          『謎好き乙女と奪われた青春』瀬川 コウ ・青春に見捨てられてミステリに愛された、ミステリ嫌いの少年の青春。男女物。 ・エキセントリックなヒロインに振り回されるヤレヤレ系主人公のコンビ構図。 ・ミステリー的なものが嫌いなのに学校生活でミステリー的な出来事に定期的に巻き込まれる主人公、という設定が面白い。 ・治安の悪い学校のヒリつく空気感の描写がヒリヒリする。 ・ミステリなのに主人公が弱者属性(クラスの嫌われ者の陰気な生徒)なのは新しいと思った。ミステリの主人公って自信満々

          【読書メモ】今週読んだ2冊

          【読書メモ】今週読んだ3冊

          『青の炎』貴志 祐介 ・母親の元夫のクソ男の殺害を企てる少年のお話。このあらすじだけで分かる通り全体的に暗い話だけど、ときどき同級生と繰り広げる和やかなやり取りと、湘南という爽やかな舞台設定のおかげで中和できている。かも。ちなみに男女物。 ・化学の授業で習ったことが犯行計画に影響したり、国語の授業で習う『山月記』や『こころ』の内容が主人公の心情とクロスオーバーしたりと、高校生主人公ならではの展開がある。主人公の属性を思う存分活かしているなーと。 ・犯人を応援したくなるミス

          【読書メモ】今週読んだ3冊

          【読書メモ】今週読んだ6冊

          『こうして彼は屋上を燃やすことにした』カミツキレイニー ・致死念慮マシマシの、湿度高めの青春モノ。メインキャラがみんな自殺を考えているという、なかなかな設定。 ・ラノベとしては珍しく女性主人公。異性愛要素もあるけど、物語の展開としては男女の友情作品といった方がいい。男女の友情が好きな人にオススメ。 ・雰囲気は全体的にやや重めで、いじめや依存といったいかにも重いテーマが扱われるけど、最終的にはさわやかなハッピーエンドです。 ・後半まで引っぱっていた物語上の謎がアッサリと、本

          【読書メモ】今週読んだ6冊

          【読書メモ】今週読んだ5冊

          『カラスの親指 by rule of CROW’s thumb』道尾 秀介 ・前半は過去話が多くてなかなか現在軸の話が進まないけど、その話自体が面白いからダレはしない。前半で前置きをしっかりして、後半で一気に盛り上げる構成となっている。というか後半はほぼジェットコースター並みの急降下と急上昇の連続。ハラハラするのが好きな人向け。 ・40代男性と10代少女が同居する展開があり、いかにもおっさんが見る夢という感じがする。 ・(男ふたりで晩飯作るなんて)「そんなオカマみたいなこ

          【読書メモ】今週読んだ5冊

          【読書メモ】今週読んだ5冊

          『成瀬は天下を取りにいく』宮島 未奈 ・2020年の夏から始まるポストコロナ作品。これからこういう設定の作品が増えるよ。 ・「ローカル局の夕方のワイドショーの中継で映る」という、一見しょうもないことを夏休みの目標に掲げる親友の成瀬。彼女の行動に付き合うことになる島崎はしかし、意外とノリノリなのであった。地元に百貨店を建てる、200歳まで生きるなどの目標も掲げる唯我独尊の女の子が振りまく「おかしみ」に元気づけられる一冊。 ・途中でヘテロフラグ的なものが立ったけど、最後には

          【読書メモ】今週読んだ5冊

          【読書メモ】今週読んだ5冊

          『夜明けのすべて』瀬尾 まいこ ・恋愛関係にならない男女の関係性が良い。異性愛などという狭量なものではなく、もっと尊いナニカというやつ。 ・PMSとパニック障害のキャラクターが主人公であり、具体的な症例と服用している薬の名前も書かれている。これはけっこう覚悟のいることですよ。症状はあくまで主人公たちのものであり、患者によって異なることをしっかり書いてはいるけれど。実在の病気や症候群を登場させる際は気を付けるべきことが多くある。それだけの覚悟を持って書かれた作品であると読

          【読書メモ】今週読んだ5冊

          【読書メモ】今週読んだ5冊

          『タイムマシンに乗れないぼくたち』寺地 はるな ・主人公の女性がぶつかりおじさんに遭遇して、会社でそのことについて話していたら男性の上司が「そいつも寂しいんだろう」と擁護するようなことを言うシーンがある。そのことに対して「自分のさびしさのために、他人に危害を加えてはならない」と主人公が独り言ちるシーンが印象的。 ・もし、あなたがさびしくて苦しいなら、ただ横に並んで同じ方角を向いてくれる。そういう一冊。 ・「女としての幸せ」を押しつけてくる家族、嫌なひそひそ話や目くばせをす

          【読書メモ】今週読んだ5冊

          【百合掌編】勝浦の風

           二時間ドラマのラストみたいな眺めだった。太平洋が視界いっぱいに広がり、はるか下からは岸壁に打ち付ける波の音が響く。ドラマと違うのは、真犯人が自白しているシリアスなシーンでこんな可愛らしい鐘が置いてあったら台無しだろう、ということ。  ここは『理想郷』と名の付く場所。かつて別荘地にする計画があったが、立ち消えて名前だけが残った。今では空と海と潮騒と、それから鐘だけが存在する静かな世界。避寒地とされたこともあり、陽射しは柔らかく私たちを歓迎してくれる。ただ、今は暖かい陽射しより

          【百合掌編】勝浦の風