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同種移植について(私の現在)

前回のNoteでは同種移植の概略がほとんどであったので、今回は私の経過と見通しについて書いていこうと思う。

同種移植を控えている人や、その家族の方の参考になれば嬉しいと思う。

▼ 私の状態

現在抗がん剤治療中(薬自体は休薬)であるが、96時間抗がん剤(カルボプラチン 24時間/4日間)という初めての経験となった。

以前には肺炎や消化管の多大なダメージの過去があるので、体調管理にはかなり気を付けている。

細かな副作用(倦怠感、口内炎、血小板減少、味覚障害等)はいつもの抗がん剤治療並には起きているが、大きな副作用や感染症は現在のところない。

抗がん剤の効果としては、過去のNoteにも状態は掲載をしているが、肌の腫瘍が減少している印象は持っている。

現時点では「今回の抗がん剤は一定の効果はあるのではないか」という評価ではあるが、そもそも何をもって『効果』とする指標がないような印象を受けている。

ただ、同種移植はあくまで『他人の免疫でがん細胞を攻撃』という目的があるので、移植前のがん細胞が少なければ少ないほどいいという事実はある。

一方で、前回のNoteにも書いたのだが、なんとなく元に戻ってそうな部位もある。

気にし始めるとやっぱりまだ発狂しそうなくらい不安になるので、この辺はとにかく気にしない様にしている…。

【血球の状態】

今回の抗がん剤は、1クール(入院から一時退院まで)が28~30日程度での退院になるのではないかと想定をされている。

過去は1クールは平均して大体20日前後だったので、少々長く感じる。

直近の判明している採血結果を羅列すると

白血球 390(2/20)→ 460(2/22)→ 510(2/24)→  980(2/27)
好中球 130(2/20)→ 60(2/22)→ 40(2/24)→ 130(2/27)

というカタチである。

何をもって血球の回復と判断されるのか(そしてその基準はいくらか)については病院や個人によるものと思われる。

私は好中球が1,000を超えれば無菌室から出れる目安と聞いている。

ちなみに白血球の値の正常値は3,000~8,000程度と言われており、現在の私の様な900台の血球では感染症リスクが恐ろしいほど高い。

そのため、無菌室で制限された生活を余儀なくされている。

白血球の低い状態は様々なリスクが大きいので、白血球を増やすためには様々な方法が用いられる。

有名なのはジーラスタという白血球を増やすための注射なのだが、私はそれを使えない。

正確に言うと、過去に使っていたのだがそれが原因と思われる副作用、さらには肺炎を引き起こしている。

そのため白血球の回復が遅く、長い無菌室生活が続くのである。

▼ 親族の結果

前回のNoteにも書いたが、移植には以下の方法がある。

① 親族間の完全一致移植
② 骨髄バンクでの完全一致移植
③ 骨髄バンクでの好条件移植(一致率が半分以上)
④ 親族間の半合致移植
⑤ 臍帯血移植

情報はイロイロ集めたが、移植の理想は

① >> ② > ③ > ④ ≒ ⑤ 

と、私は今の時点で理解している。

持病や投薬の有無など様々な事情があり、骨髄検査の該当者は弟のみであった。

そして結果は『半合致』という結果であった。

・ 完全一致 1/4 → 移植できる(リスク低)
・ 半合致  1/2 → 移植できる(リスク高)
・ 不一致  1/4 → 移植できない

この時点で、私からは①の選択肢は無くなった

一方で④の選択肢は残った

この結果をどう捉えるかは人によるだろう。

最良の選択肢が無くなったと捉えるのか、最悪の選択肢ではなかったと捉えるのかはその人次第かと思う。

私の心境については…あえて伏せさせて頂く。

▼ 骨髄バンクの動き

親族の『半合致』という結果を受けて、次の頼みの綱は骨髄バンクになる。

ドナー選定には平均して3ヶ月程度要するので、約3ヶ月後にはどの移植になっているのか方向性が決まっている。

残された移植の方法

② 骨髄バンクでの完全一致移植
③ 骨髄バンクでの好条件移植(一致率が半分以上)
④ 親族間の半合致移植
⑤ 臍帯血移植

これについてはもうどうしようもない。善意の第三者が私の運命を決めるので、自分にはコントロールが出来ないのだ。

それは実際の移植日も含めてであり、先の見えない闘いは続いていく。

▼ 私の治療計画

骨髄バンクの結果の確定まで、約3ヶ月ある。

その期間は現在と同様の治療が私の現在地で行われる。今回にプラスして2~3クール行われる予定と聞いている。

この辺りは、ドナー選定のタイミングによって前後するのであろう。

一方で、移植自体は大学病院のある地域で実施される。単身での入院(家族や親族が近くにいない)となる期間は、実際のところ不明である。

Twitter等で情報集めると、副作用によって100日を超える入院をしている人も多くみられるのが印象的である。

地元での入院期間としては、今回の入院を約30日として全期間(追加2~3クール)を合算すると90~120日程度となる。

ただ、この数字は感染症等や重篤な副作用のない順調な想定に基づいているということには注意が必要と言える。

…私は過去に順調に予定日に退院したことが一度もない。

すべて後ろ倒しになっており、副作用や感染症の恐さは身をもって知っている…。

【今後注意すべき点】

最も大切なことは、骨髄バンクの結果(約3か月後)を受けて、移植となった際に『移植できる状態』であることになる。

・ 現在のがん細胞がある程度抑制されている
・ 移植に向けて感染症等になっていない
・ 移植に耐えられる体力を保つ

当たり前ではあるが、これらをすべて乗り越えて初めて移植のスタートラインに立てる。

当面は抗がん剤治療中に重篤な感染症や副作用に見舞われないこと、これが私に課せられた重要な使命となる。

▼ さいごに

あくまで個人の私見と一例としてではあるが、同種移植の概略と私の状況、さらには今後についてまとめさせてもらった。

実際の移植が叶ったとしても副作用との闘いはもちろんのこと、生着や社会復帰への不安など物事を考えれば尽きることはない。

そんな時に『他人の苦労や不幸』を見聞きして「自分はまだマシだよな…」なんて思うのは、我ながら本当に最低…だとも思う。

ただ、そうでもしていないとどうしようもないほどの不安も急に襲ってくるのもまぎれもない事実である…。

自分は弱い。本当に弱い。

最後に願いとして記載する。

骨髄バンクは善意として誰かを助けることに繋がるのだが、それはもう私には叶わない。

わたしはもう、「誰か」を救えない。

救われる側の人間の戯言ではあるが、過去の自分の考え(骨髄バンクに登録なんて考えたこともなかった)には言い難い感情を持っている。

もし私の想いが届いて、その結果誰かが救われるのであれば…。

わたしのしたことに、意味があることを願う。


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