インド貧困地へのスタディツアー③

前回の女性差別の話の続きをちょっと。

妊娠中に、お腹の子が女の子だと分かると中絶する。たとえ出産しても遺棄されることが珍しくない。(その理由は前回の記事をご参照ください。)

そして、それではマズイと考えたインド政府がある政策を導入した。
「病院で女の子を出産した場合、2万ルピーを支給する。」

2万ルピーとは約4万円で、インドの小学校教師の月給に相当する。

ちなみに男の子を出産すると1500ルピーの支給。
女性差別について、インド政府が深刻に捉えていることが伺える。

また、「病院で」というのがポイント。

実は、地域の産婆さんを呼んで自宅で出産する風習が根付いている村は少なくない。
(ただその産婆さんに本当に資格があるのかは不明)

→母子ともに死亡率大

そのため、病院で出産することが条件とされている。安全に出産させるために。

結果、病院で出産する人が増え戸籍登録も正しくされるようになった。

それまでは、当たり前のように戸籍登録しないエリアも多かった。
なぜなら村単位で差別を受けることがあるから。
加えて政府から社会保障を受けられるわけでもないから。
(出産に関する手当てがなかったため)

そして少しずつ、女の子が増えつつある。
子供が安全に産まれ、その村のいち村人として(戸籍もあって)生きていける風土が根付きつつある。

そして子供が増え続ける今、学校が足りないという別の問題が発生している。

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