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よんなーよんなー

 沖縄にいる会社の同期に会いに行った。
 彼は、昨年の4月から転勤で沖縄に異動となった。彼に会いに行くのは2回目。前回は、昨年の9月の連休に合わせて行った。
 今回の旅行が決まってなにをするか話し合ったとき、僕は「いつも通りのことをしたい」と伝えた。彼の異動前、僕たちはよくサウナに行ったり、飲みに行ったりしていた。沖縄に限らず、旅行に行くと、朝早く起きて海や観光地に行く予定を詰める、旅行満喫プランを組みがち。でも、今回の旅行は、普段通りのことをしたかった。東京で過ごすような普段の休日の日々を沖縄でも経験してみたかった。
 このやり取りがあり、僕の希望どおり、今回の旅行は東京でもできるようないつもどおりの予定を組んでくれた。そのなかで、ステーキや沖縄そばなど、沖縄ならではの食べ物を堪能する内容も組み込んでくれた。

1日目
 夜に沖縄に到着し、その足でゆいレールに乗り県庁前で降りる。彼と合流しサウザンステーキに。オリオンビールでステーキを流し込んだ。
 その後、牧志公設市場まで歩く。着いた頃にはぼちぼちお店も閉まり始めていたが、空いていたお店に入り、せんべろコースを頼んだ。
 続いて、国際通り屋台村へ。そこでも2杯程度のお酒を飲み、お店の閉店時間が到来し退店。
 最後に、カラオケを1時間して終了。と思われたが、彼の家の最寄りのコンビニで少量のおつまみとお酒を購入し、家にて1~2杯のお酒を飲み、今度こそ終了。就寝前、朝は卵かけごはんを食べようとの話をし、眠りについた。

2日目
 前日の疲労により11時過ぎに起床。卵かけごはんは食べることができなかった。すぐに準備を済ませて「首里そば」へ。沖縄そばとじゅーしーを頼んだ。優しい味に助けられ、若干の二日酔いの疑いがみられていたが回復した。
 その後、「龍神の湯」へ。沖縄はサウナもやさしい。ロウリュウの内容が、僕がアルバイトでロウリュウをしていたときのそれと全く一緒だった。そんなことを思い出しながら、海を見てする外気浴はしあわせだった。
 サウナを終え、彼の家に一時帰宅し、再び牧志公設市場へ。餃子が食べたいとの話になるが、気になっていたお店が営業終了していた。建物と建物の間の小道に入った先にある路面の餃子屋さんを代わりに見つけ、そこでせんべろコースを堪能した。
 前日の疲労が抜けずであったため帰宅。と思われたが、前日に引き続き、彼の家の最寄りのコンビニで少量のおつまみとお酒を購入し、家にて1~2杯のお酒を飲み、2日目も終了。就寝前、明日こそは朝に卵かけごはんを食べようとの話をし、眠りについた。

3日目
 10時頃に起床。昨日、早めに終えたことにより体調は両者ともに良好であったが、米を炊きはじめてしまうと行動が遅くなってしまうため、卵かけごはんは断念。
 3日目は南城市にある「猿人の湯」へ。サウナと水風呂を済ませて浴室内にある椅子に座り、高台から見える景色を眺めながら、昨日の「首里そば」がおいしかったことと、両親が6歳差であることをふと思い出した。脱衣所で飲んだ「玉城牛乳」がおいしすぎて、牛乳とコーヒー牛乳を2つ飲んだ。着ようと思って借りた館内着は結局着ず、申し訳なく思い返却したが、「あら~着なかった?」とフロントスタッフさんが喋りかけてくれた。
 その後、奥武山公園にて開催されていた「おきなわ花と食のフェスティバル」へ。ビールを売っていた方が、出身が同じで、しかも、隣の中学校を卒業したことを知り、思わず握手した。10年ほど前に移住したとのことだった。
 出店されているお店を一周して、奥武山公園駅周辺の沖縄料理の居酒屋へ。フーチャプルーと志那そばチャンプルーがとてもおいしかった。会計時に、そのことを店員さんに言おうとしたところ、「どこから来たの?」と言われた。「東京から来ました」と答えたあと、チャンプルーの味付けを教えてもらった。
 連日、牧志公設市場に行っていたため、この日は、安里の栄町市場に連れていってくれた。
 狭い通路に小さなお店がひしめき合っている様子は、通ったことしかないけど、新宿の思い出横丁のような雰囲気だった。親くらいの年代の方々が、10名程度で飲んでいる。座りながらカチャーシーを踊るときのように手を動かしている姿をみていいなあと思う。
 栄町市場では、外から見える位置でたこ焼きを作っているお店に目が行き、入店。たこ焼きと納豆オムレツを頼み、オリオンビールと泡盛ハイボールで頂いた。
 「まだ疲労がある」と彼が吐露したため、帰宅することに。お店を出ると、結構な雨が降っていた。止みそうもなかったため、雨に濡れながら帰宅した。この日は、コンビニに行っていない。

最終日
 10時頃に起床。卵かけごはんを食べることにした。彼の卵かけごはんに対するこだわりを聞き、そのとおり作ってみる。上に納豆を乗せて。おいしくないわけがない。2杯食べた。
 この日は、美浜アメリカンビレッジに。小学生の頃、家族で沖縄に旅行しにきたときに行ったことがあったことを思い出した。アメリカンビレッジでは、チキンオーバーライスを食べて終了。
 飛行機は19時30分。それまでどうするか、との話になったが、十分な時間があるわけでもなかったため、空港近くの川付近に車を停めてゆっくりした。
 その後、スーパーでお土産を購入したが、それでも時間を埋めることはできず、早めに空港に到着し、彼と解散した。
 飛行機の出発が1時間遅れ、空港に着いたときには自宅に帰る方法が無くなっていた。この話はまた今度。

 空港で飛行機を待つ間、この4日間とてもよかったなあと思い返した。
 旅行だからといって観光に気合いを入れず、無理せず、旅先でもいつも通りゆっくりすることも自分は好きなんだと知ることができた。この先、旅行に行くことがあれば、その旅行先でも、いつも通りのことをしてみたい。
 あと、沖縄は、人が穏やかでゆったりしている。行く先々で出会う人のやさしさに触れ、僕はとてもあたたかい気持ちになった。これも、とてもよかったと感じる理由だと思う。居酒屋の店員さんやサウナのフロントスタッフさんの物腰のやわらかさは安心感を与えてくれた。そして、その穏やかさやゆったりさ、やわらかさはそれを受けた人に連鎖するとおもう。だから、沖縄の人は素敵なんだろう。
 普段から喋るのがゆっくりと言われたり、喋っている間に遮られたりすることのある僕にとって、沖縄のゆったりさはとても心地がよい。このままでいいんだと気付かせてくれた。
 今回接した沖縄の人のように、穏やかでゆったりと生きていきたい。

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