「ストーリー・セラー(有川浩)」タイトルから考察する有川浩の皮肉/「ノーゲーム・ノーライフ」兄妹出さなきゃ死ぬ呪いでもあんのかラノベは
ストーリー・セラー読みました。
有川浩は、「図書館戦争」「海の底」「フリーター、家を買う」などなど素晴らしい作品が多く正直ファンです!
しかしこのストーリー・セラーに関してはう~ん…というのが正直な感想。
本作は、有川浩お得意のラブコメ。中編が2編です。
どちらもサラリーマン夫(彼氏)×小説家嫁(彼女)のラブコメです。
1作目は小説家嫁が死亡。
2作目はサラリーマン夫が死亡。
1作目は思考すればするほど寿命が削られる病気になってしまう小説家妻の話です。リアルにあり得ない病気なので小説ぽい設定ですね。
小説家をあきらめて趣味で書いていたのをのちの旦那が会社で偶然読んで→恋に落ち結婚→旦那の推薦で小説家に→しかし死んでしまう…。という流れ。
そして1作目の小説の作者が2作目の小説家嫁。という設定です。
2作目は小説家の妻を支えていた旦那の方がガンになって死んでしまうという結構リアルにもありそうな話。
そしてその事実を小説にし、出版したのが本作「ストーリー・セラー」である。という構成になっていました。
ダレン・シャンを思い出させてくれる。ああ、手に取っているこの本はノンフィクション何だと思わせるきれいな落ち。
でもこの落ちも、カズオイシグロの「信用ならない語り手」も、正直一番初めに考えた人がすごくて、それを超えるには、一番初めに打ち出した作品を超えるしかないよね~と思ってしまうのよ。
そして、有川浩にしてはめずらしく、恋人が死ぬという安直なラブコメが私はあんまり好きではない。
私は小説のラブストーリーはあまり好きではないんです。
大体どちらかが死ぬから。
少女漫画はただただきゅんじに~だから好きなんですけどね。
有川浩は、むしろ少女漫画よりのラブコメを書く印象があったので、意外でした。
しかしこの本、帯に、「結構売れている」的な宣伝が入っていて、有川浩らしくないなという印象をもったのですがむしろ、私はこれは皮肉か?とも思ったんですよ。
ストーリー・セラー=物語を売る人
じゃないですか。
単純にこれは主人公である小説家嫁をさしたタイトルと取れます。
しかしよく考えてみると。
小説って趣味でも書けますよね。
けどそれを売れる媒体(エンタメ)にするためには、自分の嗜好とはちがっても、書かなければならない展開=読者・万人受けするように脚色する必要がある。
そして、私が嫌いな片方が死んでしまう安直なラブコメ小説というのは世の中ではヒット作が多数存在します。
ドラマ化しているような作品にも多いですよね。事故で死んだり、難病にかかったり。
そんなので安直に泣かせてくんな。と思って私は嫌いなんですけど。
でね、有川浩はあんまりそういうの書かないんですよ。「レインツリーの国」なんか、難聴者の話ですが、別に死にはしませんし、ハッピーエンドです。
障がい者の話を書くことはあれど、必ず、ハッピーエンドにするのが有川浩の十八番で、私の好きなところだったはず。
しかしですよ、「ストーリー・セラー」は万人受けのラブストーリー。かなり軽めの描写ではありますが、ちゃんと死にます。
つまり小説家を、趣味ではなく、商売(ストーリー・セラー=物語を売る人)にするためには、万人受けする王道ものも書かなきゃいけないんだぜ、っていう最大限の皮肉なんじゃないか?とか考えてしまいました。
かんがえすぎかなぁ~?
続いては、アニメを見ました!
「ノーゲーム・ノーライフ」
まぁ~普通に面白かったけど、かなりご都合主義。作者は多分頭悪い。
ストーリーを解説
普通に全部見れるくらいには面白い。
けど、続きのアニメが待ち遠しい!!(続きが出そうな終わり方でした)
ってほどではない。見なくていいかな~って感じ。
ひとつ言わせて。
最近見たラノベアニメ「魔法科高校の劣等生」もそうなんだけどさぁ、ラノベ作者は妹を愛す兄主人公の設定でないと死ぬ呪いでも掛けられてんの?
マジで冷めるからやめてほしいんだがこの設定。
まったくつまらんですわ。
妹萌え理解できん。
「バッカーノ!」とか「はたらく魔王さま!」みたいなまともなラノベもっと増えないもんかね~。
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