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ひとり旅日記ギリシャとイタリアへ55日目:世界遺産マインド満載のブレーシャ

2018年2月25日ブレーシャ

電車は30分遅れ。世界遺産まで駅から歩くらしいが、ガイドブックの地図を写メるのを忘れたから、どう行こうか…。遅れを取り戻すことなく、30分遅れで目的の駅に着いた。雪が舞ってた。すごい!冬っぽい(笑)。で、駅前にインフォメーションがあった。良かった!普通、こうでないと。ミラノ駅はあんなにデッカイのにインフォメーションないし。ローマ、ナポリ、ヴェネチアは駅ナカにあったし、フィレンツェは駅チカだったのに、ミラノのはどこよ?駅降りて、目の前にインフォメーションは第一印象良いよね。

スキップ気味でインフォメーションに入場。エーゴも上手な上、丁寧な対応のスタッフのお兄さん。行きはメトロに乗ることにした。インフォメーションでメトロのチケット買えたし、パンフも地図ももらえた。ありがとう。

メトロ、乗ってから知ったけど、ゆりかもめ式だった。無人運転だから、線路が目の前に見えた。小さい男の子が1番前に座ってた。男の子の席の通路を挟んで隣の席が空いてたから座った。今年もビッグサイトでの仕事がありますように(笑)。

ひと駅で降りて、インフォメーションで教えてもらったとおりに歩く。途中にあった可愛らしい外観の教会の写真を撮って元の道に戻ろうとしたら、近くのアパートの2階の窓から女の子がアピってた。手を振ったら、たくさん振ってくれた。なんか嬉しかった。

しばらくすると、ローマ遺跡が。チケット売り場で、同じく世界遺産で登録されているサン・ジュリア博物館が今日14時からのコンサートで一部見られない。と親切に教えてくれた。「では、チケット買って、あとで戻ってきます」と伝えて、チケット購入。せっかく来たのに、見られないのは残念すぎる。

博物館に入場して、「閉まる予定の所があると聞いたんですけど…」と係の人に伝えると、「今から見学始めると、約1〜1.5時間後くらいに大体の人はその場所に着けるから大丈夫」と言われた。どうかその「大体の人」の中に入れますように…。

まずはこの博物館の見所No1へ。1500年代のサンタマリア教会の星空天井画。フレスコ画も素晴らしく、ローマ時代のカメオを使って作ったという十字架もあった。中は寒かったけど、離れ難く、しばしこの空間にいた。この博物館の入口にユネスコ世界遺産であることを大きいパネルで説明してあったり、スタッフ同士おしゃべりしてないし、駅前インフォメーション同様、ここも印象が良かった。ローマ遺跡からの展示品も多くて、その中で「神殿にあったのではないか」との解説があった2世紀の銅像。「腕と胴を接着しないのは、修復方法を模索中のため」ともあって、募金を募ってた。世界遺産に登録されたら、補修方法はオリジナルのやり方、もしくはオリジナルを損なわない補修方法が求められる。1800年前の接着方法を検討してるってワケね…。こういう世界遺産の条件にちゃんとのっとってやってますよ。とみんなに告知してる所もとても好感が持てた。

今日まで伊でほぼ毎日世界遺産巡りしてきた中で、ブレーシャほど世界遺産マインドを持った所はないと思った。世界遺産マインドがあるからこそ、観光客にも優しいのではないかと思えてきた。こんなことが頭の中を駆け巡ってしまって、最近発掘されたというローマ時代の居住地区展示エリアで、勝手に涙が出てきてしまった。世界遺産を理解しているブレーシャに来られた嬉しさからなのか?しばらく涙が止まらなくて困った。別に泣ける展示じゃないのに。旅も終わりが見えてきて、どんだけこの国の世界遺産にムカついたりしながら見たんだろう?とも思った。

静かにゆっくり進みながら見学して、時々窓の外を見ると雪がまだ舞ってて。なんか良い時間だった。もうひとつの見所の教会のフレスコ画も美しく。って、この博物館、どういう作りなんだろう…という位、展示物が興味深くて、2時間以上いた。腹減った…。14:30。16:28の電車だから、あと2時間。ローマ遺跡の方に戻った。

地下に入って、4分間のビデオを観た。外気とフレスコ画がある温度管理された室内との、空気の温度調整のための4分間の待機と判明。1800年代に発掘されたのか…。早速中へ。どれだけ地中深くに眠っていたのかがよくわかった。ビデオ観た部屋と同じレベルが発掘された最も古い地層。次がアウグスティウスの時代の神殿の高さがわかるようになってた。かなりの深さに驚いた。神殿内に通じる感じの階段で、赤っぽい床もキレイに残ってる。

この展示の最後の所に来て、本当に驚いて感動した。当時の鮮やかなフレスコの壁画はポンペイ以来?でも絵柄ではなくて、パネルみたいな感じで、ピンクと紫。神殿内って、こんなにカラフルだったの?と思うくらいの色使いだった。そういや平等院は、当時の内装をCGでやってたけど、極楽色彩だったな…。と思い出した。本当に良いものを見せてもらった。ブレーシャ、素晴らしい所。補修された神殿内部と古代劇場も見た。雪は止んでた。古代劇場は完全に発掘されてなくて、存在してるというのが珍しかった。この辺りの遺跡は長い年月で自然と土に埋もれていったらしい。

ブレーシャ最後は、インフォメーションのお兄さんが勧めてくれたお城の方へ。ホント、空腹の限界。城へ行く途中で昨日作った米ランチ。寒い日の米はマチガイだったね…。いくら空腹でも、冷たい米は完食できず。お腹冷えてきたし。城の上まで行こうとしたが、諦めた。道が繋がってなくて、戻って別の道とか。体力的にね…。行きは階段で来たけど、下りは坂道に出たからそのまま進んだ。道になんかプレート埋まってた。何のプレートだろ?とそこまで気にせずに歩き続けたら”FUKUDA”と見えた。通り過ぎてから、ん?日本人っぽい名前だぞ?と思ったら、フルネームは思いっきり日本人名だった。このプレートの道が一体なんなのか?坂を下りきったら、何かしらの表示があるのか?と思いきや、表示を見つけられず。

インフォメーションのお兄さんが教えてくれたOld ChurchとNew Churchは、古い方だけ中を見て、へぇ。と特に感じるものはなく。ゆっくり駅方面に向かおうと思った。この町は、看板までもが親切で、駅に向かう道にある看板には「ここから駅まで15分」と目安まで書いてあった。ブレーシャ、どれだけ親切なんですか?ここは、1日いてもガッカリすることも、腹の立つことも一切起きなかった唯一の場所だと思った。

駅に着いて、切符を購入。チョコ食べたくなって、駅ナカスーパーに入ったものの、板チョコじゃなくて、食べ切りが欲しいんだよ…。と、店を出ようとしたら出入口に電子レンジが!残った米ランチ温めるのに、2ユーロの板チョコを買うかどうか一瞬迷ったが、電子レンジ使用料に2ユーロは高いと、引き続き冷たい米ランチを食べることを選んだ。

電車は10分遅れ。そうですか…。とにかくこの米ランチ食べてしまわないと。一味けっこう入れたのに、身体は一向に温まらない(苦笑)。むしろ、芯まですっかり冷え切った。待ち時間にカフェに行くか迷ったが、プラスチックカップ片手のおばさんがいたから、この辺に自販機あるハズ。少し歩いたら自販機3台の中に飲み物自販機があった。使ったことないけど、Let’s try! 先に欲しいもの押してから1ユーロ投入。チャリーン。とお釣りが出る音がしたから、20セント回収。しかし、飲み物出て来ず。もう一度番号を押してみる。またまたチャリーン。再度20セント出てきた。ん?押した番号はココアで80セント。砂糖の量も選べたから少な目で。カップが出てくるのを待つ。待ってる間、お釣りおかしくね?と思った。最初のチャリーンは、1ユーロ投入の音で、その時回収した20セントは恐らく前に買った人がお釣り取り忘れたのかな?結局60セントで飲めたココア。自販機の温かい飲み物がこんなにも身体に染み入ったことはない。ココアが冷え切った食道を真っ直ぐ胃に向かって流れ落ちて行くのがよくわかった。

伊では飲んでないけど、ウィーンやドイツで飲んだホットチョコレート並に美味しく感じられた、自販機ココア。やっと遅れてた電車が来た。結局55分遅れって…。時間前から来てた人、こんな寒い日に可哀想。2階建の電車だった。上の方に暖かい空気行ってるだろうから、上に行って空いてる席に座った。乗車してからもしばらくは、寒さの影響で震えがおさまらず。相席の向かいのおじさんに”Are you cold?”と聞かれた。「寒いです。でも日本もこんなもんです」おじさんが「ミラノは冬はここまで寒くないんだけど、ロシアからの寒気が来てるね〜」と言ってた。さらに続けて、「東南アジアは行ったことあるけど、日本はまだなんだ。香港はわりと行ってるんだけど、今年は日本に行きたいと思ってる」と。「香港にわりと行ってるって、仕事でですか?」「会社は倒産して、英語の先生の資格のために香港に行ったり、ロンドンに行ったり」とのこと。たぶん、この旅で出会った伊人のエーゴベスト3に入ると思う。1位か2位で迷う。ヴェローナの宿のオーナーとこのおじさんは甲乙つけ難い。3位はローマのマリオ。

おじさんの話し方は静かで、ジェントル。おじさん、ミラノからのおススメ日帰りも教えてくれた。かなりジェノバ推してた。考えてみよう。明後日空いてるし。ブレーシャから3、4つめの駅で降りてったおじさん。去り際にメアドくれたから、「もしかしたらエーゴの先生の力になれるかも知れない」と伝えたら、日本語で「ありがとう。さようなら」と言ってくれた。この人とは、仕事で再会したい。

宿に戻って、旅の前半で買ってやっと出番来たラーメン。身体温めたいからね…。にんにく2かけ。明日はちょっとゆっくりめの出発だな。

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