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マルティン・ガルシア・ガルシア/再来日/サントリーホール~一流のオーディエンスを目指して

あけましておめでとうございます。

昨年秋は何やら多忙になり、コンサート自体はチケットを購入していたから行ったし、それぞれ楽しめたのですが、感想を纏めるに至らず、記憶は薄れるばかり。

とはいえ、全く忘れてるわけではないから記憶の破片をつなぎ合わせましょう。

これは、11月6日(日)のコンサートです。

サントリーホール前は
いつ来てもワクワクします。
マチネなら寒い時期でも
噴水が嬉しい

マルティン・ガルシア・ガルシアさんは、言わずと知れた2021年、ショパンコンクールの3位を飾ったスペイン生まれのピアニスト。

再来日のチケットを友人とゲット。いつもながら、お安い席を狙うので今回も舞台裏側です。ガルシアさんの顔は見えない。背中や左手が少し見えます。ただし、意外に前の方の席でしたからオケの一部は見えなくても指揮者はよく見えるし、ガルシアさんの息づかい、「例の鼻唄」が聞こえるだろうと、期待大。

ピアノは、もちろん最近大評判のファツィオリです。

以前のプログラムよりの画像です

残念ながら私には真価がわからない。本当に残念。猫に小判てやつですね。トホホ。

そこは耳の肥えた方々におまかせして、私はにわかクラシックファンとして楽しみます。こういうレベルの人がたくさんできたらチケットがもっと売れてミュージシャンは活躍の場が増え、日本の音楽家の環境が良くなると。オーディエンスとして一流になれるように目指してはいます。まだまだだなぁ。

がっしりとした体格と巻き毛
目力が印象的なガルシアさん

オケは東京フィルハーモニー。
プログラムはショパン協奏曲2と、ベートーベンの「皇帝」です。

プログラムはこんな感じ

ショパンコンクールでも弾いた協奏曲を生で、目の前で聴ける幸い!
テレビで見た時も素晴らしいと思ったけれど、どうして生はこんなに華やかな彩りに満ちているのか!
全く信じられない幸福感に満ちたショパンでした。あんなに明るいショパンを聴いたのは初めて。
技術的にどうなのか、私にはわかりかねます。でも、肺を病み、故郷を離れ、故意に悩んだ悲劇のイメージの強いショパンにもジョルジュサンドとの至福の時間があったはず。と、そんな気持ちになる、そんなガルシアさんの演奏でした。
もちろん、鼻唄あり!

ベートーベンも、いつもなら重苦しく感じる、そこがベートーベンの真骨頂とすら思っていましたが、いとも易々とベートーベンを明るい日向に引っ張り出しました。耳の不自由がナンダ!と、ガルシアさんはベートーベンの心の声を聴いたのでしょうか。

とにかく、存分に楽しませていただきました。

そして、いつもながらアンコールの嵐。次から次から、あれだけ渾身の演奏をした後なのに、ピアノを弾きたくて弾きたくて仕方ない子どものように、アンコールの長いこと。休憩二回はさんだ三部制のコンサートのようでした。ほとばしる音楽愛に、ますますガルシアさんが好きになりました。

ガルシアさん、次に来日した時はさらにチケットが高くなり、雲の上の人になってしまうのかしら。
ますます活躍して欲しいやら、チケット代金を考えると年金暮らしにはなんとも言えない気持ちもあります。
いや、こういう柔らかく逞しく延びていく音楽家が活躍して欲しいというのが、一番の気持ちです。

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