わたしの育児と、夫の育児
息子がおもちゃを片付けるとき。わたしは絶対に手を貸さない。
息子が遊んだおもちゃだから、息子が全部片付けてね、というのがわたしの育児。
夫は、息子がおもちゃで遊んでいる横から、どんどん片付けをする。
お片付けしようと声はかけるものの、息子がやらなくても一人で片付けてしまう。
「息子が出したんだから、息子に片付けさせればいいのに」
わたしが言うと、夫はこう答える。
「だって、息子は片付けたくないんだから。やらなくていいでしょ」
夫は、息子がやりたくないと思うことを無理にやらせたくないらしい。
「それってあまやかしてるだけじゃん」
「あまやかすことの何がわるいんだよ。おれは息子をあまやかしたいの」
あ、そうなの?
めっちゃ堂々と言うやん。
たとえば、保育園でできているのに家ではやりたがらないことに対して、わたしは「やればできるのだからやらせたい」と思うけれど、夫は「やればできるのならそれでいい、やりたくないならやらなくていい」と思うらしい。
わたしの育児と、夫の育児は違う。
どちらが正解なんてことはないし、ここで自分の育児を押し通すほど、わたしは自分のやり方に自信があるわけでもない。
わたしたちは何の因果か夫婦になって、そこに息子が参加して家族になったけれど、わたしたちは別々の人間で、それぞれの気持ちがあって、考え方があって、やり方がある。それはとても自然なことだ。
わたしはわたしの育児で、わたしと息子の関係をつくる。
夫は夫の育児で、夫と息子の関係をつくる。
それでいいと思う。
夫婦の育児スタンスを揃えないと子供が混乱する、と言う人もいるけれど。どちらかが妥協して、本当はこういう風に育てたかったのにと思うのはつまらない。
それぞれが、それぞれの思うように子育てすればいい。
わたしにとっても、夫にとっても、息子を育てることは人生で1回しかできないことなのだから、全力でやりたいようにやればいい。
今日も夫は息子の散らかしたおもちゃをせっせと片付ける。
息子はまったく意に介さず、夫の隣で踊り狂っている。
夫はそれを見て、片付けをしながらケラケラと笑っている。
あまやかしたい人と、あまやかされたい人。Win-Winだよね。
わたしはそんな二人を見て、楽しいな、と思う。
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