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パンのこぼれ話(バゲット・Baguette)

 私は、ハード系のパン屋さんで整然と並べられたバゲットを見ると「美味しそう!」と思う前に「芸術的美しさ」を感じてしまいます。

 さて、このバゲットは、どのように造られているのでしょうか?

 バゲットは、リーンな配合(小麦粉+塩+酵母+水)で、ゆっくりと長時間発酵させ、焼き上げた「シンプルでなおかつ繊細なパン」です。

 まず、バゲットで使う小麦粉は、日本でいう中力粉あたりになります。製粉会社も独自ブレンドでフランスパン専用粉を開発していますが各社色々です。

 酵母も一般的なドライイーストから自然酵母を使用したり、塩もこだわったもの使ったり、水に関しても水質の違う(硬度の違う)ものを使っています。

 ですから、各パン屋さん、それぞれ独自路線のパンを作っておられると思います。

 でもバゲットを製造する手順は基本的に同じかと思います(異なった作り方があるかも知れませんが・・・)。

 フランスパンの生地作りは、食パンや菓子パンのようにしっかりとミキシングはしません。ゆっくりと低速でミキシングします(短時間で)。

 そして発酵はやや低めの温度で湿度は、ややしっとりとした状態で長時間一次発酵させます。

分割の際、分割するかたちは、ほぼ長方形にし、丸目は、生地を包むような感じでダメージを与えないようにします。

 ベンチタイムを終えた生地は、食パン生地のようにしっかりとガス抜きをしないで優しく気泡をつぶさないように慎重に成型を行います。

最終発酵は、フランスパン専用の発酵箱(ねかし箱)でじっくり発酵させます。

 次に最適に発酵を終えた生地をキャンバスの上に静かに置きます。

 生地が乾燥し過ぎない ややしっとり目の状態で、すかさずクープナイフで使い切り込みを入れます。(切り込みの際は、クープナイフを一定の角度で薄い皮を剥がすような感じで一気に入れるように注意します。)

次にやや高温に設定したオーブン内に水蒸気を充填します。

そして一気に生地をオーブンに入れます。

再度、水蒸気を放出します。(出し過ぎるときれいな割れができない)

じっくりと焼き込めたられたか焼き色を確認し、ピール(大きなしゃもじのようなもの)でオーブンから取り出します。

 ここでの楽しみは、焼き上がったバゲットの出来具合(焼き色、形、香り、ピチピチと発する音)が思った通りになった時です。

 毎日が勉強だったかと思います。

そんなことを思いながら、フランスパンを焼いていました。

ちょっと思うと、ちょっと懐かしい!!















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