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#71 起こりえない国の効率化



こちらは #70 2050年の未来(前編)のつづきです。

経済の変化


人工の減少と地球温暖化による平均気温2度上昇が仮に正しいとした場合、日本でこれらの変化はどのように影響するのだろうか。

例えば人口減少するということは、生産性が低下する。

働く分母が減るので、必然的に生産性は低下するように思われる。しかし、人口減少と同時に時代も変化しているのでイノベーションが起こり、マンパワーを必要としない産業が増えれば、生産性は低下するどころか向上する。

クボタの無人トラクターや流通産業のレベル4自動運転などだ。ただ無人で作業をしてくれるとはいえ、すべての工程で人が不要なわけではない。自動運転もAからBに荷物を運ぶことは可能になっても、車両に積載された荷物をB地点での仕分けやそこから個々に運ぶ作業は人が行わなくてはならない。

人口が減少すれば国のGDPが下がる。しかし、国のGDPは下がることは間違いないが、個人の一人当たりのGDPは増加傾向にある。ならば量は減ったが質は向上しているので良いと思えるが、一部の人たちだけが異常に上昇し多くの人は下がるという。つまり二極化が進み人口が減っている中、少数の超肥満と、多数の栄養失調となり、平均ではやや肥満となるそうだ。

平均気温が2℃上昇することは、人の持つ感覚的には、たいした問題ではないように思える。しかし、年間の平均気温が2℃違えば気候帯が変化し、そこに住む生き物は自然と移動または死滅してしまう。

海水温が高くなることで、今まで日本の近海に生息しなかった生き物も目撃されるようになり、今までいた魚たちは北へと移動するようになるといわれる。

大袈裟な話だが100年後の日本は北海道のぞくすべての都府県で沖縄のように年間気温が高く雪も降らなくなると予想する専門家もいるようだ。

このような気候変動により、2050年には快適に暮らせる地域は減ってしまい、必然的に人の移動は北へと促されるといわれる。カナダ北部、アラスカ、シベリア、ロシア北部、スカンジナビアなどは、気候が温暖になり、新しい交易路が開け、農作物や森林の成長が促されるという恩恵を受け「新北方(ニューノース)」と呼ばれることになるという。

2050年では「ニューノース」という言葉が定着しているかもしれない。


起こりえない仮説


日本では、平均気温が高くなり、人口が減少する。この二点は高い確率で起こりうる。それに加え、2035年を目途に「団塊の世代」の人々が後期高齢者を迎え、彼らが所有している土地が相続され、子どもが相続税を払えず、やむなく土地を売りに出すことで不動産価値が下落するといわれています。

当然、相続税を払えばよいのですが、土地を相続するための一括で払う現金(相続税)が足りなく手放すケースが増えるようです。

また、「団塊の世代」が後期高齢者になるので、国にかかる医療費が膨大になることや、総人口の3割が高齢者になり、労働力も減ることになります。

このことにより経済が低迷し悪循環に陥る可能性がある。

このように考えると、お先真っ暗なように感じますが、テクノロジーは日進月歩で進んでいるので、あまりネガティブに考える必要はないのではと、わたしは楽観的に考えます。

また、この2035年問題を契機として、日本を再設定しスリムで効率的な国に変えればよいのではと考えます。

これから話す仮説・提案は、何の根拠も可能性もない、絵空事だと思ってください。

人口が1億人を切り、8000万人程度に人口が減少すると、現在全国にある建造物や住宅の一部が必要なくなり、不要になる。この不要な建物は更地に戻さなくてはならないのですが、それ自体もお金がかかります。そのため、不法投棄のような建物が多くなり、廃墟のような建物が町の景観に影を落としてしまう。

先ほどの2035年問題の、土地の相続を境に、個人が管理できない土地が海外の資産家によって買われることを防ぐために、土地を国で管理できるように段階的に強化していき、日本の都市部を拡大し、そこを居住地区とし、インフラを整備し強化する。

都市部以外は国の管轄下になり、自然動物を保護するための保護地域と、農作物を無人管理・生産を行う農業・畜産・漁業地区にし、その他の一部の土地を民間に預け(貸し付ける)、観光地区を設ける。

これにより、医療と通信インフラ及び道路整備などの事業を効率化でき、過疎化地域に不効率なインフラ設備を設けなくてすむ。医療は居住エリアごとに設け、セーフティーネットを強化する。(過疎地域の医療難民や、流通不足を解消できる)

都市部の一部では緊急道路を設け、自動的に必要な運送または運搬を行えるようにする。都市部がテロの脅威に晒されぬように自衛隊は都市部に駐屯し、自然保護区などの人の出入りのない地域の保安上の強化もする。(人が住んでいないことで海外からの不法侵入や占拠に備える)

都市部に人口を集中させることにより、中央部から外周部にかけてキャパシティを人口の増減で調整し、常にベストな居住数を確保する。(人工数に対しての面積に基準を設けそれにならい調整する)

また、自然災害が頻発するおそれがあるため、集中的に災害強化を行い居住地区の安全を確保する。

そのことにより、削減・最適化された予算で、国の国内自給率を高め、農業・畜産・漁業地区の生産性の効率化を生み出し、その恩恵を国民に還元することで、必要最小限の人口のみが仕事を行い、国民を食べさせる。(技術の進歩により人口当たりの労働力が低下することに備え失業率に関係なく国民が貧困にならないよう仕組みを変える)

貨幣経済が終焉を迎え、共産主義的思想の土台の上に民主主義が鎮座し、新自由主義の新たなカテゴリーが生まれる。

世界は生きることは容易くできるが、より多くを求める人々は、新たな価値観で世界の片隅で小国を築き享受する。その小国も、主を失えば自然に還元されもとに戻る。

時代はいずれ次のサイクルへと変化しなくてはならない。

そこにはこれまであった経済成長を前提とした社会構造ではなく、スリムな経済サイクルである、循環型低生産・小消費モデルの社会構造が望まれるようになっているのではないでしょうか。

人類は幾度となくパラダイムシフトを行い爆発的に成長を進めてきた。しかし、今日では半ば飽和状態になり、地球の負担は膨大になり臨界点に近づいています。

世界の国のエコロジカルフットプリントをみればわかるが、このまま消費を続けるだけの生産を行うことは不可能で、どこかのタイミングで世界は低生産・小消費モデルで移行しなくてはならないと考えます。

そこにはわたしたちの体感したことのない未来があるのでしょう。

おそらく物理的な面では社会活動エリアは減少していき、非物質的な面では拡大していき、その穴を埋めるのではないでしょうか。

現在、社会で目にするようになった仮想空間は、人に物理的に何かを与えてくれるものは少ないですが、意識的・感覚的には多くの欲求を満たし人々を満足させていると思います。

このような脳を刺激する方法で人の欲求の一部は解決し、物理的な社会活動面積を減らし、不要な面積を地球にお返しすることで、地球全体の人間社会とのバランスをアジャストし地球規模で抱えている問題の解決に充てるのではないでしょうか。

わたしは理想主義者なので、現実に起こりえない社会の話しているとわかっています。しかし、同時に世界のどこかの先導者が地球の行く末を案じ、世界の要人や有識者を先導し、地球規模で国の利害を無視した取り組みを行い新たな地球のモデルを構築してくれると願っています。

その兆しがSDGsやエコロジカルフットプリントのような形となって、社会に散見されるようになったのなら嬉しいのですが・・・。

より良い未来を祈っています。

おわり



参考文献「2052 今後40年のグローバル予測 ヨルゲン・ランダース著」

参考文献「2030年の世界の地図帳 落合陽一著」

参考文献「ファクトフルネス ハンス・ロスリング著」

参考文献「本質を見抜く力 環境・食料・エネルギー 養老孟司・竹村公太郎 著」

最後まで読んでいただきありがとうございます。

サタケシュンスケさん画像を使用させて頂きました。

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no.71 2021.6.18





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