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スピッツの冷たい頬より

君は突然、弱音を吐いた。
「あなたのことを深く愛せるかしら」

私は時が止まったように感じた。そして君の髪、頬がとてもきめ細やかに見えた。

雨で湿った髪、頬。そこにはいつも自信ありげな君はいなかった。弱々しい君がいた。
濡れた顔を拭こうとそっと触れたがすぐに私の手は振り払われた。
そのまま君は何も言わずにすたすた帰って行ってしまった。


急におでこに激痛が走り目を覚ます。パソコンの画面に映る情けない自分の顔と、うたた寝をしていたことに恥ずかしかった。

君はいつか帰ってくるのか。
一度は帰ってきてくれるのでは、と期待してしまう。
あの楽しかった日々、あの頃は猫のようにあなたと一緒にじゃれ合って甘えていた。
でもそれはあなたにとってちょっと甘えすぎてたかもしれない。
少年のように無垢でふざけすぎていた。

それが僕なりの不器用な愛情表現のつもりだった。
素直になれず隠してごまかしてしまう。
その方法でしか君には近づけない。ふざけていじられても壊れようとしても君を追いかけていた。

時間は一方通行にとめどなく流れていく。
もうあのころには戻れない。
現実と妄想の繰り返しの日々で虚無感がつのる。

さようなら
私はもうあのかわいい思い出とは別れたよ。
でも手帳の隅っこに書いて消した跡が残っている。行きたかったなぁ。
それを見る度に甘えていたあの頃を懐かしく感じる。
触れたときのあなたの冷たい頬も。

今日も眠たい目をこすりながらデスクに向かう。


あくまでぼく個人の解釈です。

https://youtu.be/QzJ_QUc-ygk   スピッツ_冷たい頬


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