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特発性気質化肺炎がわかるまで⑧~病院が変わるとこうも違う

8/18(火) ようやく明日B病院へ転院できるとの知らせをもらう。以前転院について看護師さんに聞いたときは、急患以外は自分で移動しないといけない、と言われたけれど、ちゃんとB病院からお迎えも来てくれるみたい。系列だからかな。今までは誰か一人の意見で一喜一憂していたけれど、その時になってみないとわからないこともある、と学ぶ。

それにしてもここC病院は、狭くて行き場所がない。病室からトイレまでの10m程の距離しか移動できる場所がない。外来にも行けない。売店もない。一部しか窓もない。ひと昔前の精神科病院よりもひどい。

一般科よりも、私の勤務している精神科病院の方が病室もゆとり(2~4人部屋)があり、ホールや中庭もあって療養環境としては恵まれた病院だとしみじみ思った。テレビドラマに出てくるような病院なんてほんと一握りなんだろう。

8/19(水)いよいよ転院の日。入院費の支払いの説明に訪れた医療事務の方にお願いして先に明細書をみせてもらうこととした。(この病院の体制を思うととっても心配だったので)

案の定、「せん妄ハイリスクケア加算」という身に覚えのない加算がつけられていたので、申し出。

事務の方が「病棟に確認したところ行っているようですが、用紙などで説明などなかったですか?」と言われたが、

「せん妄リスクもないし、説明もないです。」(入院診療計画書も昨日もらったばかりだし…) 

再度確認してもらったら、やっぱり何もしてなかったことが判明。取り消してもらえた。300円程度のものだったけど。C病院の明細書はザックリしすぎていて、他は突き止めようがなかったけどもう仕方がない。

B病院から迎えに来た搬送車のおじさん二人は優しかった。「暑いけどがんばってや~」て応援してくれながら運んでくれた。

14時 B病院到着。8階の8人部屋の真ん中だけど、廊下には大きな鏡とシンクもあるし、窓もあるし、全然違う。働いているスタッフの皆さん、ハキハキとしていて、ちゃんと挨拶と自己紹介をしてくれる。当たり前のことだけど、C病院はコメディカルの人しか挨拶していなかったな…

B病院で検査など終えて部屋で過ごしていると、コメディカルスタッフがたくさんやってくる。私のところには最初に薬剤師さんがきて、抗生剤の説明を始めた。

「抗生剤は3日前にやめているし、熱も2日前に下がっているのですが、必要ですか?主治医の説明を聞いてからにしたいです。」と伝え了解を得た。

そのあと、ST(言語療法士)さんも挨拶に来て、「必要ないですよね…」と互いに顔を合わせる。お茶を飲む嚥下動作だけ念のため確認したいとのことで応じる。

ちょっとちょっと… 急性期病院の入院て、主治医が患者を診る前に、一連のオーダーが出て動き出すものなんだね。

少しすると主治医が訪ねてきた。呼吸器内科の女医さん。私のCT画像からの診たてを早速話してくれた。入院前、画像をみた放射線技師はコロナの可能性を出していて、それをみた外来内科医もPCR検査の指示を出したこと、でも呼吸器内科医からみればコロナとの違いには気づくような肺炎像であり、間質性肺炎の可能性、薬剤が原因になる場合もあるためC病院の方で抗生剤などやめたことは逆によかったかもしれないことなど、理路整然と説明してくれた。必死にメモをとる私… 感動!これこそ医者だよね!

CT画像をみたいことを伝えると、病室でいくら説明するよりは自分でみた方が理解できると思う、と賛成してくれ、明日みせてくれるとのこと。

興奮して家族にも電話した。もう1週間近く会えていない娘とLINE通話しながら、「かっこいい女の先生にみてもらえるから、もう安心だよ」て伝えたら、娘も「じゃあ、その先生のこと、かっこいいドクターで呼ぶね」て。

この日は、薬も飲まず点滴だけ。それでも治療はスタートしたと感じた。

主治医の言動ひとつで、医師への信頼、病院への信頼、入院への安心感がこんなにも変わるものだと自分でも驚いた

つづく