自粛生活を救ってくれたものたち
きっとだれにでもあると思う。
この窮屈で退屈な日々を支えてくれた、何か。
ずっと好きだったものがそうだった人もいるだろうし、この非日常の日常ではじめて出会ったものが、こころに寄り添ってくれたという人もいるだろう。もちろん、そのどちらもある人も。
この日々が終息しても、平穏な毎日が戻ってきたとしても、このとき自分のこころを救ってくれたものたちのことを忘れたくない。つらかったことや悲しかったことは思い出すことがなくなったとしても、そっと力をくれたものたちのことは、ずっとずっと大切にしていきたい。
こんな場所で出会った、だれかのやさしさ、たくましさ。
それが新しい日常を生きるための糧になってくれると信じている。
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わたしの自粛生活を救ってくれたものたち。
無観客ライブを配信してくれたアーティスト。
おいしいイタリア料理をテイクアウトさせてくれたレストラン。
無料のペーパークラフトを提供してくれた企業。
楽しい小話でなごませてくれたツイッタランドの人たち。
面白いアイデアで製作した映画を配信してくれた映画関係者たち。
たくさんたくさん。もっともっと。
名前も顔も知らない人たちが、わたしの日常を彩ってくれた。
つよく生きる力で、わたしを救ってくれた。ありがとう。
きっとずっと、この世界で「出会った」人たちのことを忘れないし、どんな風に未来が変化しても、ずっとずっと好きでいると思う。
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で。
ここから本題。ここからほんとに言いたいこと。(むしろ蛇足)
一気にテンション変わるのでご注意。
外出自粛が続くなかで、これまで好きだったものをもっといとしく感じたり、まったく手を染めたことのなかった分野をちょっと面白いかもと思えるようになったり。ほんの少しかも知れないけれど、生活の中の「好き」に変化があって。
わたしね、この1ヶ月くらいの間に、めちゃくちゃ好きになったものがある。
まさかこんな状況で、こんなかたちで、こんな風に。わたしのこころの隙間に、それが入り込んでくるなんてちっとも予想してなかった。思い描くことのなかった未来が、ここにある。そして、きっとこの感情をわたしはずっと大切にして生きていくのだと思う。
わたしね、外出自粛してる間に、
めちゃくちゃ「ダイアン」が好きになった。
言わずと知れた、漫才コンビ「ダイアン」。
滋賀県が生んだ、おしゃべり上手なおっさん二人組。
このわたしのピュアでシリアスなハートを、コロナ禍のどさくさにまぎれて「ダイアン」に奪われるなんて思いもしなかった。
まさかの、ダイアン。よりによっての、ダイアン。
ダイアンの何がいいとか面白いとか、そんなことはどれだけ熱く語ったところで、わかる人にはわかるし、わからない人にはわからないから書かない。おっさん二人組の何がそんなに素晴らしいかなんて、読みたい人もいないと思うし、わたしも別に書きたくない。
とにかく、わたしはいまさらダイアン(芸歴20年)の面白さに気づいて、いまさらハマってる。
普段からいろんな芸人さんのラジオを貪り聞くことが好きで。ダイアンのラジオもあくまでそのひとつとして聞いていた。これまで特別に面白いとは思ってはいなかったけれど(ごめん)、おっさん二人が低いトーンで、毒にも薬にもならないような話をするだけのこのラジオが、異常な日常に疲弊したこころには、やさしかった。
癒されるとかそういうことじゃない。ただ単純に、面白かった。面白いなーと思った。それ以上でも以下でもなかった。それがよかった。雑味がなくて。こころを揺さぶられないことが、波風が立たないことが、それがとても心地よかった。
まあ、なんて言うか。おかゆみたいな感じ。
弱ってるときには、胃に負担かからないものがベスト。質素で淡白でかまわない。凝ってなくても、ほっこりあたたかければ、それだけでしあわせな気持ちになれる。
そんなわけで、ダイアンのYoutubeを見るようになり、毎週のラジオが楽しみになり。こんなタイミングでユースケさんがnoteをはじめたことに歓喜したり。気づいたらすっかりダイアンを「好き」と言えるほど「好き」になっていた。
これから緊急事態宣言が解除されたら、また人と会う機会も増えていくと思う(ちなみに、絶対、解除後の出社初日はアベノマスクしていくって決めてる)。ひさしぶりに会う人たちはきっと、わたしのこの小さな変化には気づかないと思う。だけど、わたしは再会を喜びながらも、こころにかっちりダイアンを抱いていく。誰にも気づかれないように。この自粛中、わたしめっちゃダイアン好きになったんだよって、こころでそう思いながら、だれにもそれを悟られないように。
好きなものが増えるって素敵なことだ。それが、ダイアンだとしても。
夫にはすっかりバレているけれど、このひそかな感情は、決してだれにも話さずにいるつもり。って言うか、話す必要もない。だれも興味ないと思うから。興味ないって言われたら傷つくから、だれにも話さない。
わたしはこれから、コロナとダイアンと共生していく。
だれにも気づかれず、自粛中にひっそりとダイアンのファンになったわたしで、新たな生活を歩んでいく。先の見えない未来のなかで、これだけは唯一確かなこと。
あひょーん。
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