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楽しい悩み事

初めて自分でメイクをしたのは19歳の時で、同世代の中ではちょっと遅いほうかもしれません。高校ではメイクは禁止されていましたし、休日も部活だったりして、メイクというもの自体に触れる機会がほとんどありませんでした。

それに、苦手意識もありました。どうせメイクしたって、落としてしまえばもとに戻るではないか。コンプレックスは、隠すだけでは改善されないし、メイクをすることに何の意味があるのかという考えを持つほどには捻くれていました。しかし、今思えば憧れの裏返しだったんだろうなと思っている。
元々、自分の女性性も苦手だった。化粧をすると自分の女の子らしさというものが引き出されてしまうのではないか、という偏見も苦手意識を助長していたのでしょう。

そんな私がメイクをし始めた。浪人している間にできるようになっておいた方が良いだろうという母の提案でした。
初めて自分の化粧品を買いにいく。何がどうとかは全くわからないけれど、肌荒れしてても使えるものが良いとだけは思っていたので、最初に選んだのは資生堂のdプログラムでした。

自分の肌が、液体と粉、2層の薄い膜で覆われていく感覚。そしてちょっと慣れなくてはにかんでしまうような仕上がり。荒れた肌が少し健やかさを取り戻す。

「あ、意外と楽しいかもしれない」
友達も親も、誰ひとりとして私がメイクにはまるとは思ってもみませんでした。自分の延長上に、いつもの私より多少綺麗になれるという可能性があるということ。肌に乗せるものによって印象が変わる。私には何が似合うのだろうと、メイク好きの友達にご指南を頂いたり、自分で気に入ったものを少しずつ集めてみたりしながら、メイクをすることの楽しさに目覚めていきました。

現在は女性らしさを出す、というより、自分を自分で気に入られるようになりたいからメイクをするのだという考えに行き着きました。偏見もどこかへ行ってしまった。そしてなぜか、メイクを始める前よりもずっと肌の調子が良くなった。程々の自己肯定感は割と良い影響を及ぼすのかもしれない。

それでも次々に悩みは現れる。童顔のせいで、赤い口紅の似合わないことや、少し気を抜くとなんだかけばけばしい感じがしてしまうなど…。悩みはするけれど、悩むこと自体もそこそこ楽しく感じている自分がいます。

さて、アンチエイジングはいつからすべきか…

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