雨の日の息子が好き

雨の日の息子が好きだ。

小雨のなか、水たまりを探してまわる息子のことも。
どしゃ降りに打たれて顔をしかめる息子のことも。

息子と歩くと、雨の日が楽しくてたまらない。
息子といれば、傘をさして歩くひとときが宝物になる。

息子が１歳になる頃、電動自転車を購入した。
もちろん、息子を乗せて走るために。
これと合わせて、子供シート用のレインカバーを買うつもりでいたけれど、機能性やデザインについてあれこれ調べるうち、考えが煮詰まってしまって、結局カバーだけ買わないままになってしまった。

雨が降るたび、わたしと息子は歩いて保育園へ行き、歩いて家へ帰る。
「まだレインカバー買わないの？」と半ば呆れ気味にママ友に聞かれることもあったけれど、息子と雨のなかを歩くうち、わたしはすっかりそんな気を失っていた。

小さな傘を掲げる息子。
レインコートに身を包む息子。
長靴で水たまりを踏む息子。

クソかわいい。

こんなかわいい息子の姿、見逃してたまるかっての。

雨の音、お歌みたいだね。
アジサイが笑ってるよ。
道路が川みたいになってるね。

息子のポエミーな発言の数々も最&高。
こんな台詞、絶対「いま」しか言ってくれない！！！！

雨は、息子と並んで歩くためのきっかけをくれる。

足早にかけて転び、ドロドロになって登園したこともある。
水たまりで跳ねたら、長靴にまで水が入ったと落ち込んで帰宅したこともある。

こんなかわいい息子は、雨の日にしか見られない。

雨の日は楽しい。
雨の日には、雨の日にしか存在しない息子がひょっこり現れる。

なにげない思い出をつくる。
それが、わたしの雨の日の楽しみ方。