のろまな朝日にぷんぷん
2064 文字
雲を染めて、山を染めて、空を染めて太陽が ❢❢ 全然登って来な〜い 💦💦 戻っている ? 止まっている ? 意地悪しているんだわ😱
イヤ〜ンもしかして道草して遊んでいるのかしらね〜、太陽さんがフラフラ行ったり来たりすると、星さん達は目を向いて危ない危ないと右往左往、火傷する星さんもあるわね。
黒い翼が空を切って雪原に降りるのかと見つめていると、向かって来る、車をかすめて漆黒の翼を激しく羽ばたかせて一気に空の中へ飛び去って行った。
私の車は玩具ではないからね~ 遊ばないで欲しいわ(笑)
「わしは旅に出たくて仕方がない、旅に出てもいいかのう~?」
地球さん火星さん金星さんも、太陽さんの声を聞こえない振りをしております。
「とんでもない太陽さん、そんな旅に出るなんて絶対駄目に決まっているでしょ」
月は顔を半分だけ出して太陽さんを睨みつけました。
「月よ・・・そんなに怒らんでくれよ、ただ言って見ただけなんだがな~」
「そうなの ? それなら安心だわ」
「見えるか ? 月よ」
「何がよ」
「遠くで眩く光ってそして消えて行く、すると又違う遠くの所で又光っては消えて行く、何だと思う ? 不思議とは思わんか ? 行って見てみたいと思わんか ? どうなっとるんじゃろうな、ワクワクしてくるじゃろ」
「ワクワクなんかしないわ、此処でゆっくりうつらうつらしている方が楽しいわよ」
「月よ 夢がないのぅ~」
「失礼な事言わないで、夢なんかいっぱい見ているわよ、地球さ~ん太陽さんになんとか言ってやってよ、旅に出たいなんてとんでもない事言っているわよ」
「えっ う~ん」
「何よ~地球さん う~んとは何よ、太陽さんの言う事聞いていたんでしょ なんとか言ってやってよ 太陽さんが旅に出てしまったら私達カッチカチに凍ってつるんつるんの氷の玉になってしまうのよ わかってんの!!」
「う~ん 太陽さんの言う事もわかる部分がある様な~」
「えーー地球さんは分かる気がする?ーー!信じられないわ」
「オー地球よ わしの気持ちを分かってくれるのか 嬉しいな~」
「あっ 分かる気がするだけと言っただけですよ太陽さん」
「金星さんも火星さんもなんとか太陽さんに言ってやってよ 地球さんがのらりくらり太陽さんの言う事が分かるなんていっているのよ」
月はイライラした様に回りの皆に言いました。
「太陽さんが直ぐに帰って来るなら問題ないと思うよ」と金星がもそもそと真っ赤になりながら太い声で言ってしまいました。
「えーー金星さんも太陽さんの言う事が分かるって言うの!!あああ~もう知らないどうなっても知らないわよ 好きにすればいいわ」
そう言うと月はプイッと怒ってしまい顔を隠してしまいました。
「月よごめんよ そんなに怒らんでくれよ」と太陽は月のご機嫌を取り戻そうとしましたが、月はうんともすんとも動かなくなってしまいました。
「地球さんと金星さんの言う事も分かるし、月さんの言う事ももっともだと僕は思うよ 太陽さんのわくわくも分かるし難しいな~」
今まで黙って聞いていた火星とすい星、木星が空間を振動させて独り言の様に言いました。
「おおーおおーわしの気持ちを分かってくれるか うれしいのぅ~」
太陽はそう言うと背中を大きく膨らませてボンボンと爆発させ初めました。
これには金星、地球、火星、皆が驚いてしまいましたが、もう太陽の
勢いは止まりません。
あれよあれよという暇もなく太陽はスッポ~ンと飛び出してしまいました。
キャーッ ウワー ワーっとあちらこちらで悲鳴と叫び声が飛び交っています。
太陽さんだけでなく回りの皆も太陽さんに合わせて飛び始めたからたまったものではありません。
太陽の真後ろの金星いは太陽の爆発の火の粉でお腹がボコボコ煮えたぎっているではありませんか、木星は逆さまになり気絶しているし月も地球とぶつかりそうになり、慌てて大きく口をふくらませて息を地球に向けてはいています、すい星と太陽だけが目まぐるしく映り変わる回りの景色にうっとり見入っています。
「どの位来たのか分からなくなった頃、太陽は「ああ~凄いな~きれいだのう~ 少し疲れたから休むとしょうか」
と言ったかと思うと大きないびきをたてて眠ってしまいました。
「金星さ~ん大丈夫ですか~」と地球が心配して叫びました。
「なんとか持ちこたえたみたいね、でも、身体から沢山煙が出ているけど少し休むと元に戻る・・・かしら 私達も一緒に飛んでしまうのね~びっくりし過ぎて何も考えられないわ 私も疲れたから眠るわね」
「月さん機嫌が直ってよかった 僕も驚いて斜めを直さないと 」
地球はそう言うと元に戻らないうちに眠ってしまいました。
太陽・金星・月・地球・水・木・土星・天王星・海王星は随分位置をずらしてはいたが、皆、旅の疲れで眠ってしまいました。
少しの眠り・・・!!! 何億年もの長きに渡って皆は眠ってしまいました。
旅に出たい太陽さんのおかげで、夜に見上げた私は見た事もない星々を眺めて驚く事でしょうね。
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