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【イタリア・コロナウイルス】2020年4月17日における市民保護局の発表

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↓本日の投稿

局長による発表

本日の報告から参ります。現在、コロナウイルスに陽性反応を示している合計の患者は10万6962名、昨日と比較して355名の増加となっています。なお、病院への負担は減り続けています。本日、2812名が集中治療を受けており、これは昨日よりも124名減少しています。ここまで少ない集中治療の患者数は、3月21日に記録されて以来です。症状が確認され入院している患者は25786名と、昨日よりも1107名減少しています。その他大多数、全体の73%にあたる78364名は無症状または軽症のために自宅療養中です
誠に遺憾ながら、本日575名の方がお亡くなりになりました。回復した方は合計で42727名にのぼり、昨日と比較して2563名増加しています。なお、本日実施された検査数は、65705件にのぼります。

軍による協力体制については、本日19913名ものボランティアの方々が集まり、これらの方々は、医療関係者、州の行政関係者の支援を行うことになっています。そして、プレ・トリアージ用のテントは野外病院に878台、刑務所内に151台設置されています。

当局に集まった義援金についてご報告いたします。本日までに1億2772万2368ユーロもの支援がありました。既にこれらの義援金のうち3400万ユーロは、防護服、医療機器等の購入に当てられています。

当局からの医療従事者派遣であるタスクフォースについて申し上げます。明日、我々の募集に参加表明を示した99名の看護師が、コロナウイルスの被害が大きい州へ派遣されることなっています。

本日収集したデータによれば、病院への負担は確実に減っていることが分かります。ここ数週間で、拡散収束の措置として尽力した病院の努力そして国民の協力が、(データ上の)曲線の下降という形で明白に反映されています。そこで、現段階に合わせて我々の記者会見の頻度も調整することで合意しました。

今後も、当局および関連機関のホームページにおいて、最大限透明性の高いデータを皆様に提供することを保証いたしますが、記者会見については週二回、月曜日と木曜日の午後6時に行うことに決定いたしました。

当局による記者会見は、Alcuri委員会による毎週火曜日・土曜日午後12時の会見、そして毎週金曜日の午後12時より行われている国立衛生研究所による会見に沿う形で行われる予定です。

終わりに、数日前にGuidi前経済開発大臣がこの会見の場でお話された、身体障害者の方々に関するテーマについて付け加えておきたい点があります。というのも、このテーマは、今回のような緊急事態において、いつも以上に検討されるべきテーマであるからです。

そして、その次の日、自閉症を患う子供を持つElio様よりお手紙を受け取りました。手紙には、コロナウイルスによる緊急事態という厳しい状況の中で、彼らの生活がますます困難になり、自閉症を持つ親としてのあらゆる苦労が記されていました。

局長として、当局には、このような人々を支援し援助する職務であることを自覚しています。

Elio様とは長い時間にわたって話し合い、様々なハンデを持つ人々に寄り添いながら、当局員、そしてボランティア全員が責任を持って支援を行うことを申し上げました。Elio様からは私、そして当局に向けた感謝の言葉を頂いたとともに、直接Elio様よりこの手紙を皆様と共有したいとの旨をお伝え頂きました。ここで全てを紹介することは難しいので、その一部のみ私の方から報告いたします。

手紙には、心の痛む言葉がたくさんしたためられていましたが、これらの言葉は彼が今まで培ってきた愛情や希望を揺らがせるものでは一切ありません。今から読み上げるものは、父親であるElio様がご子息に向けて伝えた言葉です。

”息子が自閉症を患ってから、私たちは何度も旅行に出かけていました。出発の準備をしようとスーツケースに荷物を詰める度に、実はケースの中にいつも小さな「すき間」を開けていました。なぜかって?私たちはいつでも、希望をつめこみたかったのです。”

Elio様からのこうした言葉は、我が国で毎日厳しい状況に立ち向かう保護者のあり方の一つを代弁しているに過ぎません。直面している苦労の方々大小を問わず、このElio様からの言葉が、皆様全員にとってよい例になることを祈っています。

教授による発表

Borrelli局長の最後の言葉によって、今回コロナウイルスがもたらした様々な側面を垣間見ることができたと思います。とりわけ、コロナウイルスが人々にもたらした痛みを実感することができたのではないでしょうか。

今夜も、これまで通り、現状を理解する上で有益になりうるいくつかの提言を行いたいと思います。

先ほど、Borrelli局長によって、病院での入院患者、とりわけ集中治療を受けている患者の数が言及されました。ここで、ここ2週間について振り返ってみると、4月3日には集中治療を受けていた患者数が4063人だったのに対して、今日では2800人程度にまで減少しました。このことは、病院負担の軽減に伴い、コロナウイルス以外に疾患を持つ患者に対しても治療を行う余裕ができたということを示しています。もう一度振り返って頂きたいのが、今回コロナウイルス による感染拡大が始まる以前には、(国内の)集中治療用のベッドが5000台以上確保されていたという点です。したがって、集中治療を必要とする患者数が4065名に達した際、それぞれの患者の症状に合った治療を保証することが困難でした。

加えて、もう一点重要な点として皆様にお伝えしたのが、先ほどBorrelli局長も言及した検査数と陽性患者数です。ここで、検査数の割合を計算してみると、丁度5.35%の感染率となっています。この感染率の割合は、感染拡大を封じ込めるための対人距離(都市封鎖)という措置がよく機能していることを示していると表しています。

また、先ほど局長は死者数にも言及しましたが、私としては死者数というものを我が国で亡くなった方々に敬意を表すために引用したいと思います。これは、委員会委員長として、私の口から申し上げておきます。

また、皆様にお知らせしておきたい点が一点あります。今週19日の日曜日は、臓器提供を推進する日です。臓器提供に関する我々の知識や考え方が、この臓器提供という文化を再検討する契機になるはずです。この文化を再検討することによって、私たち全員が良心に基づいて正しい行動を行えるようになるのではないでしょうか。というのも、臓器提供を通して、私たちは失われる危険のある命を救うことができるのです。与えることによってのみ、我々人間は、ひとつの完成された存在になれるのです。したがって、他者に何かを与えないということは、まるで芽の出ない種のようなものでしょう。

そして、2月26日から、国立移植センターでは、ジェノヴァのガリエラ病院において、骨髄ドナー登録を利用した造血幹細胞移植が行われました。本日までに行われた移植手術数は、330件にのぼります。ここで、ドナーにご協力頂いた全てのイタリアの国民の方々に心より御礼申し上げます。

三点目に、血清(有病)学に基づいた検査についてお話したいと思います。ここでは、この検査にまつわるいくつかの特徴について整理させて頂きます。血清学研究とは、すなわちイタリア国内において、コロナウイルスに感染した人々の割合のことを指します。

血清学に基づくウイルス検査は、酵素結合免疫吸着法(エライザ)または化学発光を用いた検査 -クリアーキットと呼ばれる- を使用して行われます。これは、より確実で信頼性の高い情報(結果)を得るための手段です。まさに、この理由から、私が参加している科学技術委員会は、Arcuri委員会に対して、検査方法を選ぶ上での指示書を作成しました。すなわち、特定率95%の高さを誇る検査か、あるいは90%を超える感度を備えた検査のどちらかを選択すべきか、ということです。この検査は、国内外の研究所または機関で使用が可能であり、少なくとも各州あるいは各自治県に1つの研究所で受けることが可能となってます。

これらの検査は、血清学のみによる検査と比較して、極めて短い時間であらゆる必要な情報が手に入ることが期待されています。数時間以内に、これらの検査を採択する意思のある全ての企業および関係者に向けて、必要な要件が公開される予定です。競売は、Arcuri委員会によって各事業者の適性が確認された後、五日間に渡って行われます。その後、検査の識別へと進んでいきます。この識別作業は、イタリア国内の15万人の住民のサンプルを用いた有病率の調査を目的とし、イタリア国立統計局(ISTAT)の協力のもと、地域の特徴に基づき、6つの年齢層に分けて行われます。これは、地域および職業ごとに異なる結果が現れることが期待されるからです。

今回のこの研究は、州との協力体制のもとに行われることを強調しておきます。ここで、今回の研究にご協力くださる、イタリアの全州および全自治県に心より感謝申し上げます。

最後にお話したいのがイタリア医薬品庁(AIFA)が引き続き行なっている活動についてです。イタリア医薬品庁の活動については、以前から繰り返しお伝えさせて頂いていますが、彼らが行なっている活動の重要性は何度でもお伝えする必要があると考えています。イタリア医薬品庁は、93の研究活動を評価しました。そのうち、19の研究が承認され、さらにそのうちの10の研究がすでに実用に向けて動き出しています。

この結果は、我々がわずか1ヶ月でこの成果を達成したこと、そして我が国の医学研究の進度を考慮すれば、極めて大きな成果であったと考えられるでしょう。

ただし、イタリア医薬品庁が行う活動はこれだけに留まりません。当該機関では、先の研究活動に加えて、全ての医療機関において適切な医薬品が行き渡るよう、患者の治療に関するガイドラインが作成されました。このガイドラインは、イタリア医薬品庁のウェブサイトで公開されています。

我が国は、コロナウイルスの大流行という、極めて劇的で骨の折れる状況に置かれています。その中で、イタリア医薬品庁が役割は、大変喜ばしいものだと言えます。また、イタリア中部・南部においては、ウイルスの拡散が抑えられているということを改めてお伝えしておきます。このことは数字によって裏付けがなされており、現在でも13の州および自治県では、2桁よりも少ない死者数が確認されており、うちの2州では、幸いにも死者が出ることはありませんでした。

*翻訳元:”Conferenza stampa 17 aprile 2020 ore 18.00 – Coronavirus”https://www.youtube.com/watch?v=AUo9oQKL-Fw

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