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【小説】フラッシュバックデイズ 12話

この小説は決して違法薬物を推奨するものではありません。
架空の話であり、小説、エンターテイメントとしてお楽しみください。

12話 アムステルダム旅行 中編

一服をして、ビュッフェ形式のホテルの朝食を済ますと3人は再び街へと出た。昨晩購入したマリファナが少なくなっていたので、トラムから一番近くのコーヒーショップを目指した。日中の為か、客も少なく、こじんまりとしたお店だったのも手伝い、入店時に昨晩のような緊張感はなかった。
今日は観光もする予定だったので、ストーンするわけには行かないのでサティバ系のジョイントを数本とコーヒーを購入した。
こじんまりとしたお店だったため、質が悪いのかと心配していたが、その心配は無用だった。
改めて、なんの後ろめたさもなく、合法的に購入できるアムステルダムの環境のありがたさを感じていた。

俺達3人はシラフでも十分楽しめるであろう、風車、ゴッホ美術館、市場、、、定番の観光をハイになりながら楽しんだ。映画のような景観が目の前に広がり、何度もここに住めたら最高だろうなと感じた。

コーヒーショップが集中するダム広場に戻り、全員一致でここだけは行っておきたいお目当てのコーヒーショップを目指した。
そのコーヒーショップはカンナビスカップと言うマリファナの品評会でも幾度も優勝する名門店で、多数あるコーヒーショップの中でも、唯一食事が出来、その食事も絶品だとか。
否が応にも期待が膨らむ。
「ここだ。」
特徴的な太陽のアイコンマークが目印だ。
数軒隣にも同じマークの店があったが、
マリファナを購入できる店と食事の店は別店舗と事前情報で知っていた。
昨晩の緊張はどこへやら、躊躇なくドアを開けると、店のロゴTシャツを着た笑顔のスタッフが近づくと、白い煙が充満した50cm程度のビニール袋を俺の口に近づけ、ビニール袋を押し込むと白い煙が俺の口の中に入ってきた。
瞬時に理解した俺は肺に押し込んだ。ゆっくりと息を吐きだし
「サンキュー!」と笑顔で返すと、笑顔で返してくれた。
「良かったな~」「手厚い歓迎やな」
姉さん二人もウェルカムな雰囲気に驚いていた。
店内は賑やかだった。
カウンターで姉さん二人が日本から来たと伝えると、スタッフは「これがおススメだよ」と言わんばかりに、タッパーからオリジナル品種の巨大なバッズを取り出し、得意げに見せてくれた。
もちろん3人ともおススメのオリジナル品種を購入したのだが、俺は想像以上の店の雰囲が気に入り、Tシャツも購入した。
食事は事前情報通り、一度店を出て、数軒隣の姉妹店でとのだった。

店は先程の店とは一転明るく、白で統一された小さなレストランで、本当にマリファナが吸えるのかといった雰囲気だった。
店内では、マンチにぴったりな美味そうなハンバーガーがテーブルに置かれ、料理を待ったり、会話を楽しんでいた。手元にはほぐされたマリファナやジョイントが置かれていた。
空いている席に座るとテーブル中央にはさりげなく巻紙が置かれていた。
俺はパイプですぐにでも吸いたかったが、どうやらそんな雰囲気ではない。
皆当たり前のように慣れた手付きで綺麗なジョイントを作っている。
日本ではモンキーパイプでチビチビ吸うのが日常で、正直ジョイントは作りは慣れていない。
できるだけ綺麗な一本を作りたかったが、結局素人感満載の不格好なジョイントが出来上がってしまった。
「すみません」
姉二人に謝りながら、練習しておけばと良かったと激しく後悔した。
しかし、この一本はタバコの葉と混ぜ合わせたケチ臭いジョイントではない。何度もカンナビスカップで入賞しているオリジナル品種マリファナ100%のジョイントだ。
名門店のオリジナル品種は不思議とむせなかった。
思ったよりもライトな効きだったが、心地良い効きだった。
身体は重くならず、会話が弾む。
店内BGMのサックスやドラムがやけにカッコよく感じた。
改めて周りを見回すと、中年の夫婦やカップルやお世辞にもお洒落とは言えないグループなど、一見普通のレストランな雰囲気だ。何も知らない観光客でも普通に入ってきてしまいそうだ。
ただ、皆マリファナを吸っている。それが日常なんだ。
テーブルに運ばれたハンバーガーは期待通りの美味だった。
できることなら、毎朝ここでマリファナを吸いながら、朝食を楽しみたい。
最高の店だった。

つづく

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