ロシア軍事作戦開始

今、この瞬間ロシア軍がウクライナ東部で軍事侵攻を開始したというニュースをパソコンの画面で見た。大分前からどうやらロシア軍がウクライナ国境付近に集結しているらしいというニュースは度々目にしていた。しかし、遂にこの瞬間が来てしまったのだという衝撃が僕を貫いた。今、この瞬間も随時情報収集しながらこのパソコンのキーボードを叩いている。

ハイブリッド戦争という言葉を大分前から度々目にしてきた。具体的には2014年のクリミア危機でロシアが発明し実行したサイバー攻撃やあらゆる工作活動から始まって、本格的な戦闘前に敵を分断弱体化したうえで、徽章を外した正体不明の部隊がなだれ込むという形の戦争形態だが、まさにこの瞬間にこの新しい形態の戦争の火蓋が切って落とされようとしているのだ。あらかじめ目的を暈しておくのも戦術のひとつで、今回のウクライナ侵攻に際しても最後まで「平和維持」という目的は公表されなかった。

今、スマートフォンで確認したニュースによるとウクライナの軍司令部がミサイル攻撃を受けたという。確か前日及び同日未明にはウクライナ各省庁がサイバー攻撃の標的になった。これは、確固とした証拠はないが、ロシア政府のコントロール下にいるハッカー集団が関与したものと思われる。ロシア政府のコントロール下にいるハッカー集団とはロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)のハッカー集団でアメリカではFBIなどの諜報機関がメンバーを正式に指名手配している。また、Fancy Bear(APT28)といわれるロシアのサイバースパイグループはGRUと関連している可能性について指摘されている。興味がある人は直接FBIのサイトを見てみたらいいと思う。サイバー犯罪の項目で今現在何人かの情報将校やハッカーが指名手配されている。さらに、事前に複数の工作員が直接ウクライナ国内に侵入し何かしらの工作をしていたという。このように事前に準備周到に工作活動をし、地ならしをしたうえで、ついに本格的な軍事侵攻に踏み切ったのであろう。

プーチン氏にとってはこのコロナ渦のなか、世界中がまだニュースタンダードに移行できていない混乱状態にあるなかでまさに、今しかないという状況下での選択だったと思うのだが、この戦争がただの地域紛争で収まると僕は思っていない。新しい形態の戦争として、他地域に伝染し、新たな戦争の火種になることはほぼ間違いない。下手をしたら世界規模の戦争の始まりかもしれない。バイデン政権は反ロシア色の強い政権であり、ウクライナ軍に武器提供もしている。直接軍を派遣し戦争に巻き込まれたくない魂胆は見えるが、今あらゆる制裁措置を検討している最中であろう。いくつかの制裁はすでに公表されている。また、近年ロシアと連携を強めている人民解放軍がこれをただ黙って見ているはずもなく、あらゆる情報解析をした上で自らの戦略に適応してくるだろう。となれば、香港で既に行ったような同化政策を台湾でもおこなうという事態にもなりえる。中華人民共和国は台湾政府(中華民国政府)を正式な政府として認めておらず、今回のロシアのウクライナ侵攻の口実となった「自国民の保護の為による平和維持目的での軍の派遣」は十分に適応できる口実である。人民解放軍の地域戦力は近年米軍と中華民国軍を足したものと比べても決して見劣りのしないものになりつつある。実際に最も可能性が高い限られた地域内での局地戦ならば米軍及び中華民国軍が敗北するということも十分にありえることである。

新しい生活のニュースタンダードが始まろうとしているまさにこの今、新しい戦争のニュースタンダードも始まろうとしているのは誠に皮肉なことである。

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