スキップとローファー 第二巻 おすすめ場面 ありすぎて困った…
1巻につき1場面紹介していくネ♪みたいなノリにしようとしたらありすぎて無理だったので好きなだけ書かせてぇ……。
2巻の時点でキャパオーバーなんだわぁ。すごいよねぇ。作者マジ天才よな……。
「すごく練習してじょうずになったんだなってわかるよ」
まあ、このシーンは外せないよね。2巻の山場でしょう。
さて、察しがいい都会っ子のミカ、自己分析も完璧なので立ち回りに隙がありません。
明らかに田舎くさい主人公みつみをカースト下位と即判断し初見スルーする鋭さを持った女子です。しかし志摩と仲いいと見るや、素直さを逆手にとって利用するずる賢さまで持ち合わせている、世渡り上手…この描き方では、この漫画では狙ったような嫌われキャラです。
それが、Snece.8を読んで、ミカが好きになるのは、作者にまんまとはめられているようで悔しいですが正直、ここは負けを認めます。完敗です。
ミカの”弱さ”を見せて、読者の共感を煽り、キャラクターに親近感と好感を持たせようとしているんだよね?わかりますよ。
わかっていても、好きになるよこれは……。
みつみは、ミカのことが好きでも嫌いでもないんだと思う。
みつみは素直に描かれていますが、極度の鈍感には描かれていません。
ミカの冷たさにも気づいていた発言があります。
みつみのすごいところは、ミカの冷たさ=悪い部分を理解していてなお、ミカにバレーを教わろうと声をかけたところなんですよ。
人って誉められてうれしいですよね。でも単純に「すごいね」といわれてもお世辞にしか聞こえません。
本当にうれしいのは、自分が自信を持っている、つまり、自慢したいところを理解し誉めてくれることじゃないですか。
例えば対して努力をしなくても万年テストで100点を取っている子がいるとして、その子が喜ぶのは100点のテストを褒められることでしょうか?苦手な逆上がりを毎日練習してテストで初めて成功できたときの、体育の授業の先生の「やったね」の一言だったりするのでは?
人間って結局、褒め称えられることがうれしいのではなく、理解してもらえることがうれしいんです。
ミカは完璧にふるまっていて、プライドも高い。
完璧にふるまい、努力を見せないことが「かっこいい」と思っている。努力しないでも何でもできることが、ミカのプライドなんです。
でも本当は、何事も努力で勝ち取ってきたことを、きっとミカだって知ってもらいたいはずなんです。隠していてもね。
それを見事見抜いたのは、鈍感だと思っていたみつみだった。
そういうシーンです。
ミカは本当はみつみがとても聡いことにもう気づいている。
でもそれを認めたくなかった。
自分は努力してもみつみのようには立ち振る舞えない。なぜか?自分の一番嫌いな部分「プライドの高さ」が邪魔をするから。
でも自分自身が嫌いな部分すらもわかったうえで、みつみは自分をほめてくれた。
こりゃもう頭を思い切り殴られたくらいの衝動ですよね。
Scene.8で私が作者の思惑通りミカを好きになって悔しいように、ミカも相当悔しかっただろうなぁ~。
バカにしているはずのみつみのほうが、自分よりも秀でた人間だと思い知らされる気がするよね。
そしてそれに気づいてしまうくらいは、自分に道徳があるのがいやだよね。
そして、見下していたはずのみつみに、褒められたことがうれしいのも悔しいよね。
わかるよ。
でもミカ、あんた自分を卑下しているかもしれないけどさ、それを認められる素直さがある。だから、私は、たとえ作者に踊らされようが、アンタを好きになったよ。
2巻山場何個あるんだってくらいすごいよね。
このシーンも外せません。
「志摩君が来ないとつまんなから来てよって言いたかっただけなんだ――」
正直言います。
女の私でもこのみつみは可愛いと思ったよ。
素直なのが一番かわいい。私には無理だ。可愛すぎる~~~~。
そして、素直に告白したからこそ、志摩君もこのあと、素直になんで怒ったか告白するんですね。
志摩君は絶対に本心を言わない子です。
本心を言えばモテモテである自分のせいで傷つく人が多数いることを理解し、面倒なことになることすらもわかっているからです。諦めちゃってるんだよね。
そんな志摩君が唯一素直に(つられて)本音を話せるのがみつみなんです。
与えよ、さらば、与えられん。
もう聖書だよね。
みつみは素直だから、志摩君がつられちゃってるんだよ。
でもね、悪いことではなくて、志摩君だって現役高校生だし自分の気持ちに素直になりたいはず。空気を読むのは社会人になってからでも遅くないんですから。
前に感想でも書いたけど、みつみの魅力は「自己肯定感を与えてくれる」子であることです。
みつみの素直さにあてられて、素直になると、気分が楽になるんだろうなぁ。志摩君。(多分気づいてないけど。8巻になってもまだ)
みつみだって、「君がいないとつまんない」なんて同級生の男子にいうのは照れたはず。ミツミはそこまでおバカじゃないです。情緒がある女子高生ですからね。
でも先んじて素直になれば、志摩君だってそれにこたえてくれた。
スマートで大人~な志摩君、本当はただの男子高校生。田舎の同級生と変わらない。そのことに無意識にでも気付いているのは、みつみだけなのかもね。
書ききれなかったけど2巻では高峰先輩もいいキャラしているし、私の推し・兼近先輩も出てきます。
兼近先輩と志摩君の関係性が私はすごく好きでね。
まだ先になるけど、そこは絶対に考察を書きたいと思いますのでね。兼近先輩いいよぉ。彼ほど物事を客観視できる人はいないよ。さすがは劇作家だ。
ではまた3巻おすすめ場面で会いましょうネ。
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