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シンガポールに拠点を構える意味

シンガポールに住んでいるから、シンガポールの実体験に基づいた情報を発信するがいいのだろうと思うが、こんなの食べました、こんなところ行きました、なんて情報って私から出さなくても他の素晴らしい方々がやってくれるので、なるべく実体験に基づく経験、情報を発信したいなと思う今日このごろ。

私はIT業界の人間で、13年くらいいますが、その中でシンガポールに拠点を持つIT企業をいくつか知っています。
特に私の周りだと、UbiSoft、Gumi、KOEI、バンナムなどのゲーム会社。過去にはGREEやEA、Klab?、ガンホー?あたりも。もちろん大手のIT企業、Facebook、Googleなどは依然としてありますが。
その中で、色んな企業が撤退していく姿も見ました。シンガポールはどの業界においても、マーケットが恐ろしく小さい。人口が600万人しかいないからだ。そのうちの外国人が1/3。
ITのスマホゲームの観点から行くと、例えばシンガポールのAppstore。シンガポールAppstoreにアクセスする人間は実際は400万人しかいないのです。基本、自国のAppstoreへアクセスするはずなので、シンガポールのアカウントを持っている純粋なローカルシンガポリアンは400万人。その中の10代〜40代くらいがマーケットになり、日本に比べるととても小さいです。最近流行ってる?E-コマースでもシンガポールのマーケットは小さいです。外国人もシンガポールのE-コマースは使うでしょうが、それでも人口の600万人がMAXでしょう。なので、IT企業がそこまで固執してシンガポールに拠点を持つ意味をずっと考えてます(今も)

①法人税、所得税が低い、恵まれた投資環境(政府補助金含む)、インフラ。人件費の高騰は、各種低減率でカバレッジ
②タレントの採用障壁の低さ(所得税が低く、社員満足度も高くなる)
③外資での起業のしやすさ

IT企業において、正直上記2つのメリットはあると思います。
①に関して言えば、起業して最初の数年は、税金が50%の負担だったりします。
②に関して言えば、先進国なので良いタレントが集まり易い。生活環境など人材が納得行く環境であれば、移住して来ます。ただ、すでに人件費は日本より1.5倍くらいの感覚であります。
シンガポールを東南アジアのHQにし、ベトナムや他の途上国を使いコントロールする、等の戦略をとっている会社によく出会いますが、実体験からそこまでのメリットは感じられず、組織を作る上で同じフロア、オフィスにいることに勝ることはないと思っています。

私の中では、今後シンガポールの「東南アジアのハブ」「地の利」などのいわゆるメリットとされているところは今後なくなっていくと思っており、1つの「人口の少ない先進国」になると思ってます。今後東南アジアに進出企業は第2の東南アジア先進国のタイ、バンコクなどに拠点をおくようになると思いますし、まだ先になると思いますが、インフラが整えば技術力の高いベトナムなどからグローバルなIT企業が産まれると思ってます。IT企業以外であり、安定した企業であれば、アジアのハブとして、数時間で各国にいけるメリットもあり、ハブ機能すると思いますが、ITに限ると、まだ成長産業ですし、そこまで安定した収益を得られる土壌もないように思います。

と、色々書きましたが、私はシンガポールに住んでおります。海外に身を置くことによって得られる経験を大事にしたいと思っており、しばらくは海外で働いて、どこの国でも働けるよう成長したく、今後も頑張っていく次第でありますw

参考


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