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HUNTERxHUNTER 感想 なんで神漫画扱いされるのか?それはバトルマンガじゃないからである。

HUNTERxHUNTERとは、いろんな意味で超有名作。作者は幽遊白書、レベルEを生み出した鬼才・富樫義博大先生。

有名なのは驚くべき休載率、にもかかわらずジャンプの売り上げを左右するとまで言われる超人気だから。
この漫画、週刊少年ジャンプではワンピースに次いで長期連載であり、なんと1998年から連載されているそう。
なるほど私ががっつりオタク人生を送っていた学生のころ、キメラアント編を休載していたのも理解できます。
当時コンビニでバイトをしていた私は、あの頃は年に何回かは連載再開していたハンターハンターを読むために、週刊少年ジャンプをレジ前で開いていました(ただのサボり。)

今回約4年ぶりに連載再開&新刊発売されたということで、6巻分がジャンプ+で無料で読めるようになっていました。
暇だし読んでみるか、と思ったのが運の尽きでしたね。

学生のころがっつりオタクでしたよ私は。
2chとか考察とかも読んでいましたよ私は。
でもやっぱりアラサーになった今1巻から改めてハンターを読んだ感想を叫びますね。

何この神漫画、大丈夫そ?

びっくりしました。こんなにハンターって完成度高かったんだってね。
1巻第1話。
名だたる有名作、ワンピースやナルトも素晴らしい1話です。たった1話、でもその物語は確実に泣けますよね。

でもね、レベルが違うんだよな。
ハンターハンターはすれた大人になった今読んだら発見がありすぎて怖いんですよ。
富樫先生御年50歳くらいでしょ?
今暗黒大陸編書いてるじゃん?今令和でしょ?
最近オタク軽く卒業してて漫画に疎いから話半分に聞いてね。

間違いなく令和に連載されている漫画の中で一番面白いわ。

あのね、呪術信者なんですけど私。
呪術廻戦読んだときに令和で一番面白いのはこれだって思ったのね。
まだ漫画ってコンテンツも捨てたもんじゃないってね。
ほかにも好きなマンがたくさんあります。それこそnoteを始めるきっかけになったBANANA FISHだとかね。
でもね。
前言撤回。

HUNTERxHUNTERに勝てる連載中の漫画は現存しておりません。

連載終了してるからBANANA FISHはハンターと争えるレベルだよ。あれはまぁバイブルなのでマンガじゃないんだけど(冗談ですよ)

正直この天才(富樫先生)を漫画界に生み落としてしまったことは、罪ですらある。

BANANA FISHと同様に1巻からすべて解説感想を述べたいところですが、なんせ長い。
だから、まず一気に37巻まで読んだ私の興奮を収めるため、総括ということでハンターの魅力を考察したいと思います。

タイトルにも書きましたが、ハンターハンターが神格化される理由を考えてみました。それは、

ハンターは「バトルマンガ」ではなく「ミステリサスペンス」にカテゴライズされる「ヒューマンストーリー」だからです。

正直ヒューマンというカテゴリってどうなの?だってすべての作品がヒューマンであるべきでしょと思っている私なんですが。
つまりね、メッセージ性ってのがない作品は駄作なんですよ。アクションならいいけどね。
だからバトルマンガならいいんですよ。映画でいうアクションだから、ドンパチやって、それを見るのが楽しいってやつね。
でもハンターハンターは違うでしょ。どっちかというとアカデミー賞候補の方でしょ。

同様に「呪術廻戦」や「進撃の巨人」もこちらだと思います。
なぜかというと物語の中核に「謎」がありそれをバトルを交えながら「解いていって」主人公が「成長する」物語だから。

ただねぇ、ハンターハンターが前述した2作と違う(すげえ!)ところをお伝えしましょうか。
基本的にハンターのメインストーリーは「ゴンがハンターになって尊敬する父親に会いに行く話(その過程で強くなって人間的にも成長する)」なんです。
だから「壁の謎を解いて母親を殺した巨人を駆逐する(過程で仲間を培って人間的に成長する」進撃の巨人や、「宿儺を払うために呪術師になって自分の目的を見つける(=成長する)」呪術廻戦と同じです。

なんだけどねぇ。ハンターハンターってバトルすらちっさなミステリ仕立てにしているのが面白いのよ。

あーやばい話の軸が拡散してる感ある。
待って先にまとめておくとこういうことです。
ハンターの面白さを3つでいいます。

①バトルすらミニミステリになっている(能力がとにかく魅力的)
②ぽっと出即死にの雑魚キャラですらキャラ立ちが軽く準レギュラーレベル
③意味は分からん、だが面白い漫画の魅せ方を備えている

言いたかったのは①ですね。
複雑な能力がとにかく出てくる(制約多め)なんですが、それを使ってミニミステリ感を出してくる。
とくにクロロvsヒソカ戦なんてその真骨頂でしたよね。クロロの複雑な能力とそれを推察するヒソカの心理戦でした。
そして③の魅せ方がうまいのでなんかよくわかんない複雑な能力バトルしてるけど、面白い感じがする!ってなるんですよ(笑)

これが才能なんだなって思います。

理解できない面白いものを作れるっていうこと。

感情って理屈じゃないじゃないですか。
私みたいな屁理屈はどうしてこんなに面白いんだろうって一生懸命理由付けするんですけど結局漫画を読んだ時の「おっもしれええええええええええええ!!!」っていうパッション。それがすべてだって思います。
どんだけ言葉で説明したってページをめくった時の興奮を正しく説明なんてできません!

そして富樫先生の大きな才能のもう一つは②です。
モブ顔のキャラクターすらキャラが立ってるんですよ…。もはや恐ろしいですよね。
そしてオタキングがYoutubeで解説していましたが、王位継承編ではクラピカが頭脳戦を繰り広げています。普通頭脳戦の場合2人天才キャラが出てきてその二人でやりあう構図になる、と言っていました(例えばデスノートのキラとL)しかしこの暗黒大陸編は雑魚キャラですらメイン級の頭脳戦をやってしまうんです。そして作者はもちろんキャラよりも賢くないといけない。
富樫先生もはやアタオカレベルなんだよなぁ。。。

そして王位継承編では、新しい試み、多分群像劇をやろうとしているという点でも面白い。真面目に漫画で群像劇をやっている作品ってあるのかな?なくない?

どうせすぐ休載するけど正直許せちゃうな…こんだけ面白いと。
って人多いんだろうな。私もです。

ちなみにヨークシン編、グリードアイランド編、次いで今やっている暗黒大陸編が好きです。
理由は頭脳戦が繰り広げられる構成になっているから。
キメラアント編はヒューマンストーリーに結構荷重を振っていて脳筋多めなので私好みではありません。だがしかし……コムギとメルエムを描いた富樫先生にもはや死角なしとは思いました。そしてネットでキメラアント編の評価が高いのも理解できます。
後は好みの問題だけでしょうね……。

では長くなってしまったので、それぞれ細かいところに関してはまた時間があるときに語らせてください。

なるべく長く連載が続きますように!!!(笑)

P.S.

言いたかったこと書き忘れていた。
富樫先生は漫画のおまけページに、ストーリーを考えるときに、なんとなく最後は決めてるけどあとは成り行き(キャラに任せる)というような言い方をしていました。

これはちょっと創作をやっていた私にはなんとなーくわかったりします。

物語はプロット立てて肉付けしていくっていうのが正攻法なんですが、書いているとキャラが勝手に動いて行って当初立てていた筋道じゃない方向に物語が動くことがある。そして作者すら思い描かなかったすごい展開が生まれたりすることがあるんです。

例えば伏線じゃないけど適当に書いていたところが、まるで伏線のように意味を持ったりするんです(勝手に!)

だからね、ネットですごい伏線だあれは伏線だってのは実は後付けだったり、偶然だったりってことは割とあると思うんです。(週刊連載だしね)

でね、この、適当に感覚で書いていたら後でつながったというのをできるのは、才能もあるし週刊連載という厳しい環境下(極限)で物語を作っているからこそだと思うんです。

ネットでいろいろと考察されていてこれはこうだ!っていう記事とか読んでそれが当たっているかでみんなワクワクすると思う。
そして意図した伏線というのはたくさんあると思う。
でもきっと意図しない伏線の方が多く生きていると私は思ったりするんですね。
意図せずキャラクターが作者を助けるんだと思うんです。

子が親の言うとおりに育たないように、きっと創作でもそういうことがあるんだと思う。
世の中って不思議なもんでね……。

(そういう作家さんもいる、というだけでガッチガチにプロット固める作者さんもいらっしゃるとは思いますよ!)

ただ、それがうまいのは富樫先生だし、あと私がひっさびさに漫画に惚れこんだ芥見先生(呪術廻戦作者)だと思います。

で、そうそう私が言いたかったのはね、漫画考察が好きな人は自分で創作してみた方がいいって思うってこと。
全部が全部、理屈じゃないんだよって言いたかったんです。


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