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映画『ボーダー 二つの世界』

2018年のスウェーデン映画。

ジャンルとしてはホラー映画に分類されているが、深みのある心理描写がヒューマンドラマとして充分に見応えがある作品である。

確かに設定には不思議な部分もあるが、それが私には差別問題等の違う事柄の比喩にすら思えた。

人と違う容姿や身体的な問題の苦悩、同居する異性との関係、父親の介護や心の擦れ違い、自身の出生についての謎、心を開いた人との問題…。

心理面のリアルな描写に重きを置く北欧映画らしい静かでシリアスな悩ましい世界観で物語に引き込まれて行く。沼のような心の深みにハマってしまう。

ホラー的な要素を差し引いても、人としてとても衝撃的で傷付いてしまう展開がある。
心があるが故に恐怖や絶望を感じる部分ではホラーかもしれない。

たくさんの事を説明するよりも、是非一度観て欲しい。期待を裏切らない映画だと思う。

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