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薬屋のひとりごと 小説解説 5巻

今もう6巻読み終わったんだけどやっぱり4巻くらいからグッと面白くなっていくね。作者の力量もめきめき上がっているのがわかる!それくらい面白い薬屋のひとりごと、感想行きますよ~。

ちなみに近況はと言えば、風邪+花粉症で鼻づまりがひどく、死にかけています。

序章

この序章、この解説を書くために読み返したのですが、読み返したのに誰かわからなかった(笑)
さすがに「猿」とか「小姓みたいな」で阿多妃とはわかりません。語り手が高貴なくらいであることが会話で示されるので、壬氏もしくは現帝などの皇族なのだな、それと同等に離せる相手、そして最後の「今晩の相手」これでやっとわかりますが、5巻読んでなかったら100パーセント分かりません!名前で呼んでくれよぉ。。。たのむぅ。。。

一話~

今回猫猫は壬氏が弟帝に改まったため、花街の薬屋に戻っています。羅門はそのまま出産した玉葉妃、梨花妃のため後宮に残っている状態からスタート。
正直6巻まで花街にいる状態が続きますが、まあやはり宮廷にいるときの話の方が面白いですね。ただ今回の5巻は壬氏に連れられ旅をする(TO西都)のがほとんどなので、そこまで気になりませんが、6巻はほぼ花街にいるため、少し展開に今まで程の波がなく、退屈(それでもめっちゃおもしろいですが)な感じがしました。

5~6巻はつながっている流れなので、5巻だけの相関図はわかりにくいですがこんな感じ。

5巻相関図

今回のメインは里樹妃の実家である、卯の一族がメインどころでしょうか。
それに付随して現帝と阿多妃の関係が深堀され、壬氏が阿多妃の子供だとやっと作中で明言されます。

大きな流れとしては

①子の一族の生き残り趙迂、左膳から始める蝗害の図録の話。→蝗害は今後の薬屋の物語の大きな流れとなる
②正室となった玉葉妃の父・玉袁に名を与えるため、西都に行く壬氏と嫁候補たち(里樹妃、猫猫、翠苓)→玉の一族はさらに後の巻で深堀りされる
③嫁候補の一人、里樹妃(卯の一族)に関する深堀りに付随する現帝と阿多妃の関係(友人、息子)→6巻で里樹妃(卯)の深堀はひと段落する。
③白娘々という暗躍するアルビノの少女は各地にいる占い師、盗賊(阿片関連)、連絡手段(鳥)などとつながっていく→6巻以降、戌の一族、白娘々(巫女関係)、愛凛関係は続いていくはず。戌の一族、連絡手段などは蝗害と深く関係していく。

5巻

5巻だけでは何も終わらないのでもやっとしますが、こんなかんじですかね。

やぶ医者の実家を出したのは蝗害対策(税上げ)の影響を描写したかったのでしょう。壬氏のシゴデキっぷりを一応描かないとね。

もう7巻読んでるから話が自分でも前後してきた。
白娘々あたりからごちゃって来るんだよね~。
陸遜が活躍するのはもっと後ですが、登場はこんなにはやいのかという5巻。このあたりから羅半はかなり主要キャラに。

書き忘れていましたが壬氏が身バレしたので、なぜ彼が宦官なんかやっていたのかの理由を相関図に記載しておきました!理由は主に4巻で語られています。

壬氏は猫猫を嫁にしたいですが、立場上迷い始めます。一難去ってまた一難ですね。折角自分の立場に自信が持てたのに、その立場が、猫猫と一緒になるためには、邪魔になる矛盾。
別に羅の一族なので猫猫を嫁にはできるようですが、そういう手に入れ方が壬氏はもとより猫猫が喜ばず、バックには羅漢もいますからね。前途多難です。

阿多妃と現帝の関係は序章でも描かれていた通り、昔は良き友人であり、今でも良き相談相手。だがしかし正室は玉葉妃であり、帝と対等な立場の人間などこの物語では存在しない。
阿多妃と現帝がひかれあっているが立場上単純な夫婦ではないことが悲恋のように描かれているのは、猫猫と壬氏との対比でしょうね。
現帝が手に入れられなかった幸せを、壬氏はつかめるのでしょうか?(まあ完全なる東宮だから今のままでは無理でしょう。だからがんばっているんだろうけど。)

謎解きだけではなく身分違いの恋(というか政略結婚)という萌え要素、人間関係の葛藤まで描くとは隙の無い名作でありますなあ。

ではまた6巻でお会いしましょう!


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