マルティン・ガルシア・ガルシア、リサイタル&協奏曲~一流のオーディエンスを目指して
またまたしつこく、ミューザ川崎へ行きました。今月はコンサートが4つも目白押し。体調いまいちなのに遊び疲れてヤバいです。調子に乗りすぎた。来月以降は自粛します。トホホ。
でも、これは後から決まったけど、どうしても行きたかったんです。どうしても。
去年のショパンコンクールで3位になったガルシア・ガルシア君のリサイタル+協奏曲ですから。
チケット完売のための追加公演なので後から決まりました。あわてて申し込みして、何とかセーフ。四階席までびっしり満席。大人気ですね。
オールショパンプログラムで、4つのワルツから第14番、第3番、第2番、第7番。繊細なダン・タイ・ソンのワルツ集を聞きなれてるから情熱的な音にびっくりです。でも、好きですね。
続いてノクターン16、スケルツォ2、即興曲3、前奏曲嬰ハ短調、ポロネーズ6「英雄」で前半のリサイタルが終了です。
後半は神フィルとの協奏曲2番でした。ピアノは、今評判になっていると言うファツィオリのF278。うーん、これは私には何も感想が言えない範疇になります。
何しろ、特別な音楽教育を受けたわけでもなく、何の楽器もまともに奏でられずに落ちこぼれ、絶対音感は絶対にない(笑)。ど素人のにわかクラシックファンなんです。でも、音楽には必ずオーディエンスが必要。ミュージシャンとともに生のステージを生きるオーディエンスになりたいんです。できれば、ミュージシャンが最高のパフォーマンスが出来るように、盛り上げられる一流のオーディエンスになりたいんですよね。小さな願いです。そして、聞いた音楽を噛み締める機会を作るために、ここを利用しています。まさに、音楽鑑賞ノートです。
何しろ、ガルシアさんの自由で明るくハッピーショパンは、私のレベルではテレビじゃちっともわからない。ショパンコンクールのファイナルだけは見たんですが、反田さんに注目し過ぎたかな(笑)。
でもまあ、とにかく、生ガルシア君のエネルギーの凄いこと。また、ピアノと合体して一つになっているようなところは、見なくちゃわからないですね。熱量は音量となり、息を飲んで集中する観客を引き込み、会場が一つになる感覚。たまらないっ。この熱気とテンション。息を飲む瞬間、緊張する一瞬。心を揺さぶられるわけです。
しかも、なんとアンコールが7曲です。終了予定時刻を1時間近くオーバーしての終了。果しなく体力と集中力のあるガルシアさんですね。良い席ではありませんでしたが、ガルシアさんの真後ろから見たので、何をしているか感じられました。時に勢い余って足を踏み鳴らし、時に有名になった例の鼻唄もちゃんと聞こえました。楽しかったー。
天真爛漫な巻き毛の若者の中に老練な哲学者がいて、また、その手にはピアノの神様が宿っているようでした。ラテン気質にロシアピアニズム、更には日本の誇るミューザ川崎の音響。ミスタッチなんか物ともしない闊達な精神。音楽の理解と手を全体に、更には身体全体でピアノに向かう姿勢。情熱とテクニックと、真摯な気持ちとのびのびした屈託のなさが同時に一人のガルシアさんの中に存在してるって、これはまだまだポテンシャルがある。ってことですね。ワクワクさせてくれます。
かけがえのない一時をいただきました。唯一無二のピアニストです。