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16枚の花びら

虹のピラミッド1~花紋(13年前に描いた絵と詩)

16枚の花びらを
一つ一つ丁寧に歩く

まるで古代からの文明
記憶を一つ一つ辿るように・・

時にジャンプしたり
唄ったり
また嵐に巻き込まれながら
ていねいに・・ていねいに・・

火と水
天の優しさ
自然の揺れ

それらの大きな愛に
包まれてくらしていたあの頃

夜になるとみんな輪になって
踊り唄い祈り
その人魂の中央に
天地の柱をたてて過ごしていた

星を見て
月をみて
毎日が過ぎていった

花びらを一歩進むごとに
その輪が崩れ
境界線がうまれはじめた

保存がうまれ
安心が生まれ
不安が生まれ・・

さらに大きな入れ物をつくり
安心が生まれ・・・
不安が生まれ

ひとはどんどんためこむようになり
分かち合いという記憶が
少しずつ遠ざかっていった

うばいあい
あらそい・・・・

そして
奇跡に見えていたことが
当たり前のことになり

当たり前だったことを
奇跡と呼ぶようになった・・

そうこうしているうちに
16枚の花びらには
薄いベールがかかってきた・・

あるとき空に
天使が現れた
可愛い天使

自分の大切な羽を
一つ一つ世界中に蒔いた

ひらひら
ひらひらと
まいにち空に
白い羽が舞っていた

人々は天からふってくる
その羽を拾い
自分の中にある
花びらを思い出した

家に持ち帰り
毎晩まるで大切なものを思い出すように
みな羽をみつめ続けた

水のせせらぎ・・
聖なる灯・・

ゆらゆら
ゆらゆら

ゆらゆら
ゆらゆら

16枚めを歩むとき
花の色はあざやかな黄色になった
そのとき

「おかえり」

虹のピラミッドの上で
誰かがそうささやいた

そしてまた新しい
次のサイクルが生まれはじまる・・・



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