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みさき公園の思い出 - 結晶化の結果として

自分の記事を度々ご覧になられた方は、年末年始に自分勝手に大阪府岬町のイルミネーションイベントの宣伝を行っていたのを覚えておいででしょうか。こういう振る舞いの元になっいるのは、今から4年前の丁度今頃にひっそりと閉園していった昔ながらの遊園地のせいであったりします。
みさき公園の詳細についてはwikiに詳しく書かれているのでそちらをどうぞ。と言うのはさすがに不愛想だと思うので、個人的思い出を中心に以下長々と語っていきたいと思います。


全部入りの昭和の遊園地

どんな人でも子供のころ体験はその後の人生での基準になるものだと思うのですが、自分の場合も同様で、大人になってこの遊園地はなぜ動物がいないんだとか、天王寺動物園にはなぜ観覧車がないんだろうとか、海遊館はサルもカンガルーもいないのがつまらんなどと思っていたものでした。

全国的に考えると、一つの敷地内に動物園と水族館と遊園地があるテーマパークと言うのはあまりないものらしいですね。自分はもう覚えていないくらい子供のころから「遊園地に行けばゾウにもトラにもお猿さんにもカンガルーにもイルカにもペンギンにも会えて、観覧車やジェットコースターにも乗れてカレーを食べてからインベーダーゲームで遊べる」ところだと刷り込まれていたので他の遊園地・・・同じ大阪のひらパーにしても、社会人になって東京に出てきて、上野動物園に行ってみても何か足りないと思っていたのですね。

今から思えばそんな全部入りの遊園地・・・なんとお化け屋敷までありました。怖くて入れなかったですけど(笑)・・・がとても身近にあったという事を感謝すべきでした。

何が言いたいかと言うと、USJどころか東京ディズニーランドもなかった自分の昭和のガキには面積的には大したことはなくても、動物園と水族館と遊園地に一度に行けて、フードコートで普段食べられないホットケーキ(パンケーキなどと言うお洒落な言葉は昭和50年代にはなかった!)を食べられた上、ゲームコーナーでインベーダーゲーム(記憶が定かなら多分、本家タイトー製ではないパチものっぽいタイプw)が遊べるみさき公園は「とても一日じゃ遊びきれない」と思わせるに十分なものだったという事です。

いつまでも子供ではいられなかった

2001年。大阪ではUSJが開業し、お客さんを奪われた大阪市内や周辺の遊園地は軒並み閉園の憂き目にあいましたが、みさき公園は大阪の中心地からは微妙に離れていてUSJと直接的には競合しなかったことが幸いしたか、うまく生き残りに成功したように見えました。

社会人になると同時に大阪を離れてしまった身としては、みさき公園は懐かしい思い出となりつつもUSJみたいな派手さはなくても存続し続け、いつの日か大阪に帰ることがあれば、自分の子供たちを連れていけることもあるかもしれない。いや、今どきのチビッ子はUSJの方がいいだろうけど。と思っていたりしたのです。結果的には自分に子供なんてもうける機会はついに訪れなかった訳ですが。

それでもみさき公園自身がなくなるという事は、まあないだろうと思っていたのですが、2018年の台風で公園内のプール(「プールランドRio」これも独立したレジャープール施設になってもいいくらいの大規模施設だった)が台風の影響で破損し、修理できずに翌年2019年にはプールなしで夏の営業を迎えてしまったというあたりから部外者の自分にも目に見える形で状況は思わしくない。という事が見て取れるようになりました。

結局、年明けの2020年早々に3月一杯までの営業で修了することが発表されたのですが、ちょうどこのころ大阪ではコロナ過が一番激しかったころ。「密を避ける」という事で最後の一ヶ月となる3月はほとんど営業できなかったようで、自分もせめて最後くらい見届けようと思っていたのに行けずじまいとなり、自分の中では全くもって不完全燃焼のまま閉園してしまったのでした。

そして記憶を結晶に

以後、みさき公園跡地は動物も遊具もなくなり、自然公園「岬町立みさき公園」として無料開放されています。一応今年中に新たに自然をテーマにした新たなテーマパークの「新みさき公園」として再オープンする。と言われていますが・・・

遊園地時代の面影はほとんど失われてしまっていますが、ここで記事にした通り年末年始などのイベントで活用されるなど、今でも岬町のシンボル的な場所であるようで、自分も度々骨休みに訪れるようになっています。と言っても本当に何もなくなってしまったので、単に散歩するだけの場所になっているのですが・・・

それでもよくよく目を凝らせば、昔の痕跡が残っている所があったりするので、そういったところを探し当てては写真に収めつつ、閉園前の写真と見比べたりしています。

そして、この前の「写真は光の結晶で、物質化して結実させるべきもの」という考え方に則って、閉園前の写真を中心に何枚かを組み合わせたコラージュプリントというものを作ってみたりして、記憶の結晶を飾ってみたりしています。


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