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展覧会 曾我蕭白 へ足運ぶ

もっぱら引きこもり生活が続いているので、インスタの広告で見かけた目つき悪いねこ(じゃなくて獅子)が印象的で会いに行った。

曾我蕭白(そが しょうはく)について

(説明パネルを抜粋してなぐり書きでメモしたので情報が薄い…)
・1730年京の商家に生まれた。
・桃山時代に活躍した曽我派 高田敬輔(たかだ けいほ)が師とされている。
・仙人、隠君子、獅子、鷹などを描く
・29歳伊勢の津での作品から画業がスタートした、と推定される
・とても変わり者のおじ(い)ちゃんだった(笑

○蕭白展覧会の全体の感想

・(後期の作品は作風が変化しているが)全体を通して、写実とデフォルメがちょうどよい塩梅で融合された作品群だなと感じた。
たとえば、人物では顔の表情、動物なら顔周りの細い毛や羽毛は繊細に、衣服や体の輪郭は太い筆で大胆にというふうに、迫力の濃淡が巧みに使い分けられていた。(要するに本当にかっこよかった!)


・展覧会タイトルに「奇想」とあるように、襖や屏風に描かれている生きものたちは何かを企む魔女のような不気味な表情をして、お化け屋敷にでも来たのかと錯覚してしまうほどだが、
山水画では細かく丁寧に細部まで描き込まれ、空には小さく燕やコウモリが飛んでいたりと静かな中にも物語がありそうな、そんな雰囲気があった。


・旧永島家の襖絵を展示されている空間では、遠く離れて全体が見渡せるように贅沢に鑑賞できるスペースがあり、ゆったりじっくりと鑑賞することができた。

・襖や屏風は本当に大きなキャンバスだったんだなぁ…としみじみ
そのキャンバスに繊細かつ大胆に描いた蕭白を想い、ぞわりとした。


・日本語…というか表現の勉強になった。スペースごとのパネルやキャプションでは「醜怪(醜く奇怪)」「卑近な表情(身近でありふれている)」「謹直(つつしみ深くて正直なこと/謹厳実直)」など、聞き慣れないが蕭白の作品を的確に表している表現が溢れていた。


○特に気に入った作品

重要文化財《竹林七賢図(旧永島家襖絵)》八面
明和元(1764)年頃

屋内に五人の竹林七賢がたのしく会話をしたり、外にいる二人の仲間を奇妙な面持ちで眺めていたり、とにかく表情に引きこまれる!

五人もなごやかに会話…というよりは、なにかの謀をしているような不穏さがあり、不気味感満載。だいすき、


《李白酔臥図屏風》六曲一双
1758-61年

「詩仙」といわれた李白。お酒好きでも有名だが、漢詩の教科書に出てきたきりりとした厳格そうなお顔は見当たらず、ただただ目をつむり頭を抱えて眠っている姿は、かわいらしいおじいちゃん…笑

のんびりと寝込んでいるようにも見えるし、頭を抱えていることから、少しだけ苦悩しているようにも見えた。


《鷹図押絵貼屏風》六曲一双
1758-61年

蕭白は鷹を描くことを得意としていたとか。たしかに、いたるところに鷹が登場していた。
飛び立つ鷹、鋭い目でどこかを見つめる鷹、一曲に一鷹が思い思いの姿で描かれており、まるでアイドルのソロポスターみたいだ…!😃と楽しくなった…!


重要文化財《唐獅子図》双幅
1764年

今回の展覧会のメインビジュアルにもなっている【これより先は立ち入るな!】とでも言いたげな妖怪のような獅子。
三重の朝田寺(ちょうでんじ)本堂の左右の壁に貼られていた…そう。

大きさの迫力はもちろん、大胆に太い筆が獅子の輪郭を踊るように型取り、鋭い爪が地面をがっちり捉えている。

太い筆の一本一本の軌跡を目で追うと、ぞわぞわと肌が泡立った。


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