紡がれる物語【ラヴァクリスタル】

溶岩地帯を切り抜いたかのような見た目をしている結晶。
溶岩の流れた跡から発見され、極めて強い耐熱性がある。
結晶を身に着けたものを熱などから守る効果があるため熱帯の地方や、火山地帯に行く冒険者などの必需品となっている。

石商ギルドでは海図を囲んで男たちが論戦を繰り広げていた。貿易船の話であれば一枚噛みたいものだと覗き込むと、海は海でも溶岩海の地図であった。
クリスタルの発見には規則性があり、火山の神が謎掛けをしているのだとか。人と神の知恵較べ。豊穣な物語が結晶している。
──旅商人モルの日記より
〈東洋 夏〉

噴火の最盛期に採取を敢行。耐熱服は暑く、瘴気避けに口まで覆うので汗が止まらない。守りの効能が粗悪かと疑うも、しかし火の神には涼しい気温だろうと思い直す。
月のない夜。溶岩流を眺めていると天地が逆転し、夜空を歩く心地がした。
私は客人にこの美景をも届けたい。
──旅商人モルの日記より
〈東洋 夏〉

ようやく、採取できた・・・。しかし、ここは暑いわね・・・。早いところお暇しないと、おっと、手厚いもてなしで歓迎しようっていうの？悪いけど、そこ、退いてもらいますよ？
〈泡沫美月〉