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1日3分で会計が少しわかるまとめ 12

これまで取り上げてきた勘定項目は備品や借入金といった簡明なものであったが、企業が遭遇する事象の中にはこのような簡明な勘定項目によっては処理しきれず、そもそも財務諸表に記載すべきであるか否かさえも明確でない場合も少なくない。今回はこのような境界問題についてとりあげる。


(1)無形資産

知的財産、社会的名声、優秀な労働力などは企業の性向に貢献するものであるが、取得原価を重んじる会計慣行や不確実な数字の計上を嫌う会計の保守主義の下では、明確な取得費用を示し得ない限り、貸借対照表に記載されない。

逆に、企業が第三者から購入した無形資産の場合は、取得費用を示し得るから、貸借対照表に計上され、その後の減価償却期間において漸次費用化されていく。

(2)偶発債務

保証債務を引き受けた場合、品質保証を行った場合、訴訟の被告とされた場合などは、現時点では債務が確定していないが、将来債務が発生する可能性は否定できない。

将来の特定の費用又は損失であって発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積もることができる場合には引当金が計上される。また、これができなくとも重要な事項である場合は貸借対照表への注記が求められる。

(3)特別損失

自然災害、棚卸資産の予期せぬ品質の悪化、企業買収などのような日常的でない事象に関連して発生した費用である。会計上、このような費用を損益計算書上の他の費用と区別して特別損益項目として記載するのが通例である。


今日はここまで

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