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豆を植えました

 890文字

  トースト焼いて~チーン、サラダサラダお体に草が必要ね、ミルクミルク、牛乳の味するから嫌い、きな粉い入れると牛乳の味がしないからおいしいわ。
 私の朝の決まり事、何かが無い限り365日同じ朝のメニュー、変わるのは・草・の種類、これから草達が美味しい季節になるわ。
 
 近くでシジュウカラの声、探しても何処にも見つからない、耳が音を諦めきれずに探しまくる。
 
 北の地は春本番となり、畑を趣味とする人達、畑を生業とする方々は沢山の期待を胸に外を眺め、育ち始めた苗達を目を細めて眺めている事だろう。
 
「豆飢えてもう10センチ位迄のびている、毎日眺めて撫でているよ」

 WWW県から移住して来た友のご主人は目を輝かせて報告に来た。

「10センチも伸びているなら豆の手シバをしないといけないですね」

「やった やった、山に行って柳の木の真っすぐなのを切って来て、もうとっくの昔に ハハハー植えて直ぐ手シバやって風で倒れない様に上も紐で固定したので大丈夫」

「柳の木は皮むいて土に刺したんですか ? 」

「エッ・・そのまま木の皮ついたままなんだけど、AAAさんが大丈夫と言っていたよ」

「土に入る部分だけでも皮取らないと・・・柳は直ぐ根を出して後で大変になりますよ」

「エーッ もう巻き付いているし大丈夫、大丈夫」

 私は絶対に後で・・後でと言うのは秋の事である、秋に畑を整理する日が必ず訪れる、手シバを抜かなければならない、ほぼ4か月柳の根は柔らかい土の中でスクスクと育つだろう。
 それが一本や二本ではない、30本近い本数なのである。
 本人はそんなにも酷くはならないだろう、AAAさんが大丈夫と言った言葉の方を優先しているのが分かり、それ以上は言わない事にした。
 
 スクスク豆は育ち、美味しい豆が出来た、こんなに採れて食べきれないから冷凍したよと言う。

 柳の根も成長している。

 秋が来た。

「イヤーー大変なんてもんでなかったよー、柳の根っこがびっしりで抜けない抜けない、スコップでも駄目で重機のバケットで堀り起こそうかと思ってしまったよ」

 目を丸くしてその大変さを暫くの間聞く事になった。


 
 
 
 

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