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~移植と昏睡⑤~

前回の続きになります。


▼ 現在の体調

リハビリや投薬のおかげで、現在はある程度人並みの生活が送れていると感じています。

もちろんベッドで寝ている時間はとてつもなく長いですが、それ以外は比較的問題ないと言ってもいいんではないでしょうか。

副作用として腹痛や吐き気などといった細やかな症状が起きることは時々ありますが、病院の中にいるのである程度即時に薬で対処できるというのが「退院していない」僅かながら有益なポイントかと思われます。

▼ 食事

一番困っているのは食事です。病院食はほぼ食べられません。

ただ、点滴におけるカロリー摂取もほぼ無くなっているので、ある程度口からカロリーを摂取しなければいけないという板挟みの状況であります。

必死にコンビニ等で食べれるものを探しつつ、さらにはある程度栄養のあるものと裏の表示を見つつ…というのが続いています。

味覚と嗅覚がかなりやられているので、元々食べられたものが食べられないという状況は人間にとってかなり苦痛であるということを今回の治療で思い知っています。

退院後に食べたいものを羅列したりもしていますが、実際どれだけ食べられるのかとてつもなく不安です。

・ 納豆
・ 生卵
・ 生魚
・ 生クリーム

これらは以前に好んで食べていたものですが、しばらくは免疫抑制剤の影響で食べられないという未来が待っているので、そこもあまりモチベーションが上がらない要因の一つかもしれません。

▼ リハビリ

ひたすらリハビリを繰り返し、足の痺れががあるにしても多少は歩けるようになってきています。

手の方の感覚はだいぶ戻ってきていて、7月末頃はほぼ汚くて自分で書いたとは思えない文字を書いていましたが、今は6割程度に回復してある程度読める字が書ける様になってきているのかなと思います。

スマホやパソコンも連続して使えるようになっているので上半身に関してはそれなりに回復をしている、そして下半身もある程度は回復していると捉えています。

先日杖を購入したので、退院をした後はしばらく杖生活になると思いますが 転ばぬ先の…ということで安心・安全に投資したという形です。

▼ 体重など

悪性リンパ腫に罹患する前は私の体重は73キロほどありました。それなりに 体も鍛えていたというのがあるので、この体重も特に問題はなかったのですが現在の体重は50kg前後です。

…まあ「ひょろひょろでガリガリ」という表現が正しいのではないかと思います。

特に昏睡状態になって一気に体が衰えたというのは実感しています。

足の筋肉が少なくなったのは顕著で、お尻やふくらはぎ、太ももといった 体を立った時に支える筋肉がまだまだありません。

少しずつ回復に向けて努力はしていますが、激しい運動ができないので回復の速度はかなり緩やかです。

ただ、歩くという行為が出来る様になれば少しずつ回復するとのことなので 、これからは階段を上るといったところを続けて1日も早く人並みに歩ける様になりたいなと思っているところです。

ICUから出てきた時には全く出なかった声もある程度出るようになってきました。しばらく話すとだんだん枯れてくるところはありますが、数分程度 人と会話をするにあたっては特に問題ないかなと思います。

…絶望の中で自分の状態を受け入れることは大変厳しいものでしたが、リハビリを続けて途上ながら元の状態に近づいている実感を持つことが出来ています。

ただ元の状態を100だとすると、20~30程の回復でしかないこの実感はしばらく続くものと思われます。

しっかり食べて体重を増やしたいところですが、なかなかうまくいかないものです。

▼ さいごに

私は運良く生き残りました。
いや、いつ死ぬか分かりません。

『好きなことをやって残りの人生を謳歌したい』という気持ちも少なからずありますが、生かされた命を私の矜持である『他人のために生きる』として使いたいという気持ちも事実としてあります。

私はただ運が良かっただけです。
そして限りなく稀なケースです。

私が1日でも長く生きることは、おそらく私と同じ様な病気にかかった方が私の治療結果を見て希望を持つことにも繋がるのではないかなと勝手ながら考えるようになりました。

ですので、1日でも長く生きて「誰かの希望になれたらいいな」なんて思ったりもしています。

生きることは楽しいことですが、同時に辛いことも孕んでいます。

私のNoteを読んで頂いて、僅かでも皆様の心に響くことがあれば幸いです。

個人ブログも更新しましたので、よろしければ。
今回は『組織・ビジネス』のカテゴリーです。

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