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国連も国会も無視!日本はブラック企業天国!?

ILO(国際労働機関)から、何度も勧告を出されているブラック企業がある。

2015年11月 ILO第三次勧告

労使の意義ある対話を強調
ILOは11月12日、JAL不当解雇問題で第3次勧告を出しました。

JAL不当解雇問題

3度目・・・。それでも無視し続けてる。
ほんと、日本のブラック企業は図太いなと思う。


この労働争議は、JALの労働組合員を狙い撃ちにした大量解雇事件として有名な『JAL不当解雇問題』だ。

2010年大晦日、日本航空により165名に及ぶ違法・不当な整理解雇が強行されました。強行を前に「日本航空の不当解雇撤回をめざす国民支援共闘会議(略称JAL不当解雇撤回国民共闘)」が結成され、本格的な反撃の運動が始まりました。2011年1月には148名(パイロット76名、客室乗務員72名)の被解雇者が、この整理解雇は違法・不当であるとして、解雇撤回と職場復帰を求めて東京地裁に提訴しました。

支える会のサイトより


ILO(国際労働機関)介入に加え、
さらに10年前から国会質問まで継続的にされている。

「2024年7月18日超党派国会議員による公開質問状」https://jal-sgd165.whitesnow.jp/file_pdf/718_pub-q.pdf

↑このPDFに名前を連ねている国会議員は、パーティーに明け暮れてない、ちゃんと動いて仕事をしている議員だ。

なのに、この闘争、一部は未だ解決せず、今年で
14年目の戦いに突入した。

今年は航空事故が続いたが、やはり根底的には人員削減による人手不足が影響しているとのこと。

鉄骨の墜落や、足場が崩れる建設業界や、交通事故を起こす物流業界も同じ流れだね。



ちなみに、日本はILOの条約を蹴りまくってるんだ。

戦後も批准していない理由について政府は、労働基準法三六条の労使協定(三六協定)で大幅な時間延長ができる点などが一号条約に抵触するためとしています。労基法を改正し批准できるようにすべきですが、政府は変形労働や裁量労働の導入・拡大など、労働法改悪で条約との隔たりを拡大する一方です。修正までさせた条約を批准せず条約実施の障害を拡大させる姿勢は、国際信義を欠き、ILO加盟国の義務にも反します。

 日本は一号条約だけでなく、労働時間関係の条約は一つも批准していません。

JCPより

ブラック企業が蔓延するわけだ。



日本はブラック企業大国で、労働者の多くは、"手っ取り早く泣き寝入り"して諦めるのが常だ。


更に、デモが出来ない国民性。
一時、「デモの女」を名乗っていた私は、なぜ日本人がデモしないのか、その国民性が、よくわかっている。

ストは最近増えてきたけど、ニュースになるのは一部だけである。

「事なかれ主義」が蔓延している日本だが、このままブラック企業を野放しにしていれば、ハラスメントの横行は止まらず、一家心中も増え、自殺者も増え続ける一方だろう。


なので、私は、労組の古参や、労働弁護団などから聞いた話や、参加・応援している労働争議の実態をまとめた
「(仮)ハラスメントを訴えるには」(有料2000円)
という大作を作る予定。

ブラック企業は、弁護士を複数名雇い、えげつないやり方で、徹底的にハラスメントや不当解雇の被害者を潰そうとしてくる。そうした実態や、そんな状況でも「負けない」方法を公開する。


世界はブラック企業を許さない流れに向かっている。

国連はSDGsの一つとして、ブラック就労の撲滅を掲げている。

ディーセント・ワークとは「働きがいのある人間らしい仕事」を指す概念です。国連総会が2015年に採択した「持続可能な開発の為の2030アジェンダ」の目標(SDGs)にも、開発目標8「ディーセント・ワークと経済成長」として取り上げられています。

早稲田大学サイトより

こういうのは「目標」であって「義務ではない」。
「努力義務」はしなくていいもの、というのがブラック企業の根本思想なので、SDGsは無力なんだ。

でもブラック企業のサイトにはSDGsって書いてあるって?あれは、SDGs詐欺だと思っておいた方がいいよ。



SDGsの他に、労働CSRというものも実は存在していて、これは企業の健全性の評価基準の1つだ。

労働CSR

CSRとは「企業の社会的責任」(Corporate Social Responsibility)を意味します。本来企業は利潤を追求するためのものですが、組織的活動は社会にも大きな影響を与える可能性があります。そのため、企業はその活動において法律や環境を守りつつ、従業員や投資家、地域社会に対して責任ある行動をとり説明責任を果たす必要がある、という考え方です

AKASHIサイトより

CSRは、株主に対してのアピール。
従業員より、株主ファーストなのである。
株式市場上場時にだけ、殊更、重要視されるが、上場後は、ポイっと捨てられるハリボテの看板理念でしかない。


で、笑っちゃうのは、私が今、労働争議をしている会社は、SDGsやCSRの理念を高々と掲げていながら、労働法規違反をしてるので、やっつけてる最中なんだけどさw


結局、労働組合に街宣されたり、労働委員会に強制的に引き出されたり、会社が弁護士費用、裁判費用、損害賠償や和解金などの数100万円の無駄な経費を払ったり、クライアントにドン引きされて契約解除されるとかしないと、正されないみたい。

「高尚な理念より、経済的損失を負って反省」

※この"経済的損失"の中には、弁護士や裁判費用や、企業のブランドイメージの毀損による損失などが含まれる。


今の所、こうした方法でしか、ブラック企業を痛い目にあわせることは出来ないんだなあーと痛感している。


しかし、冒頭のJALみたいに、どんなに風当たりが強くても、「正義なんかには負けないぞ」という会社に効くパンチは無さそう。

ブラック企業の図太さは、化け物レベルだね。

そんな「社会の化け物」は、一体どうしたら無くなるのかな?


まず、はじめの一歩として、私たちは「労働法」を知らなくてはいけない。

とてもわかりやすい、労働法の入門書はコレ!


社会の構成員である一人一人が、何が正しいかを見極め、意識を高める。

「社会全体の意識のあり方」を、今以上に高めないことには、兵庫県知事のパワハラ事件みたいな悲劇は、ずーーーっと無くならないよ。


次回、『ブラック企業に呑まれる日本人の精神構造』。
根が深くて戦慄走るわ。

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